認可保育所と留守家庭児童育成センターの対応

2020年5月30日[カテゴリ:コラム, 子育て・教育

先週から休止していた行政サービスが少しずつ再開されていっています。

認可保育所での特別保育の終了

5月21日(木)に、兵庫県が国の緊急事態宣言の対象区域から外れたことから、5月25日(月)より特別保育を終了しましたが、6月30日(火)まで自主的な登園自粛のお願いすることになっています。

4月16日のコラム(←クリックするとご覧頂けます。)で掲載しておりましたが、西宮市の認可保育所では、4月20日(月)から、真にやむを得ない場合だけに限定した「特別保育」を実施してきました。
なお、真にやむを得ない場合とは、医療従事者や警察、消防、介護等社会の機能を維持するために就業を継続することが必要な方、ひとり親家庭で仕事を休めず近隣に親族など子供の世話を頼める人がいない場合等です。

一昨日のコラム(←クリックしてご覧ください。)で、子供たちの心のケアを真剣に心配するのであれば、感染者もしくは濃厚接触者が確認された場合の学校の対応方針を事前に細かく示すべきという内容の記事を掲載しました。
なお、ざっくりとした「感染者等が発生した場合の施設閉鎖等の目安」は、市のホームページに記載されております。

そして、昨日、北九州市での感染者に小学生と中学生が含まれているとの報道がありました。
このお二人が通学していた学校は当面閉鎖されるそうです。

西宮市も他人事ではありません。
もっと具体的なことを想定して、閉鎖した場合の対応方針もを示すべきとの思いを強めました。

保育所についてもほぼ同様のことが当てはまると思っています。保護者は普段仕事をしているわけですから、急に市の対応が変わると影響は小さくないと想像されます。
一昨日のコラムで掲載したとおり、感染拡大防止対策と感染が確認された場合の市としての対応方針を事前に保護者には示し、備えておいてもらうべきです。

なお、市立保育所等の現在の対応方針は以下のように記載されています。

市のホームページより
【児童もしくは職員が陽性と判明した場合】
当該保育所等は2週間の臨時休園とする。

【児童もしくは職員が濃厚接触者と特定された場合】
当該児童もしくは職員に対し、2週間の自宅待機を要請する。

※民間保育施設(私立保育所、幼保連携型認定こども園、地域型保育事業所)についても、適切な対応を要請する。

↑2週間も臨時休園とせざるを得なくなった場合、特別保育を必要とする方々に対しては、どのように対応するのか示されていません。

特別保育の実施にあたっては、西宮市では特に大きな混乱については耳にしませんでしたが、5月6日のコラム(←クリックするとご覧頂けます。)で掲載した通り、緊急事態宣言の期間延長に伴う影響を懸念し、5月8日(金)に以下のとおり市に対して提案を兼ねて質問しておりました。

なお、私の質問に対して市から回答があるまで2週間を要しました。

市に対する質問(5月8日(金))と市からの回答(5月22日(金))
 先日(4月28日発表)の保育所等待機児童数に関する報告「令和2年4月の保育所等待機児童数について」では、4月からの保育所等入所総児童数が7921名と記載されておりました。そこで、以下の通り、質問いたします。
【田中の質問1】
 4月20日より特別保育が始まってから、市内の認可保育所等では何名のお子様をお預かりしているのかご報告ください。まだ把握できていないようでしたら、至急把握すべきと考えますがご見解をお尋ね致します。
【市の回答】
 特別保育に移行した4月20日の登所状況は、公立保育所では在籍者2,367人中、395人(16.7%)が登所しております。また、民間保育所等の状況につきましては、現在集計中ですが、概ね12%程度の登所率となっております。
その後も概ね同様の状況で推移しております。

市立保育所で395名、民間の認可保育所で約660名、全体で1000名を超える子供が特別保育を必要としていることが分かります。

臨時休園の措置が必要となるようなことになれば、ただでさえ、待機児童が370名もいらっしゃる中で、隣接の園で預かることができるとは思えません。少なくとも特別保育を必要とするご家庭に対する代替措置の準備が必要であることは明白です。

市に対する質問(5月8日(金))と市からの回答(5月22日(金))
【田中からの質問2】
 5月7日以降の特別保育の延長によって、保育所等を利用できないご家庭におかれては長期の対応となり、仕事や生活において様々な困難が生じているのではないかと懸念されます。お子様のご家庭での生活の様子は、各保育所等においてどのように把握、対応されているのかお尋ね致します。合わせて、支援が必要なご家庭に対して、的確に福祉制度をご案内するなどのサポートが必要ではないかと心配しておりますが、そうしたサポートができているのか、現状をご報告ください。
【市の回答】
 本市では、国からの通知に基づき、要保護児童対策地域協議会に登録されている支援対象児童など、配慮や見守りが必要な児童については、保育所等が定期的に家庭での状況を確認することとしております。また、その他の児童につきましても、在籍する保育所等において電話等での育児・健康相談等を実施し、在宅での状況把握のほか、必要な支援や情報の提供に努めております。

引き続き、利用を自主的に自粛されるご家庭に対しても育児相談等のケアは必要です。

また、3月に市内で初めての感染が確認され、3月3日から学校が臨時休業となり、保育所でも自主的な登園自粛をお願いしていました。そこで、どの程度の方が自粛対応可能だったのかを把握した上で、感染防止対策を検討する必要があると考えています。

そこで、4月3日に以下のような質問をしておりました。

市に対する質問(4月3日)と市の回答(4月11日時点)
【田中からの質問1】
 保育所、学童保育について、3月末現在、(クラス単位の対応を含めて)閉鎖している施設はあるのか。あるのであれば、その件数と代替措置などの対応(子供の居場所の確保や保護者への支援等)状況をお尋ね致します。
【市の回答】
 認可保育所及び学童保育につきましては、閉鎖している施設はございません。
【田中からの質問2】
 自主的な登園自粛を要請されておられますが、保育所の3月の利用状況(定員充足率や減免制度の活用状況など)をお尋ね致します。
【市の回答】
 3月の出席状況について、現在園からの提出を求めている状態ですが、概ね2月の状況と大きな差異はございません。利用状況が判明するのは4月下旬頃となります。

↑5月下旬になっても、自主的に登園を自粛した方がどの程度いらっしゃったのか、情報提供はありません。現場の情報と保育士さんへの影響、そして、子供達と利用者への影響については、迅速に情報収集し、必要に応じて対応することが肝要です。

また、3月の自主的な登園自粛については、自粛可能なご家庭が少なかったことが分かります。そのような中、6月以降に、自主的に登園自粛可能な方がどの程度いらっしゃるのか迅速に把握した上で、3密対策など感染防止対策や、施設を閉鎖せざるを得なくなったときの対応について、具体的な対応方針を保護者に示しておく必要があると感じています。

仕事をしている保護者の方々は、保育所の急な対応によって、仕事を急に休んだり、復帰したりと対応できる方が多いとは思えません。
そもそも、幼児の感染も心配される中で、安心してお子様を預けられる環境にあるのかも心配します。

引き続き、情報収集に努めたいと思います。

留守家庭児童育成センター(学童保育)

6月1日(月)から、留守家庭児童育成センター(以後、育成センターと記載)が再開されます。
保育所での「特別保育」にあたる「学校での預かり事業」は、学校が再開されるにあたって終了となります。

市の文書より抜粋
 学校の再開にあわせて育成センターを開所します(学校での預かり事業は5 月末日をもって終了します)。消毒や換気等には努めますが、利用児童数によっては児童間の距離が十分に取れないことが予想されます。家庭内での保育が可能な日はご利用をお控えいただくようお願いいたします。
当面の間、午前8時から午後5時までとし、延⻑保育は実施しません。また、土曜日は臨時休所とします。

12日(金)までは分散登校ですから、利用時間は以下のとおりとなっています。

市の文書より抜粋
【小学校が2部制での登校の場合】
午前中に登校する児童:午後から利用可
午後から登校する児童:午前中のみ利用可
【小学校の全学年が午前中のみ登校の場合】
下校時からの開所。

学校での預かり事業の対象学年は1年生から3年生となっていました。4年生以上の障害のある児童については、大変影響の大きい措置となっていました。そこで、緊急事態宣言の期間延長に伴い、影響の長期化を懸念し、5月8日(金)に以下のとおり市に対して質問しておりました。

市に対する質問(5月8日(金))と市からの回答(5月22日(金))
育成センターの休所延長に関しまして、以下の通り質問いたします。
【質問の前提】
 4月13日より小学校1年生から3年生までを対象に、「学校での預かり事業」を実施して頂き、申込件数が800名、実際の利用者が約半数との報告を頂いております。
【田中からの質問1】
障害のあるお子様については、通常の育成センターでは6 年生まで入所可能となっていますが、4月以降、4年生以上の障害のある児童の育成センターへの申し込みは何名いらっしゃったのかお尋ね致します。
【市の回答】
育成センター4月の利用状況ですが、障害のある児童は以下の通りです。
4年生…26人、5年生…9人、6年生…5人、合計40人です。
【田中からの質問2】
 学校での預かり事業についても6年生までの障害のある児童を対象とすることについて、市のご見解をお尋ね致します。
【市の回答】
 障害のある児童の居場所については生活支援課が中心となって個別に相談を受け、放課後等デイサービスの事業所等と調整を行っています。調整の結果、学校の預かり事業を利用している場合もあります。

4年生以上の児童についても、各校1名の割合で利用している計算になります。

児童にとって、普段利用していない施設を利用しなくてはならなくなった場合、慣れるまでにも時間を要すると思われ、育成センターが休所となるたびに他の施設の利用するとなると児童のストレスも大きくなり、現実的な支援となっていないのではないかと推察されます。

今後は、学校が閉鎖されるような事態となれば、そのたびに影響を受けることとなりますから、保護者も市の方針に合わせて、準備をしておかなければならないと推察されます。学校で感染者もしくは濃厚接触者が確認された場合や再び一斉休業となった場合など、様々な事態を想定し、細かい対応を準備して保護者に方針を示しておく必要があると思います。

市からの報告

5月19日~21日の市からの報告を掲載致します。
国の緊急事態宣言の対象区域から外されることが濃厚となっていたことから、その後の様々な行政サービスの再開について、検討されていました。

(令和2年5月21日(木)22時)
第88回新型コロナウイルス感染症対策本部会議
・本日(5/21)の検査結果は陽性が0件であった。
・電話相談件数
昨日の医療相談は49件。本日15時時点では25件あった。
昨日の一般相談は42件。本日15時時点では19件あった。
昨日の融資相談件数は72件。セーフティネット認定数は55件。
・定額給付金の相談等の件数は昨日299件あった。マイナ申請は196件あった。
→昨日、給付金振込みを行なえた件数は4,751件であった。〈エラーは10件〉
緊急事態宣言解除後の学校園と留守家庭児童育成センターの再開について議論した。
緊急事態宣言解除後の保育所の対応について検討し、添付のとおり決定した。
・本日中に県の対処方針(改定)が示される事から、明日、調整をした上で、速やかに市の方針を発出する事とする。
中央病院の人間ドックを6月より再開する。〈別紙〉
添付資料

(令和2年5月20日(水)21時30分報告)
第87回新型コロナウイルス感染症対策本部会議
・本日(5/20)の検査結果は陽性が0 件であった。
・電話相談件数
 昨日の医療相談は47件。本日16時時点では36件あった。
 昨日の一般相談は33件。本日15時時点では30件あった。
 昨日の融資相談件数は78件。セーフティネット認定数は48件。
・定額給付金の相談等の件数は昨日220 件あった。マイナ申請は231 件あった。
本日、初回の給付金振込みを行った。<振込依頼件数は4,671 件>
・市民や事業者への支援策をまとめた資料案を確認した。
→更にブラッシュアップをして22 日にはHPで公開する予定。
緊急事態宣言が解除された後の職員勤務体制や事務事業の取り扱いについて議論をした。
・緊急事態宣言が解除された場合を想定して、各局の対応方針などについてあらかじめ関係局とも調整を進めておく。22日には対応方針を決定し、アナウンスできるものについてはHPなどで発信する。

(令和2年5月19日(火)20時30分)
第86回新型コロナウイルス感染症対策本部会議
・本日(5/19)の検査結果は陽性が0 件であった。
・電話相談件数
昨日の医療相談は59件。本日15時点では34件あった。
昨日の一般相談は57件。
昨日の融資相談件数は80件。セーフティネット認定数は53件。
・定額給付金の相談等の件数は昨日240件あった。マイナ申請は129件あった。
→明日(20日)初回の給付金振込みが予定されている。
・市民や事業者への現時点の支援策をまとめた資料を作成する方向で検討した。
・職員がPCR検査を受検した場合の対応手順について改めて確認をした。
屋外・屋内の市立公共施設の再開方針について検討した。
→今後、施設を再開させていくのにあたっての基本的な方針を定めた。
市立公共施設の再開について(案)

これより前の市からの報告については、こちらのコラム(←クリックしてください)をご覧ください。

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