令和2年度補正予算(第7号)のまとめ

2020年9月30日[カテゴリ:コラム, 文化振興

 10回にわたって掲載しました令和2年度補正予算第7号の最終回となります。

芸術文化公演等再開支援事業(新規)

 令和2年度補正予算第4号(←クリックすると6月6日のコラムが開きます。)での文化芸術活動に対する支援に引き続いての事業となります。
 市による文化芸術活動に対する支援がある一方で、スポーツ活動に対する支援はありませんが、コロナ禍において置かれている状況は、文化芸術活動もスポーツ活動も同様であると考えています。8月7日の民生常任委員会での質疑に対する市の回答でも、市はそのことを認めています。市民の健康の保持という観点からも、コロナ禍におけるスポーツ活動に対する支援についても検討するよう求めました。

 また、その場限りの支援に終わるのではなく、この支援によって、今後の発展に結び付けることが理想です。ですので、市民の皆さんに改めて「文教住宅都市・西宮」に親しんでいただく機会と捉え、これまで都市型観光に携わって頂いてきた民間団体の皆さんや商店等と協働し、幅広いジャンルを対象にして総合的にまちを盛り上げていくべきです。

 先日の決算審査でも、具体的に、大谷記念美術館の運営と市内観光事業とのコラボレーションについて提案しました。同じ産業文化局内でも、文化行政と観光行政が縦割りで事業を実施しています。これまで、様々な場面で縦割り行政の解消の必要性を指摘してきましたが、西宮市役所には、まだまだ意識改革が必要です。

市の説明の抜粋
 新型コロナウイルス感染症の影響により、文化施設では、休業要請解除後も新たな生活様式を踏まえた対応が求められており、芸術文化公演等の再開に影響が及ぶことが懸念されます。
 このため、公演等に係る経費を助成するなどの施策を実施し、芸術文化公演活動の再開を支援するため、令和2年度予算を補正して対応します。
【補正予算額】
 歳入:184万7千円
 歳出:2802万7千円

(1) 芸術文化公演等再開支援事業【兵庫県・西宮市協調事業】

事業の概要
<対象施設①:西宮市市民ホール>
 市民ホールで実施される舞台芸術公演及びそれに伴う練習に係る施設使用料の半額を減免し、芸術文化公演の再開を支援する。対象者は芸術文化公演主催者、減免額は施設使用料の半額(ただし、附属設備使用料を除く)。
【補正額(歳入)】
 184万7千円(県より)
<対象施設②:兵庫県立芸術文化センター>
 芸術文化センターで実施される文化芸術公演及びそれに伴う練習に係る施設使用料の半額を施設が減免し、減免相当額を施設に助成する(県3/8、市1/8負担)。対象者は兵庫県立芸術文化センター、助成額は施設使用料の半額(ただし、附属設備使用料を除く)。
【補正額(歳出)】
 642万7千円(全額市の一般財源で対応)
【事業スケジュール(予定)】
 令和2年7月~令和2年12月

(2) 実演芸術公演支援事業(西宮市文化振興財団実施事業)

事業の概要
 市内で実施される実演芸術の公演にかかる費用につき主催者を支援する事業を、西宮市文化振興財団が実施する。
対象者は、市内で実演芸術の公演を実施する主催者で、支給額は1公演につき上限30万円。
【補正額】
 1500万円(全額市の一般財源)
【事業スケジュール(予定)】
 令和2年8月~令和2年12月

(3) 西宮ライブミュージックスポット情報発信事業

事業の概要
①西宮ライブミュージックマップの発行
 市内のライブハウス等のライブミュージックスポットを紹介する「西宮ライブミュージックマップ」を発行する。
②「(仮称)西宮ライブミュージックMonth」事業の実施
 市内のライブミュージックスポットにおける一定期間の公演情報を紹介するチラシ「(仮称)西宮ライブミュージックMonth」を作成し、情報を発信する。
【補正額】
 160万円(全額市の一般財源)
【事業スケジュール(予定)】
 令和3年2月頃事業実施

(4) 西宮市文化振興財団による実演芸術公演再開事業

事業の概要
 自粛期間が続き、実演芸術から遠ざかっている市民に実演芸術を届けるとともに、「新しい生活様式」の中での、「新たな催しのかたち」を提示するため、withコロナ時代における実演芸術の第一歩となる催しを実施する。
【補正額】
 500万円(全額市の一般財源)
【事業スケジュール(予定)】
令和2年9月を予定

⻄宮市議会における管外視察の中止

市の説明の抜粋
 新型コロナウイルスの感染拡大防止に鑑み、市議会で今年度実施を予定していた常任委員会の管外視察を中止することになりました。当該削減額は、市議会からの申入れに基づき、市民や事業者への支援等に資するよう、新型コロナウイルス感染対策基金の財源として積み立てます。
【管外視察旅費の削減額】
 585万円

↑西宮市議会は、コロナ禍に対応した議会運営にチャレンジしています。昔は、「視察と銘打った旅行」と揶揄された管外視察でしたが、近年、その役割が明確化され、現在は、常任委員会ごとに1年単位で設定している「施策研究テーマ」の提言に必要な内容を調査することになっています。コロナ禍で対応に追われている自治体職員に配慮する必要があり、今年度の管外視察は中止しました。市内を対象にした管内視察についても、現場の職員の手間を取ることを考慮して、厳選して実施する必要があります。 
 視察による調査ができないない中で、施策研究テーマの選定や調査についても工夫が必要です。

新型コロナウイルス感染症対策基金への積立(新型コロナ対策みやっこ元気寄附金)

市の説明の抜粋
 新型コロナウイルス感染症が続くなか、市民や企業の方から寄附を通じた支援をしたいという善意のお申し出を受け入れるため、新型コロナウイルス感染症対策基金を設置し、新型コロナ対策みやっこ元気寄附金の受付を令和2年5月22 日から開始しました。
 集まった寄附金については、いったん新型コロナウイルス感染症対策基金に積み立てたのち、新型コロナウイルス感染症拡大により影響を受けた、子育て世帯への生活支援や教育支援、困窮している市民の方や事業者への支援、感染症拡大防止のための対策などに活用することとしています。令和2年7月1日までに収入した寄附金のほか、市議会議員の管外視察予算の減額分について、本基金への積立を行います。
【補正予算額】
 新型コロナウイルス感染症対策基金積立金 2624万6千円
 (内訳)
 寄附金収入額:2039万円
 管外視察予算減額:585万円
 基金利子額 6千円
【寄附実績】
 個人174件、718万8111円
 法人8件、1319万9559円
 不明1件、3000円
 合計183件、2039万670円(令和2年7月1日分まで)
【基金残高の内訳(補正後)】
 合計 1億802万2246円

令和2年度補正予算第7号のまとめ

改めて、これまで掲載していた事業をまとめて掲載します。

(公共施設での感染予防対策)
⚫公共施設における新型コロナウイルス感染症対策事業:3億8385万7千円
⚫複合災害に備えた避難所の体制強化事業:3億9766万3千円
⚫文化施設における感染予防対策事業:2650万円
⚫新型コロナウイルス感染防止のためのレバー式専用水栓設置事業:799万2千円
⚫なるお文化ホール(西宮東高校ホール)における感染予防対策事業:190万円
⚫公民館における新型コロナウイルス感染症対策事業:207万9千円
⚫図書館における新型コロナウイルス感染症対策事業:923万8千円
⚫図書館自動貸出機の導入:2609万8千円
⚫図書へのICタグ導入による非対面サービスの促進:1億2339万6千円
小計:9億7872万3千円

(民間福祉施設への支援)
⚫介護施設等新型コロナウイルス感染症対策支援事業:2億9730万8千円
⚫障害福祉サービス事業所等新型コロナウイルス感染症対策支援事業:2億5756万4千円
⚫保護施設等新型コロナウイルス感染症対策支援事業:656万8千円
小計:5億6144万円

(学びの支援・子育て支援)
⚫学校再開に伴う感染症対策・学習保障等に係る支援事業:2億1343万3千円
⚫幼稚園保育補助員の配置(幼稚園ささえ事業の拡充):75万1千円
⚫公立幼稚園への非接触型体温計の配付:8万6千円
⚫学校の臨時休業に伴う学習等への支援事業(学びの指導員の拡充):3042万6千円
⚫障害のある児童生徒のための入出力支援装置の整備:142万3千円
⚫児童生徒定期健康診断の実施時期変更への対応:136万円
⚫児童福祉施設等における対策に係る支援:7350万円
⚫新生児特別定額給付金事業の実施:1億6677万7千円
⚫不安を抱える妊産婦への支援事業:8766万1千円
⚫育児等支援サービスの提供事業:888万円
小計:5億8429万7千円

(地域経済支援)
⚫路線バス運行継続支援事業:4851万円
⚫キャッシュレス決済を活用したポイント還元による消費喚起事業:4億3000万円
⚫商店街お買い物券・ポイントシール事業:1億2000万円
⚫店舗等の感染症対策PR事業:18万円
⚫持続化給付金・家賃支援給付金申請支援相談会場設置事業:300万円
⚫住宅リフォーム助成の対象人数拡大:300万円
小計:6億469万円

(生活支援)
⚫自転車利用環境改善事業:5081万2千円
⚫新型コロナウイルス感染症入院患者等に係る医療扶助費等:3851万1千円
⚫緊急雇用対策:4229万8千円
⚫コロナ離職者就労支援事業:4000万円
⚫住居確保給付金の対象者拡大:7340万4千円
小計:2億4502万5千円

(デジタル化対応)
⚫行政サービスのデジタル化推進事業:1008万6千円
⚫Web口座振替受付サービスの導入事業:1793万円
⚫市税キャッシュレス決済導入事業:29万2千円
⚫運動施設キャッシュレス決済導入事業:720万円
⚫「新しい生活様式」の実践に向けた庁内ICT環境整備事業:2831万4千円
小計:6382万2千円

(その他)
⚫一般廃棄物収集運搬業務従事者向け不織布マスクの確保:288万8千円
⚫新型コロナウイルス感染症対策業務にかかる電話回線使用料:380万8千円
⚫救急活動等における感染防止対策:482万3千円
⚫市立中央病院での医療機器の購入:1億4793万3千円
⚫芸術文化公演等再開支援事業:2802万7千円
⚫西宮市議会における管外視察の中止:▲585万円
⚫新型コロナウイルス感染症対策基金への積立:2624万6千円
小計2億787万5千円

合計:32億4587万2千円(市の一般財源は27億369万8千円)

なお、市の一般財源27億369万8千円は、国の新型コロナウイルス感染症対応地方創生臨時交付金を活用することになっています。

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