10月1日(木)に9月議会が閉会し、令和元年度の各会計決算が承認されました。
決算の概要は以下のとおりです。1億未満の数値は四捨五入しています。
⚫一般会計
歳入:1764億円(昨年度比27億円増)
歳出:1751億円(昨年度比24億円増)
翌年度に繰り越すべき財源を差し引き、6億円の黒字となりました。なお、昨年度の黒字額は7億円でした。
一般会計の歳出額は、4年連続で増加しています。令和元年度の歳出が増加した主な要因は、幼稚園と保育所の無償化(18億円増)や消費税増税対策のプレミアム商品券事業(4億円増)など、国の政策の影響と言えます。
そして、投資的経費は前年度比で16億円減少しているにもかかわらず、令和元年度は、平成26年度以来5年ぶりに財政基金(市の貯金)を53億円取り崩すこととなり、財政基金の残高は176億円(前年度比49億円減少)となりました。
財政基金の残高が前年度よりも減少したのは、平成12年度決算以来19年ぶりとなります。
財政基金が減少した平成12年度当時は、阪神淡路大震災の影響で財政が悪化していた時期で、第2次行財政改善実施計画(平成11年度~15年度)を実施していた時期です。そして、私が初めて審査した決算は平成14年度の決算で、その時の財政基金の残高は35億円しかありませんでした。その後、非常時や財源不足に陥った時などの対応のために、16年間で、財政基金を190億円増やしてきたわけですが、減るときは1年で49億円、一瞬です。
⚫特別会計
歳入:885億円
歳出:871億円(昨年度比11億円増)
増加した主な要因は、介護保険特別会計(337億円)の増加(前年度比20億円)です。なお、国民健康保険特別会計(442億円)は3億円減少し、後期高齢者医療事業特別会計(73億円)は、前年度から2億円増加しています。
また、一般会計と特別会計を合わせた市の借金残高については、年々減少しており、令和元年度も前年度から43億円減少して1382億円となりました。
現在、市役所の業務改革である行政経営改革を実施していますが、今後、新型コロナウイルス感染症による影響が加わると、さらに財政状況が悪化すると予想されているため、財政改革は避けて通れないと考えています。
私が初当選した平成15年度も、阪神淡路大震災の復興のためにした市の借金の返済と、団塊の世代の退職による人件費の増大の時期が重なり、危機的な財政状況に陥ってました。ですので、本会議での議論(←クリックするとコラム「第3次行財政改善実施計画の必要性」が開きます。)の末、行政経営改革(平成16年度~)と第3次行財政改善実施計画(平成17年度~20年度)を並行して実施することとなりました。
今年度新たに示された行政経営改革前期実行計画(令和2年度~4年度)の中でも、目標とする財政効果は示されていないことから、16年の時を経て再び、財政健全化に向けた財政構造改革について議論しなければならないと考えています。
定例会は閉会しましたが、閉会中にも常任委員会は開催されます。民生常任委員会は早速、来週9日(金)9時半より開催を予定しています。
会議の内容は2つあり、一つ目は、西宮市より「西宮市廃棄物の処理及び清掃に関する条例の改正について」報告があります。主に、家庭ごみの収集における指定袋の導入と分別収集の区分の変更に関する内容です。
もう一つは、今年度の施策研究テーマ「新型コロナウイルス感染症対応としての産業振興について」、市に対する提言書の内容を確定する予定です。
そして委員会閉会後に、芦屋市とのごみ処理広域化の検討状況について、民生常任委員会メンバーで西宮市の担当者を交えて勉強会を開催する予定です。
今年度、初当選直後の市議会一般質問で議論(←クリックするとコラム「カラスによるゴミ荒らし対策について」)して以来、数度にわたり議論(←クリックするとコラム「生活環境と自然環境の保全」が開きます。)し、平成30年度民生常任委員会の管外視察を通じての提言書(←クリックするとPDFファイルが開きます。)でも市に対して提言するなど、長年の懸案事項であったゴミステーションのカラス対策として、折り畳み式ネットボックス等の購入費補助が始まりました。
指定袋の導入やごみ処理場の統合は大きな変化であり、今年度は、ごみ処理政策の変化が動き出す年度となりそうです。