西宮市議会12月議会が閉会

2020年12月18日[カテゴリ:コラム, 医療・福祉

 年末年始、今月28日~年明けの1月11日までのGoToトラベルが停止されることが発表されました。以前のコラムでも掲載した通り、土日祝日を対象から外すべきと思っていましたので、何もしなくても混雑が発生するであろう年末年始の移動を対象から外すことは妥当だと思いますが、経済を回しながら感染防止対策を進めるという政策を断念した以上、事業者支援は不可欠でしょう。
 しかし、感染拡大を止めるためには、GoToトラベルが直接的な原因であることが数値で示されていない以上、これを止めただけで感染の拡大を止められるとは到底思えません。急拡大前の10月下旬のハロウィンイベントの動向を鑑みると直近のクリスマスイベントの対策など、身近な生活での対策の方が重要と思います。

 西宮市では、先週までは減少傾向にあり、感染の拡大が落ち着くことを期待していたのですが、クラスターが続発し、日曜日から1日あたりの感染の確認者数が再び激増しています。
 新型コロナウイルス感染症は、正確かつ中立な情報や感染事例などを市民と共有しながら、対策を講じる必要があることを以前のコラムで何度も掲載してきましたが、残念ながら、西宮市保健所が発表する情報は半分以上の方が「調査中」で止まっており、まったく参考になりません。市内で何が起こっているのか分からないまま、とにかく外出を控えてくださいと言われているわけです。
 本日、市より以下のチラシを広めるよう依頼がありましたので一応掲載しておきますが、このような、どのテレビでも言われているような内容が掲載されたチラシを作って配るヒマとお金があるのであれば、身近で発生している感染者の対応と情報分析及びその共有に使ってもらいたいものです。
201218 corona1215_A4(←クリックするとPDFファイルが開きますので、プリントアウトしてご活用?ください。)

 情報を頂き、お隣の尼崎市のホームページを拝見しましたが、大変分かりやすく情報が共有されており驚きました。感染者に関する情報も個人情報は分からないようにして必要な情報がしっかりと掲載されていますし、「新型コロナウイルスを『正しく恐れる』ための基礎知識と事例集」も作成されており、最新(第3波)の感染事例をもとに感染した場所等分析した結果が共有されています。

 西宮市では今週今日までに、市内の複数の通所型介護施設でクラスター(12月15日現在、職員7名、利用者15名の陽性が確認)が発生し、市立中央病院でも複数人に感染が広がっている(12月16日現在、職員3名、患者2名の陽性が確認)ことが発表されています。また、市立保育所(園児1名)や市立小学校(児童1名)でも感染が確認され、ウイルスが身近に迫っていることを改めて実感します。そして、先ほど、別の高齢者施設でもクラスター(12月18日現在、職員8名の陽性が確認)が発生し、今後、利用者と職員の検査を順次実施予定との発表がありました。
 高齢者施設でのクラスターの連続発生は心配です。施設利用者の不安を取り除くためには、どの場所で何人が感染したかという情報も必要ですが、大切なのは、感染拡大を未然に防ぐために、感染が広がってしまった要因を情報提供して頂き、それを関係機関と共有して対策を講じてもらうことだと感じています。

 引き続き、動向を追いたいと思います。

12月議会の結果

 さて、そのような中で開かれていた西宮市議会は、先日15日(水)に閉会しました。

 今定例議会では、は市長提出議案35件(条例、補正予算、指定管理者の指定等一般案件、工事案件(契約変更)、人事案件)、報告案件8件、意見書案1件、請願6件、陳情1件が審議され、市長提出議案はすべて可決、請願は6件中2件のみ採択され、その結果提出された意見書案が自動で可決、陳情は採択という結果となりました。

今回のコラムでは、可決した補正予算(第10号)の概要を掲載致します。
・一般会計:48億円の減額
・特別会計:20億円の増額
・企業会計:5億円の減額

その結果、
一般会計予算は2454億円、
特別会計予算は907億円、
企業会計予算は472億円、
となります。

⚫一般会計
減額された主な内容は以下の内容です(1億円未満四捨五入)。
・第二庁舎等整備事業費:約6億円減
(新型コロナウイルスによる事業の遅延で来年度に持ち越し)
・特別定額給付金事業経費:約5億円減
(支給見込み件数を下回ったことによる減)
・乳幼児等医療助成経費:約2億円減
(助成件数の見込みを下回ったことによる減)
・こども医療助成経費:約1億円減
(助成件数の見込みを下回ったことによる減)
・公立保育所管理運営事業経費:約1億円減
(職員採用人数の見込みの減)
・地域商業活性化対策事業経費:約2億円減
(個人事業主への店舗の賃料支援の件数の見込みを下回ったことによる減)
・街路事業費:約2億円減
(都市計画変更手続きが必要になったことによる門戸仁川線の設計等の延期)
・学校情報化推進事業経費:約1億円減
(モバイルルーター購入費の残額)
・給食物資購入事業経費:約2億円減
(臨時休業による食数の減)

増額された主な内容は以下の内容です(1億円未満四捨五入)。
・財政基金積立金:約3億円増
(前年の決算剰余金の半分を積み立て)
・障害者介護給付等事業経費:約1億円減
(訓練等給付費の増)
・生活保護扶助費:約2億円増
(生活保護の受給者が増える見込み)
・病院事業会計補助経費:約4億円増
(不良債務削減のための補助金の増)

⚫特別会計
増額された主な内容は以下の内容です(1億円未満四捨五入)。
・国民健康保険特別会計:約7億円増
(高額療養費の3億4241万5千円増額等)
・介護保険特別会計:約11億円増
(介護サービス給付費の6億6662万2千円増額等)
・後期高齢者医療事業特別会計:約2億円増
(保険料等負担金の確定に伴う追加納付1億9075万2千円増額等)

 主に、新型コロナウイルス感染症関連で、1億円以上の影響を受けた補正内容を掲載しました。

 中でも私が注目したのは、乳幼児等医療助成経費が約2億円(補正後の予算約11億円)、こども医療助成経費が約1億円(約5億円)それぞれ減少していることです。これらは、中学3年生までの医療費を無料(所得制限あり)にするために必要な経費ですが、4月から9月の受診実績が見込みを下回ったため減額補正されたものです。この補正については、民生常任委員会の審査の中でも質疑があり、受診控えかと思われましたが、市の説明では、新型コロナウイルス感染症の予防のための手洗い等の効果により、例年流行している感染症が減少したためと分析されています。
 これから子供に限らず風邪をひきやすく、応急診療所の混雑が本格化する季節に突入しますが、感染を恐れすぎて受診せず重症化してしまうような事態にならないよう、引き続き、注意が必要だと感じています。

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