産業振興や生活に関する各種支援ー令和4年度補正予算(第3号)

2022年7月27日[カテゴリ:コラム, 医療・福祉, 危機管理

 新型コロナウイルス感染症が爆発的にかつ急激に拡大しています。

 私自身は、8月上旬に予定していた行事を、先週に開催した実行委員会において延期をするという判断をするという経験をしました。すでに、一部の実行委員の方には、ZOOMでの出席をお願いしないといけない状況でした。

 会場のキャンセル代がかかってしまう一方で、予定を調整して参加を予定して頂いた方々に、それ以上のご迷惑をかけるわけにはいかないということで決断致しました。

 新型コロナウイルスであろうとインフルエンザであろうとその他のウイルスであろうと、高熱が出たりして体調が悪くなれば行事等に参加するのは困難かと思いますが、新型コロナウイルスの場合、無症状でもPCR検査を受けて陽性になった方もそのご家族も、元気であっても外出が制限されてしまい、行事に参加できなくなる方が増大します。
 
 スポーツ選手は、わざわざPCR検査を受けて、陰性を確認しなければ出場できなくなるという制限を受けます。
 
 行事も延期をすると仕事がなくなる方が増えることになりますし、これが特にエッセンシャルワーカーになると、その仕事を必要とする方が困ることになるのは想像に難くありません。

 政府・行政は、「経済を止めない」という観点からか、以前のような特別な行動制限をしていませんが、結局、新型コロナウイルス感染症が感染症法2類相当の対応をし、感染者を隔離することで感染の拡大を防ぐという考え方、中途半端な対応を続けている限り、結果的には、経済を回すことは難しくなることを実感しました。

 政府には、対応をうやむやにせず、実態に基づいた抜本的な判断と説明を急いでもらいたいところです。

 さて、前置きが少し長くなりましたが、前回のコラムに引き続いて、今月7日に閉会しました6月議会(第17回定例会)で可決しました補正予算(第3号)について掲載致します。

◼令和4年度補正予算(第3号)

・補正予算額:18億2,824万8千円増
・補正後一般会計総額:1992億9686万3千円

介護施設等・障害福祉サービス事業所等・救護施設新型コロナウイルス感染症対策支援事業
≪新型コロナウイルス感染症に係る事業継続包括支援給付金事業≫
・補正額:4億4,979万円
・財源:新型コロナウイルス感染症対応地方創生臨時交付金

市の説明の抜粋
 介護サービス、障害福祉サービス、また救護施設が提供する各種支援については、いずれも利用者や家族の生活を維持するために必要不可欠なものであり、新型コロナウイルス感染症の発生によるサービス・支援の提供体制に対する影響を軽減することが必要です。このため西宮市では、各種サービス事業所・施設等が、感染防止対策を強化しつつ、事業を継続するために要する経費を支援することとし、令和4年度予算を増額補正して対応します。

 令和2年8月に可決した令和2年度補正予算(第7号)(←クリックするとコラム「民間福祉施設等への支援」が開きます。)で措置された事業と同様の支援となりますが、支援金の単価は減少しています。
 この時は、令和2年6月議会一般質問(←クリックするとコラム「介護サービス事業者への支援」が開きます。)で議論した直後に国の財源を活用して実施して頂きました。

 今回の対象となる事業者ごとの支援の内容は以下の通りです。
●介護施設等
【1】通所系、短期入所系、訪問系、多機能型
 20万円×883か所

【2】通所介護(大規模Ⅰ)
 30万円×1か所

【3】入所施設・居住系(定員に応じて支給)
 2万円×6,787人

●障害福祉サービス事業所等
【1】訪問系、自立生活援助、相談支援、療養介護、生活介護、自立訓練、就労移行支援、就労継続支援A型、就労継続支援B型、短期入所、地域活動支援センター、児童発達支援、放課後等デイサービス
 20万円×489か所

【2】宿泊型自立訓練、福祉ホーム、共同生活援助
 50万円×33か所

【3】施設入所支援、障害児入所施設
 100万円×12か所

●救護施設
 100万円×1か所

・給付費:4億3994万円、事務費985万円

 実施時期はまだ確定していませんが、今年の9月中旬から下旬以降になる見込みだそうです。

住民税非課税世帯等に対する臨時特別給付金(令和4年度)
・補正額予算:13億7,845万8千円増
・財源:全額国の負担

 住民税非課税世帯等1世帯あたり一律10万円が給付される支援事業です。
ただし、既に西宮市または他の市区町村で、令和3年度非課税世帯に対する給付または家計急変世帯に対する給付を受けた世帯や給付を受けた世帯主を含む世帯を除きます

 西宮市には約21万6000世帯が住まいしており、そのうち条例によって住民税均等割が減免されている世帯や生活保護受給世帯を含めて、住民税非課税世帯を最大で6万世帯を想定していると常任委員会において説明がありました。

 そして、令和3年度にこの制度による給付金の支給を受けた方は対象外となりますので、今回の補正予算では最大1万2000世帯分を想定して予算が計上されているとのことです。また、事務にかかる経費は約1億6000万円を見込んでいるそうです。

 この制度は国の政策で、全国一律の基準で実施される支援となっていますが、西宮市内においても3割近い世帯の方々が対象になると想定されている状況を見ると、福祉の財源を生み出す経済対策や雇用の確保は喫緊かつ不可欠であり、経済を支える人材育成や技術革新に対する投資の重要性を痛感します。

 今回も最後に、フェイスブックの投稿を掲載致します。インスタグラムにも掲載していますので、よろしければご覧ください。

フェイスブックより

■7月24日投稿

現在、兵庫県が「中小企業等原油価格・物価高騰対策一時支援金」事業を実施しています。
今年1月に投稿しましたが、国の「事業復活支援金」を受給した、もしくは、兵庫県の「経営円滑化貸付(原油価格高騰、原材料価格高騰)」を借り受けている中小法人等や個人事業主が対象です。
令和4年9月30日が申請期限で、予算に達したら受付を終了するそうです。

対象は限定的かもしれませんが、せっかく制度を作っているのに十分に周知されていない、行政は本当に困っている中小企業を支援する気があるのか?とのご意見を頂きました。

兵庫県が実施している事業ですが、西宮市のホームページにも掲載されています。
ただ、その情報までなかなかたどりつけませんでした。
西宮市は平成31年に産業振興基本条例を制定して産業振興に取り組んでいるのですが、情報提供についてもっと工夫が必要です。

そして昨日は、西宮浜にあります西宮市食肉センターで開催された「畜魂祭」に出席しました。食肉センターも産業振興のためにも、食の観点からも、重要な施設になっていますが、課題が山積しています。
晩は、お隣の芦屋で3年ぶりにサマーカーニバルが開催され、花火が見える西宮浜のスポットや西宮大橋の歩道にも多くの人が集まっていました。

西宮市でも経済対策として、もっとできることがあるなと、いろいろと感じた一日になりました。

■7月21日投稿

去年の11月に投稿しましたが、元インターン生から提案のあった海洋ごみ回収装置「Seabin」が、クラウドファンディングの目標額を達成され、先週、西宮港に設置されましたので、その様子を見学に行って来ました。
これからの海洋ごみの回収は、マリーナの方々にご協力頂くことになっています。

「設置して終わり。」ではなく、回収された海洋ごみを普段のごみ減量や分別の啓発にも活用して、海に新たに流れ込むプラスチックごみを無くしていく取り組みに繋げていくことが重要だと感じています。

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