変化し続ける特殊詐欺の手口

2023年7月21日[カテゴリ:コラム, 防犯対策

 いよいよ梅雨が明けました。
 「じめじめ」よりは、ましですが、本当に暑い日が続いています。

 そのような中、先日、特殊詐欺が疑われる電話が携帯にかかってきました。
 ひょっとすると事務所の電話からの転送かもしれません。
 自動音声でした。

 +15で始まる、見たことのない市外局番からでしたので、その時点で怪しいとは感じましたが出たところ、
電気代の未払いがあって間もなく停電する。 」という旨の内容でした。

 はっきりと文言は聞き取れませんでしたが、手続きをするために「1」のダイヤルを押すように促されました。
 未払いの覚えはないものの、「電気を止められる」と言われると不安になります。これだけ暑くて電気を止められてエアコンが使えなくなったら大変です。

 次に進もうかどうしようかと考えている間に、「電話を途中で切ると、云々」と言われたので、その時点で明らかに怪しいと思い、一旦電話を切り、ネットで検索してみたところ、電力会社のホームページのみならず、自治体のホームページにも同様の手口で個人情報を聞き出す事例が発生しているとの情報が掲載され、注意を促すメッセージが掲載されていました。

 防犯対策に消極的な西宮市のホームページには、7月20日時点では、そうした情報は掲載されていません。残念。。。

 以前のコラム(←クリックするとコラム「特殊詐欺対策の効果検証と改善」が開きます)で掲載しましたが、令和2年度、私が民生常任委員会の委員長を務めているときに、委員の提案があり、「特殊詐欺対策」を施策研究テーマとして取り上げることとなり、1年間調査を進めて、令和3年5月に、市に対して対策、政策を提言していました。

田中まさたけからの提案
【市が特殊詐欺に関する情報を収集するための専用窓口を設置し、窓口の活用を通じて意識の向上を図る】
 特殊詐欺は身近に発生しており、残念なことではあるが、誰もが被害に遭う可能性があることを特に高齢者には意識してもらう必要があり、金銭が関係するやり取りについては常に詐欺を意識できるような取組みが必要な状況にあると考える。

 そして、警察や消費生活センターへの連絡は、被害に遭ってからの連絡が基本であり、現在兵庫県が実施している「ひょうご地域安全SOSキャッチ電話相談(078-341-1324)」についても認知度が高いとは言えず、市との連携が十分に図れているとは言い難い。

 そこで、市が特殊詐欺情報専用窓口を設置し、知らない人からの電話も含めて不審な電話がかかってきたらすぐにその専用窓口に電話等で情報を寄せて頂くように啓発することを提言する。

 そうすることで、常に特殊詐欺を意識することができるようになることが期待できると同時に、自分が提供した情報によって他人の被害発生を食い止め、自身の行動が世の役に立つことが実感されればさらに協力は得やすくなり、かつ全ての住民が少しずつ協力することで、結果的に自身の身も守れる環境を作りだすことができるという運動にもつながるものと考える。

 また、情報が早期に集まることで新たな手口の把握も可能となり、警察と連携して早期の対策を講じることができるようになることも期待される。

【警察から情報を収集し、被害状況や手口等を市ホームページで発信する】
 高齢者はホームページを確認する習慣がないことが考えられるが、ご家族の方が確認して注意を促して頂くことも想定して、最も迅速な情報提供が可能なホームページでの情報提供を実施するべきである。

 ↑これらの提案をした時に、委員のほぼ全員から前向きの意見が集まった「特殊詐欺対策電話機の購入に対する補助金」は、令和4年度から実現していただきました。こちらのコラム(←クリックするとコラム「令和4年度6月補正予算(第2号)」が開きます。)をご参照ください。
 予算は400件分、326万9千円 でしたが、この想定件数を上回る申し込みがあるほどニーズが高かったそうで、今年度も引き続いて予算化されて補助金の申請ができるようになっています。

 そして、令和5年度、今月から70歳以上の方に対して、ご自宅にある電話機につなげる対策機器の無料配布も始まりました。令和5年度予算は無料配布7000台分、6,382万2千円と、上記の電話機等購入補助金とは予算の桁が違います。

 市の担当者には、市民が混乱する恐れがあるので、もっと電話機購入補助金の予算を増額して対策を強化するべきではないかと進言していたのですが、聞き入れられずに強行されました。

 入札により、レッツコーポレーション社製の「振込め詐欺見張隊ECO・ECO」を市が大量購入して、希望者(70歳以上等要件あり)に無料で配布することに決まったようです。この機器はレッツコーポレーションさんのホームページによると価格が1万780円となっていました。特殊詐欺対策電話機が買えそうな金額でもあります。
 市がいくらで購入したのか問い合わせたところ、入札結果等は情報公開請求をしないと公表できないそうなので、この機器に決まった経緯や金額をもっと詳細に調査したいと思います。 

 「機器を無料で配ってくれるなら、電話機の購入を待てばよかった。」と感じる方もいらっしゃるのではないかと心配しています。
 市が防犯対策に消極的だから、日頃の情報収集ができておらず、いざ対策をするとなると情報不足でこのようなちぐはぐな政策を推進することになるのだと思います。
 
 実際に、先日の6月議会の一般質問で、新人の議員さんが「特殊詐欺対策電話機等購入補助」と、今回の「対策機器の無料配布」と、かなり以前から実施されている「対策機器の無償貸与」の3本立てになっている市の政策に対して、市民が混乱するのではないか、丁寧な周知が必要ではないか、との質問もなされていました。妥当な指摘だと思います。

 手口は変わりつつあり、携帯電話にかかってくるケースが増えれば、自宅の電話につける機器はゴミになりかねません。
 自宅電話は必要な電話をかけるために必要なので、電話機購入補助を活用して購入していただいた電話機はゴミにはなり得ません。

 電話機購入補助と同時に、すぐにやるべきは、上記の提案事項であったのではないかと思います。
  
 つくづく残念な市政運営です。
 今後は、防犯カメラの設置も含めて、もっと真剣に市民のことを考えて、防犯対策に取り組んでもらいたいと思います。

 この後、被害にあわれる方が出ないことを願って、情報を共有できればと思って、掲載させていただきました。

 日頃の情報発信は、インスタグラムとフェイスブックを通じて行っています。

フェイスブックの投稿より

■7月2日投稿

施策研究テーマ。
今年度、集中的に調査し市に対して政策を提言する取り組み「施策研究テーマ」について、委員の皆様より候補を募っていたところ、様々な課題が提示されました。

6月29日(木)開催の教育こども常任委員会において、委員の皆様のご協力のもと、「幼児教育・保育の在り方について」と「部活動の地域移行の在り方について」に絞り決定しました。
幼児教育・保育については、施設数や定員数などハード面のことが議論の中心でしたが、今年度は、2年後に迫っている市立浜脇幼稚園と浜脇保育所の統廃合を見据えて、地域性や公立園の役割など公立の幼稚園と保育所で行われている幼児教育や保育の中身について掘り下げて調査することになりました。

部活動の地域移行については、これまで部活動が中学校で行われてきた意義に注目しつつ、教員の負担軽減に主眼が置かれてしまっていることを勘案しながら、西宮市での部活動の在り方・方向性について模索していきます。

また、調査にあたっては、民間の団体等からの情報収集・意見交換も重要だと考えています。
次回は、7月19日に開催を予定していますので、委員会での調査をしっかりと進められるよう準備をしたいと思います。

■7月5日投稿

25日(日)に、私が会長を務めます「ひょうご西宮フィギュアスケーティングクラブ」の総会を4年ぶりに開催しました。
対面での総会が開催できなかった4年の間に、インストラクターの先生方が変わるという大きな変化があり、それでも多くの新しい選手も入会していただき、さらに、シニア会員の制度もできて、100人近い会員が所属して練習しています。

そして、クラブ創立10周年を迎え、本来であれば記念行事を開催し、これまで頑張って試合等で優秀な成績を収めた選手たちを表彰する機会を設けるべきところなのですが、練習の本拠地とする「ひょうご西宮アイスアリーナ」が使えなくなり、大阪のリンクで各チームが練習してからでは、参加が難しくなる選手が多数出てくることを考慮して、行事については延期することにしました。
保護者の役員の方々と相談しながら、今後のことを協議していきたいと思います。

総会だけは開いてもらうようお願いし、ようやく選手の保護者の皆様に対して、リンクの状況の説明をしてもらう機会を設けることができました。通年リンクの設備のメンテナンスや新技術の課題についても理解をしてもらえたと思います。今月15日から再稼働できる見込みだそうで、総会後には工事中のリンクを見学もしていただきました。

改修工事のスケジュールをタイトに進めていただいての再開ですが、今後、突発的な不具合が発生しないよう、無理なく工事を進めてもらいたいと願います。


またこの日は、隣接する兵庫県立総合体育館では、全国小学生バレーボール大会の兵庫県予選が開催されていましたので、少し観覧席から見学させてもらいましたが、西宮のチームは出場していない様子でした。
また同時に、隣接する鳴尾浜臨海野球場とテニスコートでは、市内の中学校部活動の軟式野球大会とソフトテニス大会が開催されており、保護者の観戦のもと大変にぎわっていました。
この影響で、県立総合体育館の駐車場も朝から満車の状況が続き、スケートクラブの総会も30分開始を遅らさざるを得ない状況でした。
これらのスポーツ施設は、交通の便がいい場所に立地できているわけではないので、大規模な大会が重なるときは、臨時駐車場の確保も考えなければならないと感じました。

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