議員定数の削減

2010年7月8日[カテゴリ:議会改革

先々週金曜日に、一般質問を行いました。
そして、
先週金曜日に、6月定例議会が終了しました。
いくつか、報告したいことがあるのですが、
やはり、議員定数の削減の実現が大きかったと思います。

新聞では、小さな記事で載せてくれていましたが、
スキャンダラスな記事と比べると結果のみの本当に小さな記事でした。
悲しく虚しい現実です。

初めての選挙で削減を訴え、
3500人を超える方から信託を受けました。
それから8年間、ずっとその信託の重さを感じながら、45分の1の大事な権限をもって訴え、
やっとの思いで3名の削減が実現しました。
それでも、法律が変わらない限り、
今後少なくとも4年間は、
42名の市会議員が存在することになります。

私が掲げてきた
目標の削減人数には遠く及びませんでしたが、
削減の方向性が実現したことには一定満足しています。
1期目では、
たった1名の削減案でも
多数決で敗れて否決され、失敗に終わりました。

2期目の挑戦の選挙の時に、
「前の選挙の時に削減を訴えていたくせに、
実現もできずにどうなっているんだ」
という厳しいかつ当然の意見をいただきました。

1期目の失敗の結果報告は、
経緯も含めて会派でチラシを作って配布しました。
しかし、
実現しなければすべて言い訳として伝わり、
そのチラシすらも見てもらっていない人が多いことを思い知りました。
次は、
絶対に結果を出すための行動をしなければならない。
とにかく反省しました。

1期目の失敗の反省点の一つは、
「議論をオープンにできなかったこと」でした。
まず改善すべきことは、
途中の時間をかけた「議論」や議員の「発言」を
とにかくオープンにすることであると考えていました。
ですので、
議会運営に関する「発言」が非公開であった会派代表者会議を廃止し、
公開を原則とした議会改革特別委員会を設置したことは大きかったと思っています。

もちろん、
議会改革特別委員会は定数削減だけが目的ではありませんので、
多くの改革が実現しましたし、
今後も改革論議を市民に開示することで、
改革は大きく進んでいくものと考えています。
ちなみに、
3名削減の数字の根拠をよく聞かれますが、
私にとっては削減達成のための数字にほかなりませんでした。
今任期の場合、
欠員が最大3名にまでなりました。
それでも議会全体の機能に変化は見られませんでした。
これは、あくまでも議会全体の機能の問題です。
議会改革特別委員会での議論で出てきたのですが、
「任期途中で亡くなったり、辞職した議員の関係者にとっては影響が大きかったはずだ」
と主張した維持派の議員がいました。

もちろんその通りではありますが、
それを言い出すと選挙で落選した人も、
その関係者にとっては影響は大きいわけで、
その影響は、立候補者全員を当選できるようにすることでしか解消できません。
間接民主主義を前提とした議論ではなくなってしまいます。
議会改革特別委員会での議論は、
1年間に及ぶ十分な議論の末、
削減派会派と維持派会派で歩み寄りの発言がなかったため、
打ち切られました。
最終結論は、
会派の単位でいえば、半数近くの議員が削減に反対していました。
ですので、
削減のまとめの作業を、
議会改革特別委員会で削減を主張していた会派で行わざるをえませんでした。
その会派は、
保守系の無所属会派である私たち「にしのみや未来」、
自民党系の会派である「政新会」、
そして「公明党」です。
そこに、民主党が一切含まれていないのが、
少し国政と異なるところです。

結果的に、議会改革特別委員会で唯一、
議員の削減の「数」について議論された42名という内容でまとまりました。
削減の条例案を6月21日の意見書の提出期限に合わせて、
23名の意思として議長あてに提出したのですが、
そこからもうひと悶着ありました。
提出された条例案の“取り扱い”について、
何度も議会運営委員会が開かれて議論しました。
議会改革特別委員会で削減に反対していた会派から、
「条例案の提出を事前に聞いていなかった」、
「案が提出されたことを新聞報道で知った」、
「議員の身分にかかわることなので?多数決ではなく議長が調整すべき」、
「削減数について考え直せないのか(3名減から2名減にすることなど)」、
「9月まで削減人数について議論ができないのか」、
「削減について議論がなされていない」、
などなど様々な意見が出て、
条例案の提出の再検討を求められました。

提出者としては、
それらの求めもきっちりと検討しましたが、
議会改革特別委員会での1年にも及ぶ議論の末での行動ですので、
今さら受け入れられることはありませんでした。
そういったことは、
特別委員会でのこれまでの議論の中で仰っていただくべきでした。
そのために、時間をかけて議論してきたのですから。
そして、
正副議長と議会運営委員会正副委員長のご努力の結果、
28日の本会議において具体的に削減案を提出することにこぎつけ、
そこから大きく流れが変わりました。
結果的には、
最後まで信念に基づいて反対した会派は共産党のみでした。

あとの削減反対派の会派は、
削減が実現することが明らかになったからか、
退場者が続出し、急に賛成に回る会派も現れました。
ご賛同いただけるのはありがたいことですが、
「会派の中にはもっと削減するべきという意見もあった」という
驚きの発言も急に飛び出しました。
それは、議会改革特別委員会の時と全く異なる意見であり、
議事録を見れば矛盾が露呈します。

また、
同じ会派のなかで、何の恥じらいもなく、
全く別々の主張をしだす議員も現れました。
会派とは何なのか明確にすべきという新たな課題を投げかけてくれました。
その議員たちは、普段、他人には厳しいのですが、
自分たちは何をやっても正しいと思い込んでいる身勝手な人たちと言わざるを得ません。
私たちの会派は、
ずっと5名~10名減を主張してきたにもかかわらず、
1名でも多く実現することを重視して、
3名減で議論に応じたという悔しさもこらえて、
議場では、そうした呆れた発言を聞いていました。

市民に隠れて、
自分たちの立場だけを守ろうとする態度は、
一番市民が許せない政治家の態度なのだと思っています。
昨年の6月に、私も議会改革特別委員会の委員に加えていただき、
議員定数の議論に、“会派を代表して”直接かかわることができました。
最後の最後まで手間暇をかけてようやく実現にこぎつけたわけです。
議会改革特別委員会での議論は、
市議会のホームページで議事録が公開されています。

また、
私のサイトでも「活動報告」のページに議論の概要をまとめて、
掲載したいと思っています。
報道によると、
某市の市長は、
議員の数や報酬を半減しようとしているそうです。
首長の巨大な権限と人気を背景にとった行動が
どういった結果をもたらすのか注目しています。

本市では、
これだけ苦労して、
さらに今のペースでしか議員数を削減できないようであれば、
私の議員定数削減の目標の達成には、数十年かかる計算になります。
目のくらむような現実を突き付けられた6月議会となりました。

一般質問の結果など他の内容については、
また別の記事で掲載します。

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