市立中央病院と県立西宮病院の統合について

2019年1月15日[カテゴリ:市立中央病院

昨年後半に、
市立中央病院と県立西宮病院の統合について集中的に議論されましたが、
いよいよ大詰めを迎えようとしています。

昨年、以下の内容が公表される数か月ほど前には、
「アサヒビールの跡地に統合病院ができることが決まったって、病院関係者から聞いたけど本当?」
と聞いて驚きました。

そして、まだ予算とか決まったわけではないはずなのに、
すでに、新しい病院の名称まで決まっているといううわさも耳にしました。
しかも、変な名前。
どういうことなのだろう。。。

県立西宮病院と中央病院の統合再編にかかる事務レベルの調整結果等について

病院統合に関する調整結果は、↑をクリックしてご覧いただけます。

新市長よりこの報告を受けるにあたって、
平成30年6月議会に代表質問で取り上げました。

平成30年6月議会 市長就任所信表明に対する代表質問より

=====本会議場における発言の概要(カッコ内を除く)=====

■主張
これまで事務レベルの協議では、
検討の内容が一切クローズの状態で進められました。
そのような中で、先日、事務レベルでまとまったとされ、
公表された内容は、全く理解のできないものでした。
今後市議会において慎重に検討を進める必要があると考えておりますので、
くれぐれも拙速に合意することのないよう、市長には求めておきたいと思います。

先週も議論がありまして、
なぜこのようなまとめになったのか、一定判明はしました。
しかし、今年度から、
例えば国民健康保険が広域化され、
医療費の抑制計画も含めて医療に関する各種計画の策定義務や許可権限は
都道府県にあります。
ですので、
県立として病院を整備するところまでは一定理解はできるものの、
市単独では必要のない機能を持つ病院を建設するために
土地代と建設費を合わせて61.5億円負担しながら、
さらに運営費まで病床割として毎年約4.2億円もの負担を強いられることなど、
市民に説明がつくとは到底思えません。

新病院に対して仮に運営費を負担するのであれば、
医療環境において市が本来果たすべき役割、
これを精査し、建設費も含めて応分の負担額を探るべき
です。
現在の病床比率がそのまま新病院の負担の比率になることの根拠も全く理解できません。
これでは、経営統合ではなく、単なる併設と言っても過言ではありません。

■質問
現在、中央病院を設置して医療に携わっている中で、今後、医療に対して市として果たすべき役割、貢献は何であるとお考えなのか、お尋ねいたします。

■回答(中央病院事務局長より)
今後市が果たすべき医療に対する役割と運営費の負担についてですが、
公立病院に期待されている主な機能につきましては、
平成27年に総務省から示されました新公立病院改革ガイドラインにおいて、
救急や小児、周産期、災害など、いわゆる不採算部門の医療や、
民間医療機関では限界のある高度先進医療の提供
などが掲げられております。

(これは、公立病院が地域の実情に応じて担うべき役割であって、
必ずしも、西宮市が担うべき役割とは言えません。論点のすり替えです。)

■質問
そもそも県立として経営することで合意された中で、なぜ事務レベルとはいえ運営費の負担まで病床の比率で負担することで合意したのか、お尋ねいたします。

■回答(中央病院事務局長より)
統合新病院には、現在の中央病院と県立西宮病院、
それぞれの公立病院が提供している医療を継承するとともに、
県、市の区別なく、新公立病院改革ガイドラインに掲げる医療の充実に努め、
本市のさらなる医療環境の向上に取り組むことが求められております。
そのため、統合新病院の経営主体が県立県営でありましても、
病院運営に対しましては、市の関与と負担は必要であると考えております。
また、負担割合につきましては、県、市で明確に区別することが困難であるため、
現在の稼働病床数の比率で負担することといたしました。

(市税を「他人のお金」と思って協議するから、
このように継承する医療分担を精査することなく市税の使途を決めることになるのです。)

■再質問
県立県営であっても病院運営だけは市の関与と負担が必要と
事務局長から御答弁がありました。
なぜ病院だけ必要なのでしょうか?
県立の芸文センターに市の負担が生じてますか。
県立総合体育館の運営に市の負担が生じてますか。
何かおかしいと思いませんか。
このままでは必ず近い将来に禍根を残すと私は危惧しています。

基本合意までに今後どのような方針で市議会と協議していこうとお考えなのか、
あわせて伺っておきたいと思います。

■回答(市長より)
市の関与があるというようなことについて申し上げますと、
これは、全くゼロから県立県営病院をつくりましょうという話ではないことは、
もう議員の皆様方のほうがよくよく御承知のことであろうと思います。

(だから、県立病院であっても土地代と建設費を合わせて61.5億円負担するところまでは
説明がつく、理解していると言っているのです。)

そうした中で、結果として県立県営が今回の話の中では、
一つ私も理解をした中で、当局としては合理的な判断だと思っておりますが、
西宮市の市立中央病院があり、そして、県立病院があり、
この二つがあった上での判断でありますから、
ゼロから県立病院をつくるわけではないと。
もちろんそれは御承知だと思います。

そして、市の関与が一定程度あることに対して違和感がないのか、
将来的な禍根を残さないのかということに関しましては、
この経緯を踏まえると、今違和感があるとは思っておりません。

■結論・要望
これまでの経緯、
そして、西宮市には中央病院があって、それとの統合を進めるという話の中で、
県立県営であっても病院の運営にだけは市は関与し続けなければならないというふうに
市長は今御理解されているということだと思います。

私は全然そんなふうには思ってませんし、そんなことは求めておりません。
経営統合をしていただきたいと(思っています)。

先ほど壇上でも申し上げましたけれども、
市が果たすべき医療に対する役割、
これをしっかりと精査した上で、
その果たすべき役割を果たすために
どれだけの応分の負担をすべきなのか示していただきたかった
のです。
経営統合した後、県立の病院にもかかわらず、
今の病床数がそのまま負担の割合になるというのは、全く論理的ではないです。

10年後、20年後のことを考えてみてください。
何で3分の1を負担しているんですかと。

「昔、西宮市には200床の病院があったから
そのまま今も負担しているんだよ。」というふうに説明されるのでしょうか。
当然それは20年後の方には理解ができないと思いますよ、
何でそのような結論が出たのかということが。
しっかりその辺の論理は、根拠は、
論理的に説明できるようにしっかりと整理をしないといけない
と思います。

これは今回、私どもの意見として申し上げておりますので、
これまでの協議の過程が
一切クローズで県と市の事務レベルで協議がなされたことでございます。
今後、適切な結論に導けるように、
市議会でも議論をしていきたいと考えております。

====本会議場での発言概要はここまで=====

県立の施設の運営に対して
市が費用負担をする必然性については、
客観的な判断材料に基づく論理的かつ合理的な説明は全くありませんでした。

なぜ、まともにできもしない病院経営に
市の税金を使っていつまでも関わりたがるのか、本当に理解できません。

県は、現在は、公立病院を黒字で経営できているのですから、お任せすればいい。
西宮市民は、県民でもあるわけですから、
経営能力のない市が、能力のある県にお任せしても無責任ではないと思います。
むしろ、経営に市が関わって足を引っ張る方が、よほど無責任と言えると思います。

ただし、統合であれば、
初期費用については、県にご協力を頂くわけですから
市が、清算の意も込めて一定割合を負担するのは、
これは当然の責任であると考えられます。

市長は、「民にできることは民に委ねる」という方針を示していますが、
なぜ、「県にできることは県に委ねる」という考えには至らないのか、理解に苦しみます。

今後、多額の市税を将来にわたって必要とする重大事項ですので、
未来に誇れる西宮を創るために議論を進めたいと思います。

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