市立中央病院の公立病院としての役割③

2021年12月7日[カテゴリ:コラム, 市立中央病院

 先週3日(金)に一般質問を終えました。
 項目と当日の配布資料は、「議会での発言」のページに掲載しましたが、詳細は後日、順次掲載してまいります。

 今回は、前々回のコラム(市立中央病院の公立病院としての役割②)の続きです。

 新型コロナウイルス感染症については、現在も第6波、オミクロン型のウイルスに対する警戒が続いています。

 公立病院を経営する市が行うべき対策の一つとして、市立中央病院の対応が重要と考えてこれまで市に対して様々な指摘してきました。
 そして、8月19日の健康福祉常任委員会においては、コロナ対応病床最大20床からの一層の増床を求めていましたが、中央病院からは「基本的に無理、不可能」と回答されていました。
 しかし、11月19日の健康福祉常任委員会で早速、コロナ対応病床の確保について、9月から更に5床増加して最大25床まで対応可能な体制を整えられたとの報告がありました。

 やろうと思えばできる。

 迅速に対応されたことは、率直に評価しています。

 体制を整えたとたん、入院が必要な患者さんが減少し、現在は空床になっている一方で、コロナが落ち着いたこともあって一般病床の稼働率が100%に近い状態になっているそうです。
 しかし、コロナ対応用に確保した病床を再び一般病床として利用したくても、国に決められているルールもあって、機動的に病床の種類をコロコロと変えられないそうです。

 指定感染症を見直してもらえれば、もっと機動的な対応が可能だと思うのですが。。。

 当然のことながら、病気はコロナだけではありません。
 コロナ対応とは別に、8月の常任委員会では、中央病院の救急対応についても議論しましたので掲載します。

====常任委員会での議論の概要====

令和3年8月19日健康福祉常任委員会
配布された資料(「中央病院の経営状況について(令和3年度第1四半期)」)(←クリックするとPDFファイルが開きます。)はこちらになります。

■質問1(田中まさたけ)
 次に、救急の対応についてのほうに移りたいと思います。こちらは、救急の応需率が下がっているという御報告がありましたが、その要因は、病床が足りない状態が続いたからと理解しておけばよろしいのでしょうか。

■中央病院の回答
 今回、応需率が昨年より下がっているといったところなのですが、特に4月、5月の応需率が低かったと。
 それは、コロナの患者さん及び発熱を伴う患者さんについて、もちろん発熱を伴う患者さんについて全てお断りしているわけではないのですが、受けるときには、もちろん、時間外、救急であれば、陰圧室、フルPPE(個人防護具)を着て対応するのですが、コロナ対応の病床の満床が続くといった日が特に4月、5月は多かったといったこともあって、(発熱症状のある)救急を受付けてしまうと、その後のバックベッドがないという形がございますので、そこは4月、5月、特に満床や発熱でお断りしないといけなかったケースが一定存在する、それも、患者の待機場所の問題、もちろん陰圧室が複数あるわけでもございませんので、その動線の確保等も含めてなかなか全てをお受けすることができなかったということでございます。

■質問2(田中まさたけ)
つまり設備の問題ということでしょうか。

■中央病院の回答
設備の面と、もちろんベッドも含めて、そういう形になります。

■質問3(田中まさたけ)
 陰圧の施設等、最悪のことを想定して、しておかないといけないということは理解はしましたが、一方で、原因が分かっているのであれば、この応需率を上げるためにやるべきことというのはあるのではないかというふうに思っていまして、ここにはそれが触れられてなかったと思いますが、御説明いただけますか。

■中央病院の回答
 今、委員のおっしゃるとおり、これに対する対応策というのは、この資料には入っていません。要は、応需率が下がった理由として、満床のために断った形で不応需が増えたということの説明だけにとどまっております。

■意見・要望(田中まさたけ)
 もう終わりにしますけれども、指摘しておきます。
 まず、中央病院は公立病院ですので、その点、やっぱりしっかりと役割を果たせるように御努力いただきたいということです。
 その上で、先ほど幾つか指摘はしましたが、今おかれた状況に対して、その原因がちゃんと分析できていない、その原因を洗い出せていれば対応が見えてくるはずです。
 中には、無理なこともきっとあるでしょう。建物を建て替えないと対応できないといったことは、それは対応できないとは思いますが、例えば先ほどの「人の措置」をすればもう少し対応ができるとか、今の窮状を改善するためにできることというのはしっかりと洗い出して、それをできることから改善していく、そういう経営姿勢が大事ではないかと私は思います。

 今回ご報告頂きました「経営状況について」という中からは、その姿勢が感じられませんでした。四半期ごとにこうして出していただいているのは評価をしているところですが、さらに改善につなげられるものとして今後分析をしていただきたい、そして着実に改善をしていただきたいということを最後に要望しておきたいと思います。

====ここまでが常任委員会での議論の概要====

 せっかくこまめに行い始めた経営分析が、経営状況を報告することや分析することが目的になってしまって、改善につなげるための分析が行われていないようでは、職員の手間暇の分だけ無駄になってしまいます。

 議会としても、せっかく報告された経営状況を、市立病院の質を高めていくために有効に使っていかなくてはならないと考えています。

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