保育所における兄弟枠の設定―少子化対策のために

2016年5月3日[カテゴリ:子育て・教育, 質問

平成27年12月議会において、
保育所待機児童問題を取り上げるとともに
少子化にダイレクトに拍車をかけるであろう
第2子以降の保育所入所を保障する取り組みについて議論しました。

=====ここからが、本会議場での発言の概要=====

平成27年12月議会一般質問

1.子育て・教育環境の向上について
ア)保育所の待機児童対策
■質問の背景・田中の見解
なかなか保育所に入れない状況は、
少子化に拍車をかけることが懸念されます。
先般公表されました西宮版人口ビジョン(素案)によりますと、
資料の図1のとおり、
平成22年の国勢調査では、
子供1人世帯の割合が50.3%、2人世帯が40.4%を占めています。
また、アンケート調査によって、
希望する子供の数より実際の子供の数のほうが少ないという方が、
希望する子供の数2人の方で約20%、
3人の方で45%もいるという結果も出ております。
一方で、兄弟で同じ保育所に預けられない環境は保護者の負担が大きくなり、
兄弟が別々の保育所に入所している世帯は、
本市では現在67世帯もある
と伺っています。
こうした状況も、
出産を躊躇する要因となり得ると考えられます。

■質問
少子化対策の観点から、現在、兄弟が入所している場合には、兄弟枠を設定する、
もしくは保育所の利用調整表における調整指数をさらに高く設定するなど、
さらに優先順位を上げ、第2子以降の出生数の増加を期待するべき
と考えますが、
市の見解をお尋ねいたします。

■回答
保育所等の入所申し込みによる利用調整において、
兄弟姉妹が別々の施設に入所することは、
保護者にとって特に送り迎えの負担が大きいことから、
可能な限り同じ施設に入所できるよう、
現状でも加点により配慮しているところであります。

具体的には、平成27年度入所から利用調整に使われる指数を大幅に見直し、
既に兄弟姉妹が市内保育所等に入所しており、
同じ施設への入所を希望する場合については、
優先順位の一つとして一定の加点を行っております。
これをさらに進め、
兄弟姉妹が既に入所している場合は必ず入所できる兄弟枠を設けることは、
子供を産み育てる良好な環境を提供する観点からも、
保護者の大きな安心感につながる効果がある
ものと考えております。
しかしながら、
利用調整の優先事由には、
他にもひとり親世帯、DVなどさまざまなケースがありますが、
現在の限られた入所枠内で兄弟枠を設けると、
他の優先順位に該当する世帯からの入所が一定制限される
ことになります。
限られた入所枠をさまざまな理由により利用調整している現状では、
兄弟枠を設けることは困難ですが、
御指摘のとおり、
少子化対策としては有効な手法の一つであると考えられることから、
今後進めていく保育所待機児童対策により待機児童が一定解消されましたら、
兄弟枠の導入について前向きに検討してまいります。

======ここまでが、本会議場での発言の概要=======

待機児童が解消されてからの兄弟枠の設定ということでは、
今の市の(待機児童の解消のめどが立っていない)状況では、
その頃には、少子化がかなり進んでいることも想像されます。
そうなってからでは、
新たに出生数の増加を望むことは困難になることは明白
です。
子育て世代が増えている今やるからこそ、
出生数の増加に効果的だと考えるわけです。
そして、利用調整による加点ではなく、
確実に入れる「兄弟枠」の設定は、
少子化対策の観点からでは、
インパクトがあり効果的であると考えられます。

今回の質問では、
市は、少子化対策よりも他のことを優先にしていることも明らかになりました。
保育所は、元々は、法律的には保育に欠ける児童に対する「福祉」であったわけですから、
確かに、ひとり親世帯やDVといった課題のある児童が最優先されるべき施設です。
現代では、そのような課題がある児童ばかりが保育所に入っているわけではないので、
仮に、兄弟枠を設定しても、
そうした福祉的な課題のある児童が入れなくなるということは考えにくいです。

さらに、調査を進めて、
「少子化に歯止めをかける西宮」の実現に向けて取り組みたいと思います。

■最終目標
少子化対策の実施
「子育てするなら西宮」の実現

■講じるべき手段
保育所待機児童の解消
保育所入所における兄弟枠(第2子以降の入所保障)の設定

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