不祥事が続く西宮市が行うべきこと②-長期休職者への対応

2019年6月11日[カテゴリ:市役所改革, 質問

本日から、おかげさまで5期目の任期が始まります。
この後、新議会メンバーが集まって議員総会が開かれます。

さて。
昨日のコラムで
「市が作った指針は厳しくしているが、
それを厳格に執行していない点が問題」
と書きました。
そのことが露呈した本会議でのやり取りを掲載します。

指針とは、
「西宮市職員の分限処分に関する指針」のことです。
平成24年6月28日の私の一般質問でも取り上げたことがあります。
その時の資料です。

以下、
平成31年3月議会 政新会代表質問での市と私とのやり取りです。

======ここからが、本会議場での発言の概要======
■行政の信頼性向上に向けた市役所改革
イ)長期休職者の状況について

■主張
市の職員に対する監督体制にかかわる問題として、
市職員の私傷病による長期休職者に対する対応が挙げられます。
長期休職者の過去5年間の状況は、
資料の表1のとおり、
年間41名から54名の範囲で推移をしております。
延べ日数が合計9,000日を超えている年が4年もあり、
これは看過できない問題であります。

■質問1
過去5年間に、
定年退職前に退職した職員数及び、
長期休職中に復職できずに退職した職員数をお尋ねいたします。
■質問2
長期休職者が過去に療養休暇を取得した通算の日数について、
上位の3名の状況をお答えください。

■質問1に対する回答
過去5年間に定年退職以外の理由で退職した職員数は、
平成25年度から29年度までの5年間で384名となっております。
そのうち
私傷病による休職に入ってから復職することなく退職した職員は23名です。
■質問2に対する回答
過去5年間に休職に入ったことがある職員のうち
通算の休職期間が長い上位3名の状況でございますが、
最も多い者が3,631日、続いて2,350日、2,128日という状況
でございます。

■回答を受けての主張
答弁が想定以上で驚きました。
(この5年間に実在した職員で)
療養休暇をとられた方で最も多いケースが3,631日ということです。
これは、約10年間休みながら、
(給料が支払い続けられた可能性もあるということです。)
制度上は1年以上連続で休んでいると2年目からは給料が出ません。
ということは、1年未満で1回出てきて――
さらに、その後、1年間給料が出ていたと考えられます。8割ですが。
そして、一定期間また出てきて(この間は10割もらえます。)
また、さらに1年未満で休んで8割もらう、
これを繰り返して、
休みながらにして給料が支給されることが可能になっていたと可能性があるということです。

確かに精神疾患等もあって、気の毒な状態なのかもしれませんが、
不正も起こり得るというふうに私は思っていますので、
この実態は問題だと思います。
先ほど、1番が3,631日、2番目が2,350日、3番目が2,128日ということでしたが、
私は、(現在の指針では)3年以上は休めないと思っていました。
しかし、そうではないということがわかりました
ので、
改めてお尋ねいたします。

■再質問1
過去5年間で、
通算で3年相当以上の療養休暇を取得した職員数はどの程度この5年間でいたのか、
お尋ねしたいと思います。

■再質問1に対する回答
過去5年間で休職に入ったことがある職員のうちで
通算の休職期間が3年以上の者につきましては、24名となっております。

■再質問2
24名もいらっしゃるのですね。
恐らくそれが、今日の資料でお配りした48人の中に入っているのでしょう。
5年間ですから、
その中で退職している方もいらっしゃると推察されます。
お答えいただいた24名の中で、
現在も在職している職員数、
その中で最も取得日数が多い方の日数をお答えください。

■再質問2に対する回答
申しわけございません。(在職者で)最も多い日数ということについては、
今、数字をちょっと持ち合わせておりませんのでお答えできません。
24名の中で現在在職をしている職員につきましては12名でございます。

■再質問3
日数はわからないということなのですが、
そしたら、この3,631日休んだ方は今いらっしゃるのかどうか、
2,350日の取得している方は今いらっしゃるのかどうか、
2,128日の方はいらっしゃるのかどうか、
この3名の方についてお聞かせください。

■再質問3に対する回答
先ほど申し上げた上位3名の職員につきましては、
そのうち通算の休職期間が2,128日となる1名につきましては、
現在も在職中
です。

■まとめ・要望
上位の2名の方はもう今はいらっしゃらない、
この5年の間に普通退職をされたということでございます。
(実際には、局長が間違えて「3名全て退職している」と答弁し、
後刻に上記のように訂正されたため、想定していた質問ができず、
これ以上突っ込んだ議論はできませんでした。)

 
過去に私は取り上げたことがあるのですが、
先ほど御答弁にもありました
「西宮市職員の分限処分に関する指針」というのがあります。
こちらのほうで、心身の故障というところが明確に挙がってまして、
こちらには、「病気休暇期間が3年満了で、同類疾病は期間を通算」と書いてあります。
代表質問ですので、
余り細かいことまでは今日は問いませんが、
何が言いたいかというと、
先ほどの官製談合の再発防止と同じで、
職員の監督はどうなっているのかというところが
問われるところだと思っています。
この指針も、つくってはいるけれども、
ちゃんと運用されてないと思われても仕方がないです。
休んでいる方々にどれだけの給料がお支払いされたのかということも、
今日は(趣旨が変わるので)問いません。
再発防止に限らず、
そういったところをまず見直すべきではないかと思っています。

市長は、市役所改革を1番目に取り上げました。
「行政の信頼性向上に向けた市役所改革について」というタイトルで、
施政方針を述べられています。平成31年度 市長施政方針 市役所改革部分

その中で最初に出てきているのが行政経営改革です。
この行政経営改革というものの目的が、
政策効果の検証とか行政運営の仕組みそのものの改革、
これらが先に挙がっているのですが、
確かにこれも大事なのですが、
その前にやることがあるんと違いますか。
まず足元から見直したほうがいいですよ、ということを
今日はこの代表質問では申し上げたかったです。

ですので、新年度におきましては、
この点をしっかり強化していただいて、
まず足元から改革を始めなければ、
幾ら、行政評価とか、そういうきれいな言葉を使っても、
こんな意識のままでは機能しません。
まず指摘しておきたいと思います。

======ここまでが、本会議場での発言の概要=======

本会議での議論の際に、
ちゃんと上位3名中、1名はまだ在職中と答えてもらっていれば、
この問題についても、
市長からの発言を求めようと思っていたのですが、それはかないませんでした。

局長の答弁間違いについては、
本会議場の後ろに担当職員が待機しているわけですから、
私の質問時間中に、訂正することも可能だったと思うのですが、
これ以上、対応を突っ込まれたくなかったから、
質問時間が終わった後に訂正したのかもしれません。

まあ、そのことを追求しても仕方がありません。
こうした実態を本会議場で明らかにしたことで、次の改革につながれば、
目的はほぼ達成です。

こうした状況を放置したまま、
昨年12月に否決された「職員定数を実質的に増員する内容」であった
「西宮市職員定数条例の一部を改正する条例」を
再び、市長が提案してくることはないかとは思います。

しかし、
条例云々の前に、
こうした杜撰な状況を放置することで、
まじめに働いている職員にしわ寄せがいっていたり、
士気が落ちていることも確かです。
結局こうした杜撰な対応が、
不祥事の続出につながっているのです。
早急な対応が必要です。

条例を通さないことで、一刻も早い対応を促すのもまた、
議会の役割でもあると思っています。

そして、実際に議会が市政を執行することはできません。
それを唯一執行する権限を持つ市長に、
「パフォーマンス」ではなく、
「本気」で取り組んでもらえることを期待するよりほかありません。

■最終目標
人口減少時代でも市民に信頼される市役所づくり

■講じるべき手段
職員の意欲を伸ばし、能力を発揮できる人事システムの運用
西宮市職員の分限処分に関する指針の厳格運用

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