市有地の有効活用ー保健所及び江上庁舎の跡地の取扱方針

2019年8月16日[カテゴリ:その他政策, 質問

現在、甲子園球場では、
高校生が熱い戦いを繰り広げています。
その姿をみて感動し、
「自分も頑張らなあかんな」と、元気ももらっています。

そして今日は、
兵庫県代表の明石商業高校が接戦をものにして
ベスト8に進出しました。

甲子園球場は、
西宮市の誇るべき民間財産です。


西宮市中学校連合体育大会 開会式

現在、その甲子園球場の南側が大きな空地となっています。
西宮市の市営住宅の跡地です。

先月の総務常任委員会で、
その市有地を阪神電鉄さんから有効活用する提案があり、
市もその提案にのりたいという内容の報告がありました。

↓市議会で報告された際に配布された資料
 (重たいので抽出しました)
甲子園球場南側市有地の利活用について 抽出

私が初当選したころは、
西宮市の財政状況は非常に悪く、
目先の財源が必要だったこともあり、
市有地をできるだけ売って財源にするという政策がありました。

しかし、私は、
先人が築いてきた貴重な財産である市有地を
目先の一時しのぎの財源として売ってしまうのではなく、
住民福祉の向上のために、
西宮のまちづくりのために有効活用するべき
と主張してきました。

是非とも、
この事業も成功させてもらいたいと思います。

ここで、
民間企業と協働して
市有地をまちづくりに活かすという観点から、
昨年12月議会一般質問で取り上げた
市有地の有効活用に関する議論について
ご紹介します。

=====ここからが、本会議場での発言の概要======

平成30年12月議会一般質問

■質問の背景(田中まさたけ)
この議会棟の東向かいとなりますが、
12階建て第二庁舎の整備に伴いまして、
5ページの図に示しました保健所及び江上庁舎は
それぞれ移転する予定となっておりまして、
跡地については売却する方向性が示されております。
しかし、
地域住民を巻き込んだ議論が
この件についてはなされていません。

当該用地が所在する安井小学校区は、
公園の箇所数が少なく、
小学校の児童1人当たりの校庭面積も市内で9番目に狭い上に、
資料に掲載しましたが、当該用地が所在するエリアは一定規模の空間が少なく、
防災や子供の育ちの環境面での課題がある
と言えます。

また、
近接して西宮税務署が所在し、
確定申告の時期には、これは約1カ月間ではありますが、
駐車場が大変不足しており、
周辺に駐停車する車両や、
通行する車と人が入り乱れる状態となっており、
通学路を初めとする周辺道路の安全対策が大きな課題となっております。

こうした状況を鑑みますと、
保健所の跡地を、
多目的に活用できる広場としてこの土地を活用することについては
検討の余地があると考えます。

また、近隣の保育所では保留児童が大変多くなっておりまして、
保育所用地としての活用も検討しなければなりません。

そもそも私は、
目先の財源確保のために、
これまで築いてきた貴重な公共資産である公共用地を容易に売却すべきではないと考えております。
全国的には、
官民連携――PPPと呼ばれますが、
この手法によりまして、
公共資産を有効活用する事例が増えてきています。

当該用地は利便性の高い土地でもあることから、
現在、現地建替えの方針となっております
市営住宅江上町住宅の建替えとあわせて、
さまざまな手法を駆使し、
オープンスペースや保育所の確保、交通安全対策など、
地域課題の解消を図っていただきたいと思っております。

■質問1(田中まさたけ)
保健所及び江上庁舎の跡地の取扱方針を決める時期について
どのようにお考えかお尋ねいたします。
また、市が方針を決定するに当たっては、
地域住民の意見を聞くことが不可欠と考えます。
方針を決定する前に地域住民の意見を把握する、
意見を聴取する場を設けるべきと考えますが、
市の姿勢をお尋ねいたします。

■質問1に対する市の回答
第二庁舎の整備に伴う現時点での公共施設の再配置計画では、
保健所及び江上庁舎は、
それぞれ上下水道局庁舎及び本庁西館へ機能を移転することとしており、
移転先の施設改修に要する期間などを考慮しますと、
現在の施設は最短で平成34年度――2022年度に解体工事に着手することとなります。

一方、
対象地には建替え予定の市営江上町住宅や
老朽化が進む西宮税務署などの公共施設が隣接していることから、
これらの施設の今後の動向も注視しながら、
合わせて約7,600平方メートル規模となる市有地全体について、
最も効率的で、かつ財源確保にも資する
資産の活用策を検討する必要がある
と考えております。

現状では、
江上町住宅の建替えを第5次総合計画における
計画期間後期に予定しておりますことから、
おおむね5年後には
保健所及び江上庁舎の跡地を含めた市有地全体につきまして、
最終形までの段階的な暫定利用も含め、
活用方針を取りまとめる必要がございます。

なお、
こうした活用方針の策定に当たりましては、
都市局を初め庁内関係部局との連携を図るとともに、
議員御指摘のように、
地域の皆様の御意見などもお聞きしながら取り組んでまいります。

■質問2(田中まさたけ)
保健所及び江上庁舎の跡地を
地域課題の解消のために活用することに対して、
市の見解をお尋ねいたします。

■質問2に対する市の回答
公共施設マネジメントの取り組みでは、
複合化や集約する施設の跡地につきましては、
売却あるいは貸し付けによる資産の有効活用を進め、
財源を確保することが極めて重要でございます。

保健所及び江上庁舎の跡地につきましても、
同様に、財源確保を念頭に利活用の取り組みを進めてまいりますが、
一定規模の公的不動産の有効活用に当たりましては、
まちづくりの観点からの検討も必要でございます。

このため、
先ほどお答えしました江上町住宅の建てかえ事業との連携や、
民間事業者による収益事業の導入とあわせ、
議員御指摘の、確定申告時期における周辺道路の安全対策のほか、
多目的に活用できる広場スペースの確保など、
地域特有の課題解消にもつながる市有地全体の活用策につきまして、
今後さまざまな角度から検討
を進めてまいります。

■意見・要望(田中まさたけ)
大変前向きな御答弁をいただいたというふうに思っております。
こちらはお答えいただいたとおり、
地域住民の意見を聞きながら、
跡地の活用について検討を始めていただきたいと思います。

======ここまでが、本会議場での発言の概要=======

後日、
平成31年3月6日の神戸新聞に
「西宮市が第2庁舎建設へ 防災拠点、ヘリポート設置」
の記事の中で、
「老朽化が著しい保健所と江上庁舎の建物と用地は解体、売却する方針。」
と掲載されましたが、これは謝った情報です。

一般質問で上記のやり取りをしたのは
平成30年12月6日です。
記事が掲載されるまでに3ヶ月が経っています。

この記事を書いた新聞記者に確認したところ、
市には情報を確認してから記事にしているとのことでした。
まあ、それはそうでしょう。
しかし、
問い合わせ先の西宮市の担当者が、
本会議での議論を確認することなく、
しかるべく担当者に確認することなく、
勝手に新聞記者に答えた
ようです。

跡地活用の方針を検討しているのは政策局。
問い合わせに答えたのは別の担当だったそうです。

このことにより、
1.部署間の連携がしっかりと取れていないこと、
2.市役所内で、職員が議会での議論を共有していないこと、
3.つまり、市役所職員は議会を軽視している=市民を軽視しているということ、
4.私が議論するまでは
「議会に諮ることなく、地域に相談することなく勝手に売ってしまうつもりだった」こと、
が、露呈
してしまったわけです。

市役所は、市民軽視、議会軽視も甚だしいです。

市有財産は、先人の税金で入手したものであり、
その取扱いを市役所が勝手に決めていいものではありません。

市民からも
「跡地は売却なの?」と問い合わせもありました。
地域住民も動向を気にしてくれています。

新聞記者には、
マスコミは影響力が大きいので
「問い合わせ先については気を付けてください。」と助言しました。
そして、市の担当には猛省を求めました。

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