障害者にとっての防災対策ー避難行動要支援者

2019年8月26日[カテゴリ:危機管理

今年も夏が終わろうとしていますが、
近年の酷暑は、
乗り切ることすら、
非常に体力を要するようになったと感じます。

2年前の夏、
父を亡くしました。

そして今年、
3回忌を終えた直後に、
若い方の訃報が入りました。

以前、
このコラムでも紹介しましたが
NPO法人ドットジェイピー主催の
未来自治体2017に出場し、
全国制覇を果たしたチームの
メンバーの1人が、
21歳の生涯を閉じました。

重度の障害がある大学生でした。


まさか、こんなに早く亡くなるなど
全く想像できないほど、
前向きに活発に活動していた大学生でした。

お葬式の会場に飾られた幼いころの写真では、
彼は自分の足で立っていました。

また、お葬式には、
彼が通っていた中学校時代の校長先生も参列されていました。
その先生が教育委員会にいらっしゃった時期に私は知り合い、
市議会での調査、議論において、
そして、校長先生になられた後も現場のお話を聞かせて頂くなど
私自身もお世話になった、
大変、生徒思いの先生です。

まさか、
このような繋がりがあったとは思いもよりませんでした。
「彼が教えてくれたようだね。」
そう仰った先生からは、中学生時代の彼の話を伺い、
私の知る大学生の彼の活動を先生に報告もできました。

私のもとでインターンシップをした学生には、
インターン終了後の残された大学時代に、
これから自分がやるべきことを見つけてもらうようにしています。

彼は、
障害者の視点での防災対策について関心を持っていました。
そして、インターンシップ期間中に
未来自治体2017の取組みとは別に
防災対策について政策を立案していました。
そして、
インターンシップを終えた後、
彼は、神戸新聞主催の防災関連の活動にも携わっていたようです。

インターン終了から1年半が経過した
去年の秋に開催された御前浜でのインターンバーベキューにも
OBとして参加していました。

御前浜の避難経路や移動のしづらさや
防災訓練の不備についても
指摘してくれていました。

そして、半年が経ち、
今年の2月には、
私が代表質問を終えた次の日にふと、
アポなしで西宮市議会にきて、
防災政策の参考にしてほしいと
神戸市が発行している市民防災リーダーのテキストなど
資料を提供してくれました。

3月には、神戸新聞の
「西宮市が第2庁舎建設へ 防災拠点、ヘリポート設置」
の記事を見て、いろいろな質問を受けました。
実効性を疑問視する内容が主でした。

4月22日には、
選挙が終わってすぐにメッセージをくれ、
5月5日に西宮港で開催された
「キッズフェスタ」に防災のブースを出すので見に来てほしいと
わざわざ連絡をくれました。

しかし。。。
イベント直前の5月1日に、
彼が親御さんの実家で倒れて入院し
5月5日のイベントに参加できなくなったと
わざわざ親御さんから連絡がありました。


彼はいませんでしたが、
ブースを覗かせてもらいました。

その後、意識は戻らなかったそうです。

この1年間の彼からのアクションを後から思えば、
彼は何かを察知し、急いでいたようにも感じます。

先日の6月議会では、
防災対策について取り上げ、
避難行動要支援者名簿を活用した防災訓練について
市と議論しました。

彼が私に伝えたかったことを忘れず、
今後も取り組めたらと思っています。
心からご冥福をお祈りいたします。

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