私立幼稚園預かり保育支援事業(協力幼稚園事業)ー待機児童対策

2019年10月2日[カテゴリ:子育て・教育

 幼稚園は学校教育法で定められた学校で、満3歳から小学校就学前までの幼児に対して、文部科学省が定める「幼稚園教育要領」に基づいて教育が行われています。そして、この幼稚園教育要領では、「幼稚園の1日の教育時間は4時間を標準とすること。ただし、幼児の心身の発達の程度や季節などに適切に配慮すること。」と定められており、通常は9時~14時の間で教育活動が実践されています。

 西宮市には、市が運営する市立幼稚園と学校法人等が運営する私立幼稚園があり、私立幼稚園では、園によって終了時間は異なりますが、希望者のみを対象にして14時以降も「預かり保育」が実施されています。
 
 西宮市では待機児童を長年発生させ続け、中でも0歳~2歳の児童が多かったことから、地域型保育施設と呼ばれる0歳~2歳児を対象にした小規模の認可保育所を設置してきました。最初は順調だったのですが、その後の対応が追い付かず、やがて3歳以降の受入れ枠が不足することとなり、いわゆる「3歳児の壁」が生じる事態となりました。
 
 そこで、保護者の就労環境によっては、保育所を利用せずとも、この私立幼稚園での預かり保育事業を利用することで、働きながら子育てが可能となる世帯も少なくないことから、私立幼稚園にも協力を仰ぎ、待機児童の受入れをして頂きました。当然、長時間の預かり保育が必要となりますから、通常の預かり保育よりも多くの人員を配置する必要があり、市からその経費の増額に対する補助をしなければならないのは当然のことです。
 
 しかし、私立幼稚園は県を通じて私学助成を受けて運営されており、市から私立幼稚園に対して待機児童解消のための補助金を交付した場合、兵庫県からの預かり保育に係る補助から市からの補助額の倍額が減額されることになっているという情報を頂きました。

 そこで、私が西宮市議会議長を務めていた平成30年4月26日に、神戸市、芦屋市、西宮市、尼崎市、伊丹市、宝塚市、川西市、三田市、丹波市、丹波篠山市の市議会で構成する「阪神市議会議長会」において、以下の兵庫県に対する要望内容を提案し、了承して頂きました。


提案した要望内容

 そして、続く、同年4月28日に開催された兵庫県下29市の市議会で構成する兵庫県市議会議長会においても、阪神市議会議長会からの提案として了承して頂き、平成30年8月17日に兵庫県市議会議長会を通じて、兵庫県へ要望書(←クリックすると上記画像のPDFファイルが開きます。)提出して頂きました。

 兵庫県においても早速要望を受け入れて頂きまして、本年3月に補助金交付要綱が改正され、西宮市の私立幼稚園預かり保育支援事業(協力幼稚園事業)を拡充することが可能となりました。

拡充される主な内容
これまでの要件は、

・休園日は原則土曜、日曜、祝日、年末年始(12月29日~1月3日)とする。
・長期休業日の休園は上記を除いて春休みは2日程度、夏休みは5日程度、冬休みは2日程度とする。
・開所時間は8時30分から16時30分以上とすること
・1月末の結果発表で保育所等に入所できず利用保留となった児童を対象に空きがあれば受け入れする。

となっており、補助金もなく、なかなか対応が進まない状況でした。

そこで、
・休園日は原則土曜、日曜、祝日、年末年始(12月29日~1月3日)とする。
・長期休業日の休園は上記を除いて春休みは2日程度、夏休みは5日程度、冬休みは2日程度とする。
・開所時間は8時~17時以上とする。
・園児募集期間(10月末まで)は、地域型保育事業と0~2歳対象の保育所の卒園児を対象に5人以上の枠を確保する。
・年度初日に当制度を利用して入園した園児が在籍している。

以上の要件を満たして協力して頂ける私立幼稚園には、市から補助金が支給されることとなりました。

 そして、今年度末に「2歳児までの保育所」や「地域型保育事業」をご卒園される方がこの制度を利用して私立幼稚園に通園しながら預かり保育を利用する場合、預かり保育の利用料の全額を市から補助され、自己負担は0円となります。

 令和3年度からご対応頂く私立幼稚園は、甲子園二葉幼稚園、松風幼稚園、段上幼稚園、仁川幼稚園、阪急幼稚園、東山幼稚園、安井幼稚園となっています。

 来年度には、1人でも待機児童が減少することを願いつつ、子供たちの幼児教育、保育環境の向上に向けて、今後もご意見や情報収集に努め取り組んで参ります。

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