モビリティ・マネジメントー令和元年6月議会一般質問

2019年10月1日[カテゴリ:交通, 質問

モビリティマネジメントとは、
国土交通省が発行しているパンフレットから引用すると、
「過度に自動車に頼る状態」から、
「公共交通や徒歩などを含めた多様な交通手段を適度に(=かしこく)利用する状態」へと
少しずつ変えていく
一連の取り組みを意味するもの、
と説明されています。

兵庫県のホームページでは、
「渋滞や環境、あるいは、個人の健康等の問題に配慮して
過度に自動車に頼るライフスタイルから
適切に公共交通や自転車などをかしこく使うライフスタイルへの転換を促す
一般の方を対象としたコミュニケーションを中心とした交通施策のことをいいます。」
となっています。

要するに
「自家用車の交通量を減らす」ことと言えると思います。

これからは、
IoT技術やビッグデータをフル活用した
「MaaS」の実現により、モビリティ・マネジメントも
大きく変化するものと考えられます。

令和元年6月議会一般質問の議論の続きをご紹介します。
交通事故の発生抑制に向けた議論の流れです。
こちらもご参照ください。

======ここからが本会議場での議論の概要======
1.交通環境について
イ)コミュニティ交通の拡充とモビリティ・マネジメント
■主張
西宮市総合交通戦略には
モビリティーマネジメントの実施が盛り込まれておりますが、
その効果を上げるためにも、
コミュニティー交通の導入などにより
早急に市民にとっての公共交通の選択肢をふやす必要がある
と考えます。

■質問
本市では平成29年度よりモビリティー・マネジメントが始まりましたが、
この求める効果、取り組み内容及び成果をお尋ねいたします。

■市の回答
モビリティーマネジメントは、
自動車に過度に頼らず、
市民が自発的に、鉄道、バスなどの公共交通を初め、
自転車、徒歩など環境に優しい移動手段への転換を促進する取り組みです。

この取り組みにより、
公共交通の利用者の増加や自動車交通量の減少、
環境負荷の軽減、個人の健康維持・向上などの効果が期待されるとともに、
各地域の交通課題の把握にもつながる
と考えています。

本市での具体的な取り組みとしては、

平成29年度に鳴尾浜地区で、
通勤の手段を自動車からバス、自転車、徒歩などへの転換を促すため、
企業と従業員を対象として、
啓発パンフレットやバス案内マップの配布及び
通勤実態を把握するためのアンケートを実施いたしました。

また、
平成30年度には西宮浜地区で、
企業と従業員、住民を対象として実施し、
あわせて、
西宮浜小学校の児童を対象にバスの乗り方教室を実施しております。

さらに、
今年度には、鳴尾浜地区にて再度アンケートを実施し、
自動車から他の移動手段への転換状況やその理由などを検証し、
公共交通、自転車、徒歩などへの転換を促す方策を検討
してまいります。

こうした取り組みによる成果があらわれるには一定の時間を要しますが、
今後も、交通事業者や地域団体等と連携・協力しながら、
他の地区でもモビリティーマネジメントの実施を検討するなど、
公共交通等への転換が進むよう啓発活動に努めてまいります。

======ここまでが、本会議場での議論の概要======

現在、コミュニティ交通の導入に向けて
地域主体の取り組みが進められている
山口地区や名塩地区、
苦楽園地区や甲陽園地区など、、
交通に対する意識が高まっている地域でこそ、
モビリティマネジメントの取組みを実施するべきです。

そして、
いくらモビリティー・マネジメントを実施しても、
公共交通手段の選択肢が増えない限りは、
求める効果をあげることは困難であるとも感じております。

交通政策に限ったことではありませんが、
行政の思惑や行政がつくった制度や枠組みに
市民の行動を押し付けるようなやり方は、
期待される効果にも限界があり、非効率です。

市民の動きに行政が合わせて
後押しする施策を展開するという柔軟な姿勢が必要です。

現在、市長が進めようとしている
行政経営改革に、そうした姿勢まで求めるのは、
期待しすぎなのでしょうか。

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