未来国会(←クリックするとご覧いただけます)での
政策立案に向けた調査を通じて、
IotやAIの技術をフル活用したモビリティ革命と言われる
「MaaS」(Mobility as a service)の世界的な動きを知るに至りました。
100年に1度のモビリティ革命と言われているそうです。
そして、
先進自治体では、国土交通省の呼びかけに応じ、
民間事業者と協働しての実証実験を今年度から始めています。
2019年度は、「MaaS元年」と言われているそうです。
西宮市は、手を挙げていません。
こうした先進的な取り組みに対して消極的です。
令和元年6月議会一般質問では、
高齢ドライバーによる運転機会を減らす観点から、
コミュニティバスを迅速に導入する体制づくりについて議論しました。
この時点では、
私も「MaaS」のことには触れることができませんでした。
======ここからが、本会議場での議論の概要=======
1.交通環境について
イ)コミュニティ交通の拡充とモビリティ・マネジメント
■主張
昨今、高齢のドライバーによる自動車事故がクローズアップされています。
資料には(←クリックしてPDFをご覧ください。)、
本年2月14日に警察庁交通課より発表されました
「平成30年における交通死亡事故の特徴等について」より
抜粋しましたデータを掲載いたしました。
ここ数年、
減少傾向にありました免許人口10万人当たりの、
75歳以上・80歳以上高齢運転者の死亡事故が、
昨年平成30年は増加に転じています。
また、
高齢者の運転免許証の自主返納が議論されておりますが、
自動車による事故は、高齢者には限りません。
コミュニティー交通の導入などにより
市民が公共交通で市内を移動しやすい環境をつくることで、
自動車を運転する機会を減らすことができれば、
高齢者に対しては免許返納と同等の効果をもたらすことが期待でき、
自動車交通量を減少させる効果も期待できます。
また、
西宮市総合交通戦略には
モビリティー・マネジメントの実施が盛り込まれておりますが、
その効果を上げるためにも、
コミュニティー交通の導入などにより
早急に市民にとっての公共交通の選択肢をふやす必要があると考えます。
■質問
高齢化が進むとともにバス交通の利便性向上を求める声が多く寄せられる一方で、
コミュニティー交通の導入が進まない原因を分析・検証し、
現在の市の方針や体制を見直すべきと考えますが、市の見解をお尋ねいたします。
■回答
今後、高齢化が進展する中で、
自家用車に過度に頼らない、
高齢者や子供たちが安心して移動できる環境づくりを進めるには、
公共交通のさらなる充実が不可欠であると認識しております。
このことから、市では、
平成28年9月に、みんなが暮らしやすく、
お出かけしたくなるまちを目標とした西宮市総合交通戦略を策定し、
国、県、交通事業者などと連携しながら、
鉄道とバスを中心とした公共交通ネットワークの充実に向けて
各種施策を実施しております。
その中で、
公共交通の利便性が低い地域でのコミュニティー交通導入については、
事業継続性の観点から利用者の確保が最も重要であり、
そのためには地域の主体的な取り組みが不可欠であると考えています。
このことから、
市では、地域に対して、
専門家の派遣や関係機関協議、経費の助成などの
側面的な支援を行うこととしています。
現在、北部地域では山口地区や名塩地区、南部地域では
苦楽園地区や甲陽園地区で地域主体の取り組みが進められており、
市としても積極的に支援を行っているところです。
なお、
こうした地域主体の取り組みには、
コミュニティー交通を支えるという住民意識の醸成や住民間の合意形成が必要となるため、
運行に至るまでにはかなりの時間を要することとなります。
市といたしましては、
今後もバス事業者や地域と連携を図りながら、
コミュニティー交通を含めたバス交通のさらなる充実に向けて、
精力的に取り組んでまいります。
■市の答弁を受けて
ハード面の対策、
実際の交通事故の防止というところが
まず一つ目のアの歩行者の安全対策だったのですが、
(「ア」歩行者の安全対策をご参照ください)
それ以外にも、壇上でも申しましたけれども、
いわゆる公共交通がもっと充実していれば、
移動がしやすければ、
車を運転する機会はもっと減らせると思いますし、
その分、
自転車が増えれば自転車の安全対策もまた必要になってくるとは思いますが、
コミュニティー交通の導入も非常に有効なのではないかと私は感じております。
ただ、コミュニティー交通の導入につきましては、
現在のやり方では
実現までの道のりはまだまだ遠いと感じました。
御答弁では、
公共交通のさらなる充実が不可欠であると認識している
とありましたが、
その認識と対応のスピードが合致していないように思います。
モビリティー・マネジメントを実施するにしても、
市内の移動に関する公共交通の選択肢が増えない限りは、
結果に結びつけることは困難であると感じております。
そのような状態では、高齢ドライバーが運転する自動車の減少、
これも期待ができないと感じるところです。
徐々に住みにくいまちという評価が大きくなっていくことを懸念しています。
■再質問
市長のホームページでは、コミュニティーバスの導入に触れておられます。
市長就任から1年が経過した現在、
この現状をどのようにお感じになられているのか、
ご自身のお言葉でお答えいただきたいと思っています。
そして、もし新たなアクション等をお考えであれば、
この場で御披瀝いただきたいと思います。
■再質問に対する市長の回答
大きな意味で、コミュニティー交通に関して、
方針や体制を見直すべきではないかという御質問をいただきまして、
私も、もう見ていただいたとおり、
これは大きな課題と思って1年2カ月やってまいりました。
この体制を見直すかどうかというようなこと、
要するに、よりもっと我々の中でアクセルを踏めるかどうかというようなことは、
またちょっと庁内でしっかりと
議員の皆様方とも議論してやっていきたいと思いますが、
この機会なのでぜひちょっとお話をしたいのは、
やはりコミュニティー交通といっても、
もちろん今ある阪急・阪神さんをベースとした
バスの路線を拡充するというパターン、
そうではなくて、
自治体そのものが小さなバスをぐるぐる回しているパターン、
もしくはぐるっと生瀬みたいなパターン、
もしくは例えばスーパーがスーパーまで連れていきますというようなパターン、
いろんなパターンがあって、
あと、自動運転に向いているような地形、
いろいろなのがあって、
そういう中で、ぜひ一緒に、
例えば、この地域はこういうのが向いているんじゃないかとか、
この地域はこういうのが向いているんじゃないかと、
いろんな方々から、いろんな地域からいろんな声をいただいて、
これはしっかりやっていきたいと思っているテーマでありながらも、
一方で、
何か走らせたら結果として空気だけを運んでいたみたいなことになったらいけない中で、
そういう意味で、やはり生瀬の体験が、
本当に地域の皆さんが1日100名以上とやっているところが、
ああいう目標値を持ってやっているようなところ、
乗らなければみたいな感じで維持をしているという、
そういうような空気感は何よりも不可欠だというのは、
そこは変わりませんので、
この地域にはこういうスタイル、
あの地域にはこういうスタイル、
こういうようなことを是非一緒に考えていっていただければと思っております。
公約に書いてあることは、
当然意識をして今後も頑張ってまいりたいと思います。
■まとめ・要望
市長の思いというのも聞かせていただきました。
しかしながら、
市長の今の御答弁、理解できる部分はたくさん私もございますし、
これまでも十何年といろいろとこの交通のことについては検討もしてまいりました。
しかし、
先ほどの御答弁の中で
空気だけ運んでもというところがあるんですけれども、
今の現状で言うと、どんどん高齢化が進んでいく中で、
空気だけ運んでいるというような路線を選定されるということは
まずないと私は思ってます。
ですので、
先ほど御答弁にもありました
名塩であったり山口、
また、苦楽園であったり甲陽園、
こういったところで手を挙げていただいているところからでも結構ですので、
ある程度市のほうが主導していただいて、
合意形成にも時間がかかるということでしたけれども、
社会実験みたいなものを迅速に行えるような体制というものは築いていただきたい、
そういった方向に少し切りかえるべきと思います。
=======ここまでが、本会議場での議論の概要==========
MaaSが発展すると、
客観的なビッグデータやIoT技術を活用することで
地域住民による路線や稼働時間等の合意形成も容易になることも考えられます。
そもそも、
ジャンボタクシーを乗合で利用できるようになれば、
安価な料金で、
行きたいところにダイレクトに移動できることになります。
25年前、私が大学に通っていた頃も、
大学の最寄り駅のバス停で待っている間に、
友達を4人集めて一緒に乗れば、
バスと同じくらいの料金で大学に行くことができました。
バスより早く、出発時間を待たずに。
MaaSは、
このバス停で行われていた学生間の交渉等の行為が、
スマホでできるようになるイメージです。
MaaSの動きが全国で本格化する頃、
現在想像されているコミュニティバスのような交通体系は
時代遅れとなっているかもしれません。
しかし、
その技術の発展や国の規制緩和が、
高齢化のスピードに追いつけるかどうかは分かりません。
コミュニティ交通の導入にもたついている間に、
高齢化はどんどんと進み、
高齢者の移動が困難になり、
生活に不便を感じる人が増え、
住宅都市としての評価が下がっていくことを懸念しています。
ですので、
市民の要望に基づいて、
今あるIoT技術を駆使しながら、
市が主導して迅速に社会実験をすべきだと思っています。
その広報は、要望している地域住民が協力してくれるはずです。
そして、
社会実験で利用者がいないようであれば、
検討をやめることができます。
無駄な労力をさく必要がなくなります。
そして、
社会実験によってある程度の需要と地域の協力が見込めれば、
本格実施に移す際に、
「利用者数が○○ヶ月間、目標値(黒字ライン)を下回れば撤退する」
というルールを決めておくことも重要です。
この事前に決めたルールさえ徹底すれば、
熱心な地域の方々は、
利用者数の確保に向けて、住民に働きかけてくれるはずです。
今の西宮市の制度では、
立ち上がるまでの労力があまりにも重いため、
取り組んでいる間に地域のモチベーションが落ちてしまい、
社会実験にすら至らなければ、
モヤモヤ感だけが残る結果になるのだと思います。
失敗も繰り返しながら、
その失敗をノウハウとして蓄積することも重要です。
「まずはやってみること。」
その意識と体制づくりをこれからも追及していきたいと思います。