2012年10月7日[カテゴリ:子育て・教育, 財政・財政改革, 質問]
西宮市は、公立保育所の民間移管にとにかく抵抗します。
平成19年7月に一度公立保育所3園を民間に移管するという計画を策定しました。
その内容はこちらになります。
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この計画では、現地建替えによる民間移管となっています。
しかし、いつのまにか、
民間移管の対象となっている
朝日愛児館、鳴尾北保育所、今津文協保育所
の近隣に新しい民間保育所を建設して、
上記の民間移管対象園を閉鎖するという方式に変更されています。
なぜ、現地で民間保育所として建替えをしないのか。
それは、平成21年3月に策定された
西宮市保育所待機児童解消計画の最後の2ページに掲載されていました。
その内容はこちらになります。
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巧妙な「先延ばしの策」であったと考えられます。
結局、朝日愛児館の近隣に新しい民間保育所が建設されても
待機児童の解消が先、
民間移管対象園を閉鎖すると定員が減ってしまうから、
待機児童が解消されない限り閉鎖できないという理由で、
民間移管計画は保留されています。
その保留措置に便乗して、
新しく保育士を雇用し始めていることを問題視し、
平成24年6月議会一般質問で議論しました。
========ここからが、本会議場での議論の概要========
平成24年6月議会一般質問
2.市民に信頼される公正で効率的な行政運営について
ア)民間活力の導入と職員の採用計画
■質問の背景・田中の見解
河野市長は、選挙公約に対して熱心に取り組まれております。
そこで今回は、市長の公約の一つであった
民間活力の導入に対する意欲を問いたいと思います。
今回は、具体の事業として保育所の運営を取り上げます。
まず、お手元の資料の表1に掲載致しましたが、
市全体では行財政改革によって職員数が減少しておりましたが、
平成19年度以降、再任用職員の増加も相まって、増加傾向にあり、
平成19年度には、その再任用職員も合わせて3,664名であったものが、
平成24年度には合計3,790名と増加をしております。
また、中核市移行に伴って事務職や技術職が増加し、
消防職も政策的に増やしてまいりました。
しかし、医療職、教員は横ばい、
そして、技能労務職は減少している中、
保育職が、平成21年度以降、増加傾向にあり、
今度は表3のとおり、
平成21年度に退職者の補充として
25名の大幅な新規採用が行われたのを皮切りに、
22年度は28名、23年度は22名、24年度は19名、
ここ5年間で100名を超える保育士の新規採用を行っております。
また、平成22年度の決算数値となりますが、
表2のとおり、正規の保育士が294名、
そのうち50代の方が62名、
また、嘱託職員は現在314名、
そのうち50代の方は170名いらっしゃるとのことです。
正規職員の平均年収は、
平成22年度で、
20歳代が約381万円、
30歳代が約397万円、
40歳代が約731万円、
50歳代が約878万円、
全体の平均は約567万円となっております。
一方で、
民間保育所への負担金の算出で使われている給与は
約416万円ということで、かなりの開きがございます。
また、保育士の配置基準も
民間保育所のほうが厳しい環境となっているにもかかわらず、
先日の包括外部監査報告書によりますと、
利用者の満足度調査結果は、
表4のとおり、
満足度は、保育の内容、園の方針、給食の内容など、
12項目中10項目において民間保育所のほうが上回っており、
民間保育所の努力が見てとれます。
そして、総務省の統計では、
市民1,000人当たりの保育士数は、
中核市比較で41市中10番目に多くなっております。
そうした中で、待機児童の状況は、
待機児童解消計画が着実に進められ、
今年度は4月時点で81名に減少し、
来年度には解消する計画となっています。
ですので、今年度は、
現在は取り組まれていない民間移管計画に再度着手する必要があると考えます。
民営化の方針決定や実施が遅くなれば、それだけロスも増えます。
また、私は、
効率よく全市の認可保育所の質を向上するためには、
現在計画されている3園にとどまることなく、
さらに民間移管すべきとも考えています。
例えばお隣の尼崎市では、
平成10年から19年度の間に、
それまでに廃止した公立幼稚園の活用も含めて、15園を民間移管しました。
さらに、
平成21年度以降の民間移管の計画も策定され、
27年度までに、鉄骨造の保育所の建てかえに合わせて4カ所、
その他、原則、建築年度の古い鉄筋コンクリートづくりの保育所を7カ所、
合計11園の民間移管が予定されています。
反対運動はあるそうですけれども、
保育所の環境がよくなるのであればと
理解してくれているところもあるそうです。
また、29園ある公立保育所を、
3年から4年の短期計画を策定しながら、
最終的には9園まで減らす方向性も、
こちらは平成18年に示されて、
取り組まれております。
本市においても、ぜひとも見習うべきと考えます。
本市では、西宮市幼児期の教育・保育審議会(以後「審議会」と言います。)
この審議会において、
公立保育所や公立幼稚園のあり方、そして適正配置について、
3年目に入った現在も議論がされています。
民間移管に関する裁判によりまして、
現在の入所者が卒園するまでは
民間移管ができないケースがあることから、
少なくとも現在計画されている保育所以外の保育所をさらに民間移管するためには、
一刻も早く市の方針を決定するべきと考えております。
一方で、審議会へ報告することなく、
今年度は、耐震化のために公立のまま鳴尾東保育所の建てかえが行われます。
耐震化をいつまでも先延ばしにすることは許されませんので、
尼崎市のように、
建替えの際に民間の社会福祉法人を活用する方策を検討するべきであったものを、
その努力を怠って、計画、方向性も持たずに、目先の対応をされた当局の姿勢は、残念でなりません。
今後改めるべきと考えます。
そして、現在計画されている3園の民間移管のみならず、
公立幼稚園の保育所への転用や
民間移管を一層推進することで、
公約どおり効率的な行政運営を実現していただきたいと思っております。
■質問
今後の保育士の採用計画をお尋ねいたします。
あわせて、その計画は民間移管が想定されているのかどうか、お尋ね致します。
■質問1に対する回答
現行の職員採用計画については、
当該年度の定年退職者、定年前早期退職者に加え、
普通退職の意向が示された者を基礎に、
業務の増減や、将来的には就学前児童数が減少していくことなどを考慮に入れた上で、
採用数を算出し策定しております。
また、職員の採用に当たっては、
年齢構成の平準化を図ることや、
将来の民間移管ということも念頭に、
3年前からは、受験資格を35歳から50歳に限定した経験者枠を別途設定しております。
さらに、
公立保育所の民間移管が具体化された時点で、
その内容を職員採用計画に反映させていく必要があると考えております。
==========ここまでが本会議場での議論の概要========
現時点では、
民間移管計画が保留となっているので、
採用計画には反映されていないことが明らかになりました。
公務員の抵抗は恐ろしいです。
つづきは、②に掲載します。