平成15年7月に少子化の流れを変えるため、「次世代育成支援対策推進法」が制定され、地方公共団体及び企業に10年間の集中的・計画的な少子化対策への取り組みを進めるための行動計画を策定することが義務付けられました。
そして、平成17年3月に、次世代育成支援対策推進法に基づく「西宮市次世代育成支援行動計画」が策定されました。
この中では、子育て支援に関する幅広い施策について計画されています。しかし、私は子育て中ですが、市会議員をしていなければ、この計画の存在は知らなかったかもしれません。実際に、この前身の計画である「西宮市児童育成計画(平成11年策定)」の存在も知りませんでした。
このたび策定された「西宮市次世代育成支援行動計画」についても広く子育て世帯に知られているとは言い難い状態になっています。せっかく、西宮市が計画的に様々な子育て支援施策を展開しようとしているにもかかわらず、活用してもらえないという状況はもったいないです。
そこで、次世代育成支援行動計画に盛り込まれている多数の内容のなかから、在宅で子育てをしている親の視点で、「地域での居場所・遊び場づくり」のみに絞り、西宮市の子育て支援施策の周知と合わせて平成17年9月議会で取り上げました。
=======ここからが、本会議場での議論の概要========
平成17年9月議会一般質問
1.少子高齢化対策について
ウ)次世代育成支援行動計画
(親子での遊び場)
■田中の主張
「雨の日や真夏の紫外線の中で子供を公園で遊ばせるには大変厳しい」、
「そのような日に近所に室内の遊び場があるとうれしい」、
「公園では、砂場に犬のふん尿のみならず針等も混入しているケースがあって、衛生面、安全面に不安がある」
といった声を、私自身、親御さんから多々聞きますし、ニーズ調査の結果でもそういった声は少なくありません。
多少ぜいたくな感もあります。しかし、在宅で子育てを行っている親御さんに対する支援も必要となってきているのも現実です。ある程度の遊具とその置き場の確保、管理方法など、財源的な課題もありますが、地域ごとに設置されている、例えば留守家庭児童育成センターや公民館、市民館、そしてまた老人いこいの家、そういった利用していない時間帯が存在したり、利用者数の少ない既存の施設を有効活用し、いち早く場所を確保すべきです。
次世代育成支援行動計画に掲げられている新規施策のうち、地域での居場所、遊び場の拡充について現在のところどのようにお考えなのか、お答えください。
■質問1に対する市の回答
次世代育成支援行動計画は、本年3月に策定しましたが、策定に当たり子育て支援に関するアンケートを実施しました。その中で、子供の遊び場についての項目でのアンケート結果は、就学前児童、小学生のいる保護者とも、雨の日に遊べる場所がないがトップで、それぞれ約60%、52%で、そのほか遊具などが充実していない、思い切り遊ぶために十分な広さがないなどでした。
こうしたことから、計画ではいつでも自由に遊べるよう地域での居場所・遊び場づくりに取り組むとしたものでございます。現在、子育て家庭からの要望の多い遊具などの利用ができ、一定の広さのある施設としては、子育て総合センターや児童館、児童センター8館がございますが、そのほか、保育所31カ所や幼稚園46カ所、小学校42校の園庭などを開放し、だれでも利用ができるよう事業を行っております。
今後の居場所、遊び場の拡充につきましては、具体的な計画はこれからでございますが、身近な地域で、空き部屋、空き時間のある既存施設の有効活用を図ることで、子供と保護者が自主的に利用し、子育ての情報交換や仲間づくりなどを目的に、子育て家庭を支援していきたいと考えております。
■まとめ・要望
空いている施設を有効活用してはどうかという提案だったのですが、施設は当然市民のものです。そうすると、施設を所管している各部署があると思うのですが、その縦割りでの管理が弊害になっている部分もあるようですので、施設を所管している部署と子育ての政策を所管している局と連携をとって頂いて、すぐにでも取り組んで頂きたいということを要望したいと思います。
また、遊具等の件は、実際に遊び場所を確保して、そこに集まってもらった方にアンケートを取るなどして、その後、用具等の準備などを進めればいいと思いますので、まずは遊び場所の確保を急いで頂きたいと思います。
あと、公園の衛生面について、先ほど壇上で指摘しましたが、素早い対応をお願いしておきます。
(子育て支援事業の広報)
■質問の背景
また、行動計画を見ると、かなりの事業が行われ、新たに予定もされておりますが、年間の利用者、参加者の数字を見る限り、特に在宅保育を行っている保護者はそうなんですが、それぞれの事業がいつどこで行われているのか情報に乏しく、知らない保護者がまだまだいて、利用できていないように思われてなりません。もったいないことです。
■質問2
各事業の広報をどのような形で行っているのか、お聞かせください。
■質問2に対する市の回答
子育て支援の事業は多岐にわたり、現在はそれぞれの担当課が冊子やパンフレット、市政ニュース、ホームページなどで広報を行っております。今後、子育て中の家庭に必要な情報が確実に届くような情報発信のあり方が重要でありますので、次世代育成支援行動計画の新規事業として子育て情報の総合的な提供に取り組むこととし、子育て情報が一番必要な市民の声を生かすため、本年2月に子育て情報誌とホームページ作成ボランティアを公募致しました。その結果、子育て中の方や子育て経験者9人がボランティアとして作成にかかわって頂き、現在作業を進めております。
市民の参画と協働の成果として、今年度中には子育て情報の一元化を図った冊子の配布やホームページの更新を行う予定でございます。今後とも市民のニーズに合った子育て支援を進めてまいります。
■意見・要望
次世代育成支援行動計画に記載された事業内容PRですが、この場で改めて提案ですが、4ヶ月健診などのお知らせを親御さんに郵送で送っています。そうした郵送物に同封したら、概ね皆さんの手元に届くのではないかと思います。
現在、子育て経験のある方、ボランティアの方に入ってもらってそういう方法をいろいろ検討して頂いているということですので、その中でひとつこういった方法もあるということをお伝えいただけたらと思います。
=======ここまでが本会議場での議論の概要========
地域での居場所・遊び場づくり、子育て支援事業の広報、いずれの指摘提案に対しても、前向きの回答がありました。
今後も、動向を注視し、一層の子育て環境の向上に向けて、政策提案してまいります。