放課後子ども教室の拡充に向けて②ー平成22年12月議会一般質問

2011年2月16日[カテゴリ:子育て・教育, 質問

放課後子ども教室の拡充に向けて①の続きです。

放課後子ども教室の実施に向けた市の姿勢を質問した部分です。

======ここからが本会議場での議論の概要=======

平成22年12月議会一般質問

1.子供の居場所づくりについて
イ)放課後子ども教室

放課後子ども教室の概要
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■質問の背景
ここで、実際に視察させて頂きました千葉県我孫子市と東京都八王子市の取り組みを紹介したいと思います。

我孫子市におきましては、現在、小学校15校中2ヶ所目が立ち上がったばかりだそうですが、平成19年度に立ち上がった第1号の立ち上げのときには、学童保育とは別に2名の嘱託職員を雇用し、1名の有償ボランティアとともに配置をしたそうです。

そして、学校の空き教室を活用してメインルームが確保されており、同じ学校での学童保育とのプログラムの連携も図られておりました。実際に取り組みが始まると、ボランティアの方からも様々なプログラムの実施のお申し出があるそうです。
これが理想ではありますが、本市においては、仮設教室が増えている学校の教室の状況や財政的な問題を鑑みると、同様の体制で展開するには課題が多いと思われます。

一方、八王子市では国の補助金の基準内で運営されており、週に1回から5回までの開設を実現しておりました。立ち上げるために、第1号の立ち上げのときの運営委員会の代表者をコーディネーターとして委託し、2から3名の職員さんとともに、地域、小学校を回って、現在、説明をして回っているそうです。
その結果、小学校70校のうち、この3年間で27校まで設置が進んでおります。さらに、運営委員会のメンバーは、もちろんPTA等を初めとした地域の方々ではありますが、補助金の基準の枠内で、27校中23校で安全管理員の業務についてはシルバー人材センターに委託されております。

本市においても、各校区でこの程度の費用を用意しなければ、取り組みとして継続はできないと思われます。特に立ち上げに関しては、専任の職員を配置して、地域を回って支援をしていただくなど、市として本腰を入れて取り組むべきと私は考えます。これまでに提言してきました市全体のボランティア希望者とのコーディネート機能の構築も急がれます。

■質問2
今後、放課後子ども教室を立ち上げるために平成23年度には経費と人員の強化を行うべきと考えますが、停滞している現状を打破するために市としてどのように改善しようと考えているのか、お聞かせください。

■質問2に対する市の回答
放課後子ども教室は、本来、地域が主体となって取り組まれる滞在型が望ましい運営形態とされており、その実践は、瓦木地区放課後子ども教室において、事業を担い、子供の見守りを行う安全管理員など、多くのボランティアなどの協力を得て取り組まれています。

しかし、そうした取り組みを各地域に拡充していくためには、実施場所の確保のほか、事業の総合的な調整役としてのコーディネーターが必要であり、また、子供たちの安全管理にも十分配慮した安全・安心な運営体制の整備など、課題もございます。

そうした課題に対応するため、今後、放課後子ども教室を実施したいという地域からの相談にも応じられる体制づくりや必要な経費について検討してまいりますとともに、市民ニーズの調査結果を基本に、地域で取り組まれている子供の居場所づくりにつながるような活動を支援できるよう検討を進めてまいります。

■質問3
放課後子ども教室に関して、今後の市としての方針と拡充計画をお聞かせください。

■質問3に対する市の回答
市内各地域によって内容は異なりますが、地域の教育力を生かした活動としましては、地区青少年愛護協議会、単位PTA、地域グループなどによる子供の居場所づくりへの取り組みが行われています。
例えば、放課後または休日に障害のある子供と障害のない子供の交流を目的とした取り組みや、学校近くの地域施設を活用して子供たちが自由に過ごす時間を地域の大人が子供を見守るなどといった取り組みでございます。

教育委員会では、放課後子ども教室の取り組みには、子供たちが日常生活の身近な場所で活動できるように、活動拠点として、学校、社会教育施設等の活用についても必要と考えております。

今後は、瓦木地区での取り組みを継続するとともに、地域において主体的に運営されている子供居場所づくりの事業が放課後子ども教室として位置づけた取り組みへとつながるよう支援を行い、設置方針について検討してまいります。また、健康福祉局など関係部局と連携を図り、子供の安全・安心な居場所の拡充に取り組んでまいります。

■意見・要望
市の現在の姿勢(留守家庭児童育成センターにおける4年生の受入れに消極的な姿勢)の中で取り上げました「放課後子ども教室」の緊急性が非常に高くなっていると私は感じています。教育委員会からは、前向きの御答弁を頂いたと私は受け止めました。

御答弁にもありましたけれども、来年度は、ぜひとも地域での取り組みに対して十分に支援をしていただきますように、人員と予算の確保をお願いしておきたいと思います。

合わせまして、来年度については、必要な取り組みを積極的に各地域で行って頂きたいと思いますし、また、瓦木小学校に次ぐ設置につきましては、平成23年度は今さら無理だというようなことも聞いておりますが、平成24年度からは、少なくとも本格的に放課後子ども教室として子供たちの居場所を確保して頂きますようよろしくお願い致します。

また、資料には掲載したものの、時間の都合上割愛致しましたが、「我孫子市における子どもの居場所づくり対策の体系化と計画策定」について視察させて頂いて、放課後子ども教室の事業内容以外に、実現までの進め方も大変参考になると思いましたので掲載致しました。

次世代育成支援行動計画で位置づけた「子ども総合計画」の中で、まず、「子供の遊び場・親子の交流の場づくり実施プラン」を策定しておりまして、このプランの考え方としては、子供の視点に立った項目と、それと親、大人の視点に立った項目に基づいてプランが策定されております。

それらに基づいて、学童保育と放課後子ども教室の推進計画を策定して進めています。そういった取り組み方、計画的に取り組んでいるということを、本市においても現在、たくさん実施している取り組みを、そういった視点で体系化し直して、また、こうした計画や方針などを示すことで、子育て世代にも伝わりやすいような形がつくれると思いますので、今後とも鋭意、子育て支援政策、青少年健全育成事業に取り組んで頂きたい、要望致します。

最後になりましたが、このたびの放課後子ども教室の質問を行うにあたりまして、地域の方々から御要望もいただきました。そのような中で、我孫子市の方、そして八王子市の職員の皆様には、大変急な申し出にもかかわりませず、丁寧に御対応をいただきました。大変参考になりました。この場をお借り致しまして、御礼を申し上げます。

=======ここまでが本会議場での議論の概要========

我孫子市と八王子市の、それぞれ違った形態で実施されている事例を視察させて頂いたことは、大変有意義であったと感じています。

市の回答は、「地域からの申し出を受ける」という受け身の姿勢とも取れますが、市や国が作った制度を地域に押し付けるのではなく現在、概ね各小学校区ごとに、地域の方々の手で実施して頂いてきた「子供の貴重な居場所となる事業」を尊重し、地域に配慮しながら発展させていきたいという内容と理解でき、全ての子供を対象とした放課後の居場所づくりに前向きであると受け止めました。

今後も調査を続け、現在の子供の居場所づくりとなる取組みを総合的に見ながら、一つ一つをうまく活用しながら、より多くの子供が毎日健全な放課後の時間を過ごせる環境が創れるよう取り組みたいと思います。

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