公立病院の役割ー感染症対応

2020年2月18日[カテゴリ:市立中央病院, 質問

先日2月3日に、健康副常任委員会の管内視察として、「いきいき体操」と「まちcafeなごみ」さんの取組みを視察した後、健康福祉常任委員会が開催されました。

議題は、市立中央病院からの所管事務報告「兵庫県立西宮病院と西宮市立中央病院の統合再編基本計画(案)に対するパブリックコメント実施結果及び県・市の考え方について」でした。

新型ウイルスによる感染症に対する危機感が強まってきた時期の、病院に関する確認ができる機会でしたので、直接議題とは関係はなかったのですが、関連して議論し、対応をお願いしました。

なお、当日は、私からは、
・公立病院の役割としての災害対応(ヘリコプターの運用内容と新型ウイルスによる感染症対策)
・救急車のアクセス道路の安全性の確保
・統合による中央病院職員の処遇に対する影響に関する説明

について取り上げて議論しました。

取り急ぎ、新型ウイルスによる感染症対策に関する議論について、掲載します。

=======ここからが、委員会での議論の概要========

■田中正剛
(新病院のヘリコプターの運用についての議論の後)
あと、災害対応についてもう1点なのですが、これはいろんな災害が考えられまして、こちら(基本計画)のほうでは地震、台風とか、その辺の、今よく言われている災害なのですが、災害と言えるかどうかはちょっと微妙ですが、現在、新型ウイルスによる肺炎の問題が報道されております。

まず、西宮市の中央病院と県立病院の現在の対応についてお聞かせ頂けないでしょうか。

■中央病院事務局長
県立西宮病院の対応は、済みません、私のほうで把握できていないんですけども、私どもの対応と致しましては、平成21年に新型インフルエンザがはやりまして、一定外来の患者様を受け入れるという態勢をとりました。

現在、そのときに使った隔離用の設備等を確認している状況で、これ以上(感染者が)増える状況になれば、対応できるようにという準備はしているという状況でございます。
以上でございます。

■田中正剛
少し関連(する内容)になってしまいまして申し訳ないのですが、今、隔離用の施設を中央病院のほうで持っていらっしゃる、県立のほうはわからないということだったんですけれども、統合後の新病院の場合は、こういった場合は対応がちゃんとできるような病院になるのかというところが一つ。

それと、現在、西宮市内もしくは阪神間で、もしそうした患者が発生した場合に、受け入れができる病院はどの程度あって、中央病院は、その受け入れをする必要がないのかどうかというところの現状も教えていただけますでしょうか。

■中央病院事務局長
まず、統合新病院の件でございますが、具体的に感染症患者に関する取り扱いというところでは基本計画の中には記載してございません。
現状、阪神間でいいますと県立尼崎病院が指定感染症に対する入院対応ということで、確か8床ベッドをお持ちだったかというふうに記憶してございます。あと、近いところですと神戸中央市民病院のほうでも、済みません、病床数はちょっと記憶が定かじゃないのですが、同じ程度の病床数を持っておられまして(8床を保有)、県全体としては阪神南部をそこでカバーできるという御理解のようでございまして、特段、今不足しているから統合新病院で設けようという話には現時点ではなっていないということで承知しております。
以上でございます。

■田中正剛
今日1日でまた状況が変わっている場合がありますので、日々件数など状況が変わってます。今の私の情報では、西宮市内で、阪神間でも兵庫県でも、そういった情報を私はまだ持ち合わせていないのですが、現状では、県立尼崎病院で8床、神戸中央で数床(8床)あるということです。

現在、日本全国で言いますと相当の感染者が出ています。どこまで過剰に反応すべきなのかというところは若干見解が違うようです。厚生労働省、その他もろもろの専門家の方々のおっしゃることがいろいろとあるようですが、今後この病床数では足りないということになりましたら、今回の件では、中央病院では受け入れないと理解したらいいのか。

それと、今後こういったことが起こった場合――今後起こらないとはもちろん限りませんので、今のコロナウイルスのことがどうなるのかも気になるところなんですけれども、今後その辺を検討することがあるのかどうか。

それによって、実際、感染症の対策をするとなると、これはいろいろとまた、周辺の方々の御理解等々もいただかないといけないことになりますので、状況は随分変わると思いますが、その辺は備えておかなくてよろしいのでしょうか。

■中央病院事務局長
御指摘のとおりでございます。今後どう推移するかわからないのですが、現状のシステムで言いますと、先ほど申し上げたように、2病院が入院患者を診るという体制になってございますので、とりあえずは様子というか、その状況に従って対応されるということは、これは保健行政でございますので、保健所の所管かもわかりませんが、そういうことであろうと我々は理解してございます。

ただ、これが非常に多くなってその病床が埋まってしまったということになりますと、また改めて我々もそういう対策は検討しないといけないと思いますが、保健所あるいは県のほうとも御相談しながら、我々の施設で受けていいものかどうかも含めて検討していくべきだと考えてございます。
以上でございます。

■田中正剛
この件についての質問は以上としたいと思いますが、まず、今起こっていることに対する対応と致しまして、公立病院に求められている役割として、こういう非常事態、非常時の対応というのは求められているところでもございます。そのためにいろいろと繰入金等の公金を入れての対応ということでお願いしておるわけですので、まず迅速な対応を、今回の件につきましても迅速に御対応いただけますように、これは保健所ともしっかり連携を図っていただいて対応をお願いしたいということが一つ。

それと、今回はこの先どうなるかちょっと分かりませんけれども、統合新病院につきましても、このようなケースをやはり想定して、新たにつくる病院ですので、新病院の対応というのももう一度見直していただく必要が出てくれば、これは柔軟に見直して頂きまして、「基本計画に書いていないからできないんだ」とかではなくて、柔軟にその辺は見ていただきまして、必要となりましたら、周辺の方々に対する説明、意見を聴取する場、そういったところの機会を持っていただけるように、御検討いただきたいと思いますので、要望しておきたいと思います。

=======ここまでが委員会での議論の概要========

公立病院というのは、こういう時にアンテナを張り巡らせて、市民の生命を守るために、状況に応じた迅速な対応ができる病院んでなければ、存在意義はないと考えています。

市立中央病院は、前院長のときから、呼吸器疾患を得意としてきました。

市内で感染者が発生するような事態になれば、市内中央病院でも対応ができるように、隔離の対応など準備しておくことが市民の安全・安心につながると考えます。

感染が拡大しないことを願いつつ、今後の動向を注意して見なければなりません。

記事一覧