西宮市でもPCR検査の実施件数を増やします。

2020年4月21日[カテゴリ:コラム, 危機管理, 市立中央病院

昨日20日(月)15時から開かれた西宮市議会災害対策支援本部役員会議を傍聴し、その後、16時15分から開かれた議会運営委員会に出席しました。
そこで、新型コロナウイルス対策のために、市から提案される補正予算案や条例改正案を審議するため、24日(金)10時に臨時議会が招集され、常任委員会において詳細に審査されることが決まりました。

議員と市職員の席については、通常の会議室の席の間隔を空けるなど、3密回避対策が講じられます。

日曜日に掲載したコラム(←クリックするとコラムがご覧いただけます。)では、議会運営員会前の役員会議で「新たな補正予算」が発表されると書きました。

日曜日のコラムを掲載した時点では、国や県の取り組みに対応するための予算と想定していましたが、増額予算の内容は、市独自の取組みに要するものばかりでした。非常にいいことです。

大きく分けると2点、「感染拡大防止対策の強化」と「きめ細かな経済対策」の第一弾であると理解しました。これまで、コラム(←クリックすると4月14日のコラムがご覧いただけます。)で掲載等してきたことが、より綿密に具体的になったとの印象を持ちました。

コラムでは、分けて掲載したいと思います。

PCR検査の強化に要する経費の増額補正

■予算の概要
【歳出】
結核感染症予防対策事業経費 委託料
県検査所:32,000円×1603件=5129万6000円
民間検査所:17,600円×3372件=5934万8000円
合計1億1064万4000円
【財源】
国(国庫補助金2分の1)と市の一般財源を充当

新型コロナウイルス感染症のPCR検査実施には委託料が発生しています。
これまでは、3月に議決した令和2年度予算で計上されていた「結核感染症予防対策事業経費(5022万8千円)」で対応してきたとのことでした。
今回、1億1064万4千円増額され、約1億6000万円となるという内容です。

民間検査所の委託料は県の検査所のおよそ半分(見積ですから、実際の金額とは多少異なります)と、大きな開きがあります。

件数の見積もりは、4月~9月分の検査実施件数が計算されています。
4月605件(県293、民312)
5月880件(県260、民620)
6月860件(県260、民600)
7月890件(県270、民620)
8月880件(県260、民620)
9月860件(県260、民600)
合計4975件と見込まれています。

民間検査機関に委託する件数は大幅に増やせるという見込みになっていますが、県に委託していた件数を減らすという理由が不明です。県の検査所の委託料が高いからか。それとも、他の市町村に枠を譲る必要があるのか。検査する機能があるのであれば、他の市町村との調整が必要かとは思いますが、最大限活用するはずです。確認が必要です。

■検査対象者
①疑似症患者
帰国者・接触者外来での受診後に検査が必要と医師が診断した場合にPCR検査を行う。
②疑似症患者以外
一般医療機関での受診、他の感染症ではなく新型コロナが疑われると診断された場合には、帰国者・接触者外来で診察の上、必要に応じてPCR検査を行う。

「検査の強化=希望者が誰でも手軽に受けられる」ようになるわけではありません。
今はまだ、「疑わしい症状がある人」が検査を受けられる環境をつくるというのが基本となっています。

【疑似症患者とは】
・「発熱」または、「呼吸器症状(咳や息苦しさ)」があり、「新型コロナウイルス感染症と確定した者」と濃厚接触歴がある者。
・発症前14日以内に「流行地域に渡航または居住していた者」または、「流行地域に渡航又は居住していた者と濃厚接触歴がある者」で、発熱37.5℃以上かつ呼吸器症状を有する者

と、市から配布された資料には掲載されていました。まずは、発熱と咳があることが前提条件となります。
そして、「帰国者・接触者外来」でなければ、検体をとることができません。

西宮市内では、「帰国者・接触者外来」を設置した医療機関が当初2ヶ所であったところが、6ヶ所に増やされていることが分かりました。厚生労働省の通知により、医療機関名は公表しないことになっており、保健所(帰国者・接触者相談センター)を通じなければ受診することはできません。そして、検査の要否の判断は医師に委ねれています。

今回の補正予算が議決されると、これまでは1日15件程度であったPCR検査の実施数を、1日30件程度に増やせると見込んでいるとの説明がありました。なぜ、今回の補正予算により、PCR検査を強化しても、1日30件程度までしか検査が受けられないのか、課題の確認が必要です。

また、兵庫県は、重症者や重症化するおそれが高い者に対する入院医療に支障が生じないよう、宿泊施設を借上げて、軽症や無症状の患者の宿泊施設での療養を4月13日より開始しており、この時は姫路市の宿泊施設だけでしたが、阪神地域でもホテルを確保できているとの発表があり、4月17日から受入れ体制が整っているとのことです。阪神地域での施設名の公表、実際に受け入れを開始したのかについては、公共からの発表があるまでは控えたいと思います。

公立病院の役割

ちょうど昨日の役員会議が始まる直前に、市民から連絡を頂いていました。

「兵庫県の動きを待つのではなく、横須賀市のように、市独自でPCR検査を増やしてほしい。」というお訴えでした。

心底同意しました。

横須賀市でどのような取り組みをしていたのか知りませんでしたので、インターネットで確認したところ、ウォークスルーでPCR検査を実施するとの内容でした。ここだけで1日40件の検査が可能になると掲載されていました。
神奈川県の協力を得て、県内で初めて、横須賀市救急医療センター駐車場にPCR外来(集合検査場)を開設するそうです。

横須賀市のアイデアをそのまま導入するとしたら、西宮市の場合、JR西宮駅南の応急診療所になるのだと思います。
しかし、西宮市立中央病院にも多額の公費を投入しています。広めの駐車場もありますので、是非とも市民の安心安全のために、挑戦して欲しかった取り組みです。

以前にコラム(←クリックするとコラム「公立病院の役割ー感染症対応」をご覧いただけます。)でも掲載しましたが、2ヶ月以上も前になる2月3日の健康福祉常任委員会で私が求めていたのは、このような対応を迅速にすることでした。

PCR検査機関のキャパシティや、陽性が確認された軽症患者の受入れ体制の課題もあるかとは思いますが、さらなる検査の強化と安全性を向上する方法についても調査したいと思います。

市民の皆様からの建設的なご意見に感謝

最後になりましたが、市民の皆様から様々な情報を寄せて頂いていることに感謝しています。

昨日の方は、「市の相談電話窓口に電話しても埒が明かなかったので。」とも仰っていました。
市の相談窓口は、今決まっていることについてお答えするというのが主な役割になっていると思われます。
この電話や市民の声に寄せられた情報を、迅速に共有できる体制を構築する必要があります。

私に寄せられた市民からの情報、意見、ご要望は、しっかりと受け止め、課題の解消に向けて動きたいと考えています。

引き続き、情報収集と情報発信に努めてまいります。

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