幼児教育研究センターー令和元年12月議会一般質問

2020年7月2日[カテゴリ:子育て・教育, 質問

本日、西宮市でも、1名の感染者が確認されました。市内在住で新たな感染者として、5月16日以来、実に1か月半ぶりとなります。東京では、2ヶ月ぶりに新規感染者が100人を超えました。

すでに、感染者数の発表によって一喜一憂するフェーズは終わり、感染の確認によって、備えた通りの対応をするフェーズに入っています。今後も、対応を注視する必要があります。

さて、ここからは前回のコラムの続きとなります。
令和元年12月議会では、幼児教育の充実に向けて「幼児教育センター」の設立を提案しました。

=====本会議場での議論の概要=====

令和元年12月議会一般質問

1.子供の育ちに対する支援について
イ)幼児教育の充実
(幼児教育センターの設立を)
■田中の主張
経済協力開発機構(OECD)が2004年に発表した論文で、科学的根拠のある世界五大幼児教育カリキュラムとして、ベルギーの経験に基づく教育、そして、アメリカのハイスコープなどが紹介され、国内でも徐々に注目され始めています。
中でもプログラムが最も組織化されているハイスコープカリキュラムは、研究の対象として大変興味深い内容だそうです。また、文部科学省では、自治体での幼児教育センターの設置や幼児教育アドバイザーの育成による幼児教育の質の向上の成果を普及することを目的として、幼児教育の推進体制構築事業を実施しております。
 
■質問
本市においても、一層の幼児教育・保育の質の向上を目指し、保育所や幼稚園など民間の子育て支援施設関係者も交えた幼児教育センターを設置し、実践を通じた研究、そして、保育士や幼稚園教諭に対する研修の強化、そしてまた、保護者に対する情報提供を推進するべきと考えますが、市の見解をお尋ね致します。

■市の回答
本市では、幼児教育・保育に関する研修の実施にあたり、子育て総合センターにこども支援局と教育委員会に併任する職員を置き、公立・私立の幼稚園や保育所、小学校の教職員などを対象として、指導者としての資質向上などを目的とした専門課題研修や、実践的な指導を深めることを目的としたチャレンジ研修などを実施しております。また、子育て総合センターで実施する研修のほか、対象年齢に応じた専門的な研修及び実践研究を各担当課でも実施しているところです。

平成16年度からは、西宮市幼稚園・保育所・小学校連携推進事業「つながり」を通じて、研修事業と同じく公立・私立の幼稚園や保育所、小学校の教職員などが参加し、地区ごとでの担当者会や公開保育を開催しております。これは、就学前の教育から小学校教育への滑らかな接続を目的としたもので、いずれの園に通うかにかかわらず、就学前の子供への教育・保育の質が向上するよう努めており、実践的な研究の一翼を担っております。

現在、このように幼児教育・保育に係る研究や研修を実施しており、幼児教育・保育研究センターとしての機能を一定果たしていると認識しておりますが、一方で、保育需要の増大や子育て環境が変化する中で、今後、教育・保育の質をどう向上させていくのかが問われており、先ほど御答弁致しましたとおり、公立・私立の幼稚園や保育所、小学校の教職員及び学識者による西宮市幼児教育・保育ビジョン策定ワーキングチームを設置し、現状の課題や望ましい方向性を含め、議論を行っているところです。これらの議論を踏まえ、保護者に対する効果的な情報提供についても検討してまいります。

■市の回答を受けて
西宮市では、訪問型の子育て支援をどのような形で実施しているのかということを、改めて本会議での議論等も踏まえて、調査をしたのですが、一つ実感したことは、未就学児童への福祉的なケアの体制は、かなり充実してきたと感じました。

今日は参考として資料(←クリックするとPDFファイルが開きます。)をつけました。

まず、民生委員・児童委員の皆様に御尽力をいただきまして、生後2ヶ月のお子様がいらっしゃる家庭を対象にして、御家庭と地域がつながることを目的として「健やか赤ちゃん訪問事業」を実施していただいています。
資料を示しましたが、把握率は90%前後で推移しています。

次は、「4ヶ月児健診」の時に親御さんとお会いする機会があります。

このどちらの機会でも会えなかった方には、必ず保健師の方、もしくは助産師の方々に訪問して頂いて、まず御家庭の状況を把握する、ということをしっかりとして頂いているということでした。
その結果、この本会議場でも市は御答弁されていますが、全件把握できているということです。

そして、乳幼児健診はその後、1歳6ヶ月児健診、そして3歳児健診とそれぞれ続いていきまして、行政が触れる機会は結構多く、そうした中で福祉が必要な方がいらっしゃったら、必要な福祉につないでいくなど、対応が手厚いと感じました。

しかし、一方で、お子さんが小学生になった瞬間に、(行政が触れる)対象から外れてしまう方が多いと感じました。つまり、子供が小学校に入ったら、家庭も自立していかなければ、福祉がなかなか行き届かない、相談もなかなかできないという状態のままとなり、学校の担任の先生による家庭訪問以外、訪問する方ももういらっしゃいませんので、小学校に入る前と入った後のケアの体制に非常に大きな差が出てくると感じました。

ですので、子供にとっての「幼児教育」の重要性を保護者も共有することは重要であると感じた次第でございます。

幼児教育の重要性を実感した中で、今回、幼児教育センターを設置して、研究、研修、保護者に対する情報提供を進めていってはどうかという質問を致しました。もちろんなのですが、「幼児教育センター」は新しく建物を建てるのではなく、機能を強化するというイメージで質問しております。

■再質問
御答弁では、現状でも幼児教育センターとしての機能を果たせているという御答弁でした。(私立幼稚園も含めて)幼児教育に関する研究、これは、市内の全ての子供に対する教育環境のあり方であったり、保護者への家庭教育支援に関することですが、本市ではどの部署で行われているのか、確認をしておきたいと思います。

■再質問に対する市の回答
幼児教育に関しましては、幼稚園や保育所に共通する研修につきましては子育て総合センターが、また、教育委員会とこども支援局の各機関がそれぞれの専門的な研修及び実践研究を行っており、必要に応じ連携しながら取り組みをしているところでございます。

■意見要望
幼児教育に関することは、子育て総合センターということで確認をさせていただきました。
と申しますのも、幼児教育についていろいろと議論をさせていただく中で、特に私立幼稚園の状況を問い合わせてもなかなか情報がありません。今後、こちらのほうにまたお問い合わせをさせていただいて、今後の幼児教育のあり方を議論していきたいと思っておりますので、よろしくお願い致します。

=====ここまでが、本会議場での議論の概要=====

幼児教育は、子供のその時の育ちと将来の育ちに影響を及ぼすことが科学的根拠をもって示されつつあります。また、子供が小学生、中学生と成長していくにあたって、保護者も成長していく必要があり、子供の幼児期に、家庭教育に関する情報を得ておくことが重要であると感じています。

今回提案した「幼児教育センターの設置」は、子供と、教諭・保育士等と、保護者の各対象に対して、現在はバラバラに行われている研究や研修機能を1ヵ所に集約し、それぞれに対する情報提供機能や実践力を高めていくために必要な取り組みであると思っています。

市とこの意識を共有するには、まだ道のりは遠そうですが、今後も、『次世代を担う「人」が育つ文教住宅都市』となれるよう議論を続けていきたいと思っています。

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