2020年8月16日[カテゴリ:安心・安全]
個人情報の漏洩
昨日、西宮市保健所が4名の患者の個人情報を誤って漏洩したとの報告が入りました。
個人情報を守るため、情報開示に対して慎重な姿勢をとってきた保健所が、いくら忙しかったからとはいえ、その最も慎重に取り扱うべき個人情報を、
それ以上に問題視しているのは、始めの漏洩ミスが7日(金)に発生し、同じミスが13日(木)に発生した今回の不祥事について、発表されたのが15日(土)となったことです。7日に発生した1回の漏洩ミスであれば、隠すつもりだったと思われても仕方ありません。
保健所の隠蔽体質が露呈したと思われる今回の対応について、なぜ1回目の段階で発表しなかったのか、どのような事情があったのか調査をしなければならないと考えています。
また私は、保健所が多くの情報を掴みながらも情報開示に対して慎重になるあまり、情報処理の作業工程を複雑にし、検査件数が急増して多くの応援職員が作業に携わることになったことで、最も単純な作業工程であるはずのFAX送信において送信先を誤って入力するという単純なミスをし、最も慎重に扱うべき「個人情報」を漏洩してしまうという、本末転倒ともいえる状況になっていたのではないのかと推察しています。
というのも、先日のコラム(←クリックすると8月5日のコラムが開きます)で掲載しましたが、7月末の時点で保健所がパンク状態になり、市として不急の事務事業を止め、応援職員を配置すると報告されていましたが、いまだに市長は、不急の事務事業を推し進めようとしている傾向も見受けられます。
さらに、昨日送られてきた市からの文書で示された再発防止策は、以下のように記されていました。
↑検査数の増加に伴い、事務量が爆発的に増加している現場において、果たしてこの対応が持続可能なのか不安が残ります。
以前のコラム(←クリックするとコラム「積極的疫学調査のゆくえ」が開きます。)で、保健所の体制強化について掲載しましたが、保健所がパンク状態となり、このたびの個人情報の漏洩を本当に反省するのであれば、今後、個人情報の保護を改めて徹底しつつ、感染拡大防止に資する情報開示と広報するために、新たな政策の方針策定作業など市役所における不急の事務事業を徹底して一旦止め、保健所の事務体制をさらに強化すべきです。
今週の西宮市での新型コロナウイルス感染の動向
今週は、
9日(日)2名(うち1名は、上下水道局職員)
10日(月)5名(うち3名は、クラスターが発生した介護施設入所者)
11日(火)3名(うち1名は、クラスターが発生した介護施設職員)
12日(水)1名(70代の方で中等症)
13日(木)3名(うち2名が、市外の方で大半の詳細が不明)
14日(金)5名(うち3名は、クラスターが発生した介護施設入所者)
15日(土)4名(うち1名、50代の方が中等症)
昨日のコラムでも帰国者・接触者相談センターへの電話相談件数が減少傾向にあると掲載しましたが、先週は、日曜日から土曜日までの1週間の確認数が57名であったのに対して、今週は23名となり、要因は分かりませんが明らかに減少しています。
しかし、12日(水)に確認された方は、症状が出てからPCR検査が受けられるまで、医療機関を4ヶ所も受診しています。その間に、酸素吸入が必要な状態まで重症化してしまいました。
しかも、最初に受診した8月3日には検査を受けさせてもらえずに、8日(土)まで勤務せざるを得なかったことにより、市外で感染を拡大させてしまっている恐れもあります。
先月の育成センター職員の時もそうでしたが、結果として、検査を受けさせてもらえないことで感染が拡大する傾向が見られるのであれば、少しでも疑いのある方にはPCR検査を受けてもらうようにするなど、傾向に応じた対策も講じるべきと思われます。医療機関との連携や兵庫県、近隣の府県との広域的な連携も重要と思われます。
13日(木)に確認された市内在住の公務員(市外の自治体)の方は、6日(木)に発症して、10日(火)まで出勤されています。その間に感染がどの程度感染が拡大してしまったのか、濃厚接触者が何人発生したのか等、影響に関する情報は把握できているはずですから、市民の行動に対してデータを使って的確にメッセージを発信してもらいたいと思います。
また、先月から、西宮市保健所では、市外在住の方の陽性発表が増えており、多くの情報が「調査中」のままとなっています。感染拡大防止のための情報開示の観点から、居住地の保健所からすぐに情報提供を受けるなど対応を変えるべきと思います。
そして、今日16日(日)も7名の方の感染が確認されました。そのうち4名は、すでに感染が確認されている方の同居人で、10歳未満の子供が1名、10代の学生が2名となっています。
家庭内感染の拡大の防止は非常に困難だとは思われますが、すでに感染が確認されている241例目の方(8月10日に発熱)の濃厚接触者とされている10代の学生の方は、8月2日(日)に39度台の発熱がありながら、その翌日の医療機関受診の際には検査を受けさせてもらえていません。そして、14日(金)の3度目の受診でようやく検査を受けさせてもらえています。学校が夏休みだったから接触が少なかったものの、時期が時期であれば、感染がさらに拡大してしまった可能性も否定できません。
また、早期に感染を発見できていれば、家庭内での対応も変わったかもしれません。
こうした状況の中、市立小・中学校の短い夏休みが終わり、明日から授業が再開します。
保健所設置市である西宮市は、感染者数に一喜一憂するのではなく、増え続ける感染の確認と検査結果に対して、的確に対応できるよう体制を整え続けるしかありません。