市の広報の効果向上についてー平成16年12月議会一般質問

2005年8月23日[カテゴリ:市役所改革, 質問

 市が実施する広報、特に行事の告知チラシは、行事の魅力が感じられない味気ないものが多く、その効果が疑われます。平成16年12月議会では、市の広報物の効果検証による改善の繰り返しと広報ノウハウの蓄積・共有を図る仕組みの構築について議論しました。

====本会議場での議論の概要====

平成16年12月議会一般質問

4.広報について
■質問の背景

 現在の広報グループの仕事は、市政ニュースの発行業務が中心となっているそうです。しかし、平成14年3月定例会において、事業を行っている各課でそれぞれ広報物を作成してきた結果、広報物が読まれずに捨てられているケースが少なくないとの指摘があり、市の広報物等を総合的に調整するセクションが設けられた経緯があります。しかし、それは1年で解散しています。

■質問1
 この取り組みの総括をどのように行い、どのように生かされているのかをお伺いします。

■質問1に対する市の回答
 近年、市民と行政との一層の協力関係を築き、より開かれた市政を目指して、市の広報活動を積極的、効果的に展開することが必要になってきております。また、ITなどさまざまな広報媒体を活用した情報提供、さらに、広報部門と各事業部門との連携、こういったことも求められておるわけでございます。
 こうしたことに対応していくため、昨年度、広報政策担当部を設置し、市政ニュースにおきましては、毎月10日号を政策広報と位置づけ、一面におきましてビジュアル化を図り、わかりやすく市の政策、施策の紹介に努めてまいりました。
 また、職員一人一人が広報広聴の担い手であるという職員の意識向上を図るため、職員の広報広聴の活動指針を作成し、活用を図っております。さらに、職員の広報マインドの向上のための研修も行っております。さらに、市民並びに職員へのイベント情報の提供システムとして、市のホームページ上に情報交差点を開設しております。

 これらの成果を踏まえ、また、ITを活用した広報をより積極的に推進していくため、今年度、広報課と情報システム担当からなる情報政策部を設け、現在市のホームページのリニューアルなどに取り組んでおります。しかしながら、各部局で制作しておりますポスター、チラシなどの刊行物については、本年の2月に調査を行いましたが、それら刊行物の調整あるいはそのルール化といったことについては課題でございます。

■田中の提案
 効果的な広報物を作成するにあたっては、1年程度で急に成果が出るものではなく、ノウハウを積み重ねることが重要であると私は考えます。そして、そのノウハウは各課で抱え込むのではなく、全庁で共有すべきものではないかと考えます。人員削減が進められる中ではありますが、ノウハウを蓄積するセクションとして、現在の広報グループがその役割を果たせないものでしょうか。

こちらもイメージ(←クリックするとPDFファイルが開きます)を示しています。

 まずは、各課・グループと掲載しておりますが、全市民を対象としたイベントを行うような課・グループを想定しています。そうしたグループは、まず最初に、告知や相談を行う窓口としての広報グループに相談をあげます。その広報グループの方から情報の提供やアドバイス、広報物の作成まで行ってもいいのではないかとも思いますが、その情報を流します。
 各課はそれを実行するわけですが、一番大事なのは結果の報告、宣伝効果等を中心にした結果報告が一番大事なのですが、報告を上げていただく。そして、その上がってきた結果を広報に関するノウハウとして蓄積するという、このサイクルをルール化するべきと考えます。

 今は漠然としているみたいですので、これをルール化すれば、ノウハウはここに蓄積されますので、それを庁内LANに乗せれば、情報の共有化も図れ、他にも、地域限定型の市民を対象とした事業を開催している課はたくさんございますので、そういった課からは庁内LANを見ればこのノウハウが見れるという状況をつくってはいかがかと思います。
 また、全市民や市外の方まで対象にした、ある程度大々的なイベントなどは、広報物の作成業務や企画業務自身を広告代理店等に委託すれば、さらに充実したイベント開催が可能になるとも考えられます。その辺の判断も広報を担当するセクションのアドバイスのもと行い、ノウハウを1ヶ所に集中することで全庁的に広げることが可能になります。
 
 そうしてイベントの企画・広報業務から各課の職員を解放できれば、人材をさらに有効に配置することも期待できます。

■質問2
 現在、全市民、市外の方を対象にしたイベント、事業に対する広報業務を定期的に実施している課・グループの数、及び、広報業務の一元化に対する考え方をお伺い致します。

■質問2に対する市の回答
 イベント、事業に対する広報業務を定期的に実施している課と主な事業の数でございますが、14課、27事業でございます。
 広報業務の一元化についてですが、平成16年2月に各部署に対し、イベント、事業、施策等の広報の時期、広報媒体を内容とする年間の広報計画書の提出を求めました。提出のありました広報計画書に基づき、広報の時期、媒体等につきましては、協議調整を行い、市政ニュース、CATV、あるいは新聞社への資料提供など、効果的な広報に取り組んでいるところであります。
 チラシ、ポスターを含めます刊行物につきまして、今後は、広報広聴活動の総合的かつ効果的な推進を図ることを目的といたします広報広聴企画委員会におきまして、刊行物の調査結果を踏まえまして、内容の重複のチェック、市民への情報伝達などの検証も行い、費用対効果の面からも分析を進めるなど、より効率的、効果的な情報提供のルール化に取り組んでまいります。

■意見・要望
 広報についてですが、成果について詳しくお答えいただきました。そして、ボードで示しましたサイクルをルール化することに関して、かなり前向きの御答弁をいただいたものと理解しております。いち早く活用できる環境をつくっていただけるように要望しておきます。

====ここまでが本会議での議論の概要====

■最終目標
市の広報力の向上

■講じるべき手段
市が発行する広報物の一元管理

記事一覧