投票率の低下と原因分析ー平成16年12月議会一般質問

2005年8月25日[カテゴリ:その他政策, 質問

 低投票率の検証と明るい選挙推進協議会の活動について、平成16年12月議会で取り上げて議論しました。

====本会議場での議論の概要====

平成16年12月議会一般質問

5.選挙施行後の検証について
■質問の背景

 先日の西宮市長選挙並びに西宮市議会議員補欠選挙は、市長選挙で投票率26.81%、補欠選挙で26.79%と非常に低い投票率となりました。有権者のうちの3人に1人どころか、約4人に1人しか投票所に足を運んで意思を示さなかったことになります。この件については、昨日もかなり厳しい指摘がございました。これは、私たち、ここにいる議員が審判を受けた前回の統一地方選挙、こちらもやはり40%強と、半分以上の方が選挙に行っていないわけで、45人もいる市会議員の1人を選んでもどうせ何も変わらないから行かないという人が多いように感じます。そして、投票率が低いのは、決して今回だけのことではないわけですから、そのことは、私たちも、特に私も自覚しないといけないなと感じている次第です。

 今回の選挙において、選挙があることすら知らなかったという方が一体どの程度いたのか、選挙があることは認識できていたが投票には行かなかったとしたら、その理由は一体何なのか、個々の選挙では明確にされていません。
 各種アンケート調査の結果に基づくマスコミの報道によりますと、最近の選挙一般について、政治に対する無関心から来る無知、政治に対する不信感、行政に対する不信感、そして、それらに対するあきらめなどを理由に投票率が低下しているとされています。選挙があることを認識する機会は人それぞれですし、選挙に行かない理由も人それぞれだと思います。それらがすべて憶測で今議論されているように感じます。

■質問1
 理由はどうあれ、かなりの宣伝をしていたにもかかわらず、投票率が上がらなかったわけですが、まず、今回の選挙の告知のために使った宣伝費用は幾らであったのかを伺います。

■質問1に対する市の回答
 去る11月14日に執行致しました西宮市長選挙及び市議会議員補欠選挙に対する選挙時啓発につきましては、選挙の種類、投票日の周知並びに投票参加を推進するために、本庁及び5支所に加えて、今回新たにアクタ西宮ステーションに啓発看板を設置するとともに、市政ニュースに投票日周知の囲み記事の掲載、8月28日に行われたにしのみや市民祭りの際にのぼりを立てるなど、今までの取り組みも含めて数多くの啓発事業を実施、展開してまいりました。これらの啓発経費はおよそ460万円であります。
 しかしながら、投票率は26.81%と、市長選挙におきましては過去最低の結果となりました。最近執行しました選挙結果につきましては、年内に選挙ニュース結果号を発行し、市民の皆さんに報告を予定しております。選挙後に開催致しました選挙管理委員会におきましても、早速、各委員が今回の投票結果について強い危機感を持ち、投票率アップに向けての打開策を図るための方策について議論をしたところであります。

■田中の提案
 現在、明るい選挙推進協議会、いわゆる明推協の委員は、本市では782名おられます。この方々が、選挙が公正かつ適正に行われるよう政治意識の向上に努めという基本理念のもと、ボランティアで活動して頂いています。
 しかし、昨今の投票率を見ていると、せっかくボランティアで活動しているにもかかわらず、その成果があらわれず、しかも、その原因の究明がきちんと行われていなければ、また同じことの繰り返しになるだけで、モチベーションの方も下がっているのではないでしょうか。
 そしてまた、ここまで投票率が低ければ、選挙の告知が足りないからではないのは明らかです。告知にかかる費用を事後の検証に充てて、個々の選挙施行後にアンケートをとるなどして検証材料にしてはいかがでしょうか。
 仮に選挙があることは知っていたが選挙には行かなかった人の理由がわかれば、今後の告知方法や内容の検討の仕方も変わってきます。山田市長も、当選されたとはいえ、45万市民のために働こうとしているにもかかわらず、約36万人の有権者の中から6万430人強の方からしか支持をいただけなかったわけですから、その原因もわからずに仕事をしていれば、モチベーションも下がるのではないでしょうか。そうした意味では、市民の現在の投票行動が及ぼす効果についても啓発する必要があるでしょう。そこで、アンケートの配布や回収方法には細心の注意を払って検討しなければならないとは思いますが、782名もいらっしゃる明推協の方々の御協力をいただきながら、そうした調査を行えないものでしょうか。

■質問2
施行後の検証について選挙管理委員会のお考えをお聞かせください。

■質問2に対する市の回答
 選挙啓発は効果測定の難しい事業であると言われておりますが、若い年齢層への啓発のあり方、どのような形で有権者に働きかければ効果があるのか、また、より多くの有権者が投票に参加する方策等について、明推協──明るい選挙推進協議会委員とも話し合いを重ねながら創意工夫に努めてまいりたいと考えております。

■意見・要望
 アンケートの調査に関しては、個人情報の問題などクリアすべき障害もあろうかと思います。しかし、アンケート調査の実施を強く要望はさせていただきます。障害もクリアしていただいて、何とか実施に向けて取り組んでください。そして、明推協の方々の活動がむなしいものとならないように、そしてまた、存在意義すら疑問視されるような事態にならないように、せっかくボランティアで活動してくれているわけですから、そういった選挙管理委員会の努力、宣伝に関する反省点、そういったことの割り出し、そうした努力も要望しておきます。

====ここまでが本会議場での議論の概要====

 地方政治に対する信頼の低下が大きな要因であると考えられます。しかし、私の主張はあくまでも推測ですから、推測ではなく、事実の調査の必要性を感じ、今回の質問に至りました。
 そして、市議会としては、議員の質の向上もさることながら、市議会での議論・活動が市民生活に影響を及ぼしているという実感を持ってもらう必要があると考えています。
 投票率の向上を指標として「真に市民の役に立つ市議会」を目指して、議会改革を進めなければならないと考えています。

■最終目標
地方政治の活性化
市議会議員選挙における投票率の向上

■講じるべき手段
低投票率となっている原因の分析
議会改革の推進

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