入札制度改革④-主観点の導入

2005年10月9日[カテゴリ:市役所改革, 質問

前回コラムの続きです。

 工事の指名競争入札においては、あらかじめ市の競争入札参加資格者として登録する際に、公共事業を請け負う企業には全国統一の評価方法で評価された経営事項審査の点数を申告してもらっています。そして、その点数によって数段階(工事の種類によって異なります)にランク分けして、工事の規模(金額)に応じて、決められたランクに位置付けられた企業を指名して入札が行われています。この経営審査事項の点数を客観点とよび、企業の状況に応じて各自治体等発注者が決めたルールに基づいて加算する点数を主観点と呼んでいます。

 平成17年6月議会では、西宮市においてもこの主観点を導入することを提案しました。

====本会議場での議論の概要====

平成17年6月議会一般質問

1.入札と契約について
ア)入札制度改革に対する意欲

(主観点の導入)
■質問の背景
 3点目は、主観点の導入です。
 現在、本市の工事に関する(事業者の)類型は、経営事項審査の点数のみでランク分けされています。しかし、経営事項審査自体にも問題点がある中で、これだけでは企業としての成長意欲を引き出すことは困難です。
 兵庫県や他市の事例では、経営事項審査に加えて、ISOを取得していること、これまでの工事成績や社会貢献度を点数に加え、そしてまた、先ほども言いましたVE提案制度を活用できるようになれば、そのVE提案の実績などを主観点として加点することも考えられます。
 客観点数と先ほど挙げました主観点数、この合計点によってランク分けを行う自治体も最近では増えてきています。近隣でも、尼崎市、神戸市、篠山市などがそうで、入札制度の先進市である明石市では、新たに工事成績評定を策定して、近々に主観点として導入される予定です。
 この施策はまさに市内企業の育成であり、工事成績が評価されることは市内企業に対しての励みになり、成長を促すという観点から、是非とも導入すべきことと考えます。

 この主観点は、もちろん、明確な基準と透明性を確保しなければならないことは言うまでもありません。特に工事成績やVE提案の提案内容等を点数化する際には、客観性を持った基準が必要となりますが、その辺も点数化し、主観点を導入してはいかがでしょうかというのが3点目の提案です。

■質問
 主観点の導入に対する当局の見解を伺います。

■市の回答
 3つ目の主観点の導入でございますが、格付基準における等級の格付は、経営事項審査結果の総合評定値によりまして行っております。この経営事項審査結果は、すべての企業にとって共通の客観的な評価基準に基づく評点であると理解を致しております。したがいまして、この評点以外の工事成績等を要素とする市独自の評価をする場合、より客観性のある評価基準が求められるところから、技術的に難しい点もございますが、阪神・淡路大震災を経験した本市といたしましては、例えばボランティア活動とか、ISOの取得、障害者の雇用など、企業の社会的貢献などに対する評価につきましては、平成18年度より採用する予定でございます。

■意見・要望
 主観点の導入についてですが、平成18年から採用するとのことです。しかしながら、工事成績の点数化は難しいとのことでした。この工事成績の客観的評価はできないのでしょうか。できないのであれば、現在実施している工事検査とは一体何なのか、私にはよく理解できません。その辺の技術的なところをもう少し研究してもいいのではないでしょうか。つまり、工事検査、工事成績の評定、これを客観的に評価できるものにすれば、主観点としても導入できます。現に明石市ではその取り組みも行っている様子です。そうした努力も強く要望しておきます。

====ここまでが本会議場での議論の概要====

さらに改革の提案は続きます。

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