入札制度改革③-市内企業の育成

2005年10月5日[カテゴリ:商工政策, 市役所改革, 質問

前回コラムの続きです。

====本会議場での議論の概要====

平成17年6月議会一般質問

1.入札と契約について
ア)入札制度改革に対する意欲

(市内企業の育成)
■質問の背景
 提案の2点目です。
 本市において、建設工事では1億5,000万円を超える公共工事については、制限つき一般競争入札が採用されています。過去には5億円未満の工事に関しては市内企業のみの指名競争入札が行われてきたわけですが、平成13年から1億5,000万円まで一般競争入札の枠が拡大されました。競争性の向上を主眼に置いた施策と言えるわけですが、現実問題、今の制度によって本当に競争性が確保できているのかどうかは疑問であり、むしろ、市民であり、貴重な納税者である市内企業の受注機会が減っている現在では、デメリットの方が大きいように感じます。

 もはや設計金額が1億5,000万円を超える工事自体が本市では少なくなったものの、この1億5,000万円以上の工事が本市の市内企業で施工できない工事金額なのかということを考えると、決してそのようなことはないでしょう。過去の議論の経緯から見ると、市内企業の受注機会の拡大という観点からだけで指名競争入札の範囲を拡大するのは難しいかもしれません。
 
 競争性の確保と市内企業の育成というのは相反する命題のようですので難しい問題です。しかしながら、本市の企業が活躍できるであろう近隣他市が行う設計金額5億円未満とか3億円未満の建設工事の入札に、本市の市内企業が入札に参入することは非常に困難であり、下請に甘んじているのが現状です。

 そうした近隣他市の水準に合わせて本市も指名競争入札の上限額を引き上げることも検討する必要があると思います。ホームページで調査した範囲内になりますが、近隣他市では、競争性を確保するために、指名企業数の下限を設定して、市内企業を優先して発注していくところもあれば、明確に指名競争入札の上限額を設け、市内企業の優先を要綱でうたっているところもあります。
 例えば尼崎市では、3億円以上の工事が一般競争入札の対象工事になっています。芦屋市では、企業数が少ないこともあって、1億5,000万円以上が一般競争入札、三田市では3億円以上が制限つき一般競争入札、篠山市では2億円以上が制限つき一般競争入札、伊丹市では5億円以上が制限つき一般競争入札の対象工事となっています。
 
 このように、「基本的には市内企業にできる工事は市内企業に」という入札制度にしているところが通例となっています。また、一般競争入札対象工事にしても、市内企業の育成という観点、これは強調しておきますが、ただ単に本市の公共事業を市内企業に与えるという観点ではありません。むだな工事をする必要はありません。必要な工事を市内企業でできる範囲で、その中で競争性が確保できるのであれば、技術の向上を促し、民間の事業や市外でも通用する市内企業を育成するという観点から、特定の工事のために結成される市内企業と大手ゼネコンとの企業共同体や市内の企業同士の特定建設共同事業体、いわゆる特定JVによる一般競争入札の枠を設定してもよいと考えます。

■質問
 市内業者限定の工事発注金額の拡大に対する当局の見解を伺います。

■市の回答
 2つ目の市内業者限定の工事発注金額の拡大の点でございますが、公共工事の入札及び契約の適正化の促進に関する法律の施行に伴い、この法律の基本原則でございます透明性の確保や公正な競争の促進等の点を踏まえ、市議会の議決が必要となる工事案件──1億5,000万円以上の工事につきましては、平成13年4月より制限つき一般競争入札に切りかえたものでございます。
 この法律施行以前の指名競争入札のときにも、1億5,000万円以上の工事は、市内業者と準市内業者あるいは市外業者を加えて指名を行っておりましたが、今後は、市内業者で施工可能な工事につきましては、一定の競争性が確保できる場合は市内業者による入札を検討してまいりたいと考えております。
 また、特定建設工事共同企業体、いわゆる特定JVにつきましては、工事の規模、性格等に照らし、共同企業体による施工が必要と認められる場合に限り活用されるべきものとして明確に位置づけられておりますので、単に市内中小業者の受注機会の増大を図ることを目的の特定JVの活用は困難であると考えております。今後、工事の規模等で特定JVによる施工が必要と認められる場合、その活用について検討してまいります。

■意見・要望
 特定JVに関する提案は、あくまでこれは市内企業の技術の向上という観点ですから、市内企業の優先という観点ではございません。その辺ももう一度よく考え直していただきたいと思います。

====ここまでが本会議場での議論の概要====

 市の公共事業によって、市内企業の技術力の向上を図ることは、産業振興、雇用の促進、市税収入の増加という効果が期待できることから非常に重要です。市は公正な入札制度を構築する上で、「市民サービスの向上を図るための公共事業」の「担い手の育成」という観点をもつ必要があると考えています。

 さらに改革の提案は続きます。

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