地方版人口ビジョンと少子化対策ー平成27年6月議会一般質問

2015年9月12日[カテゴリ:子育て・教育, 質問

前回コラムの続きです。

====本会議場での議論の概要====

平成27年6月議会一般質問

1.人口ビジョンと少子化対策について
(少子化対策への人口ビジョンの活用)
■質問の背景(田中まさたけの説明)

 また、表5(←クリックするとPDFファイルが開きます。)のとおり、本市においても、今後も、15歳未満の子供の人数も、一時は7万人以上であったものが、2040年までに5万人と、約25%も減少すると推計されておりまして、少子化対策は最重要課題であります。少子化の流れを食いとめるためには、国任せにするのではなく、市町村が積極的に取り組む必要があります。中でも子育て世代の人口が増えてきた本市においては、その役割、責任は非常に大きいと考えます。
 本市が、この西宮でならもっと子育てがしたいと思えるようなまちとなっているのか、そういった視点で政策を大至急検証し、手を打つ必要があると感じております。現在は、待機児童の解消を初めとした目先の課題対応に追われておりますが、それも大切ではございますけれども、今後、合計特殊出生率や出生数の向上を目標にするなど、少子化に歯どめをかけることを念頭に置いた子育て環境、教育環境を整備すべきと考えます。

■質問4(田中まさたけ)
 表3のとおり、合計特殊出生率は、近年、ずっと全国、そして兵庫県の数値を下回っておりまして、出生数も、平成19年の5,084人をピークに減少の一途をたどっておりまして、平成25年は、4,413人と600人以上減少しています。これまで実施してきた少子化対策、子育て支援策を今回の総合戦略の策定を機に大至急検証しなければならないと考えますが、市の見解をお尋ね致します。

■市の回答
 これまで本市では、次世代を担う子供を育成する過程を社会全体で支援する観点から、平成17年3月に西宮市次世代育成支援行動計画を策定し、子育てするなら西宮を基本理念に、待機児童解消に向けた保育所受け入れ枠の拡充や子育て支援拠点の拡充など、さまざまな施策を推進してまいりました。
 この計画は平成26年度までの計画となっておりますが、これまで毎年度、取り組み状況について内部評価や外部評価を行うことで進捗の管理を行い、増加する保育需要にも一定の対応ができたものと考えております。さらに、平成27年4月からは、西宮市子ども・子育て支援事業計画を策定し、次世代育成支援行動計画に引き続き取り組みを進めているところです。
 しかしながら、御指摘のとおり、本市の出生数は依然として減少傾向にあり、合計特殊出生率につきましても、全国平均と比べると低い状況が続いていることから、市としては、今後も引き続きその要因を分析していく必要があると考えております。

 現状で考えられる幾つかの要因の一つとして、保育需要や子供の居場所の充足率など地域差が生じていることに市として十分対応できていないことが挙げられます。今後、全市的な施策に加えて地域ごとに必要なものが何かを検証し、より地域課題に応じためり張りのある施策を展開することが必要であると考えております。さらに、若い子育て世代や他市からの転入者など地域に根づいていない方々に対しては、本市の施策が十分にお知らせできない面もあると考えており、個々の子育て世代が求める情報を確実に、かつ効果的に発信していけるよう、情報の質や量あるいは発信のあり方等について総合的に検証してまいります。その他考えられる要因を細かく分析していくことで、今後の施策をより効果的に推進できるよう努めてまいります。

====ここまでが本会議場での議論の概要====

 市の回答にある「平成17年3月に西宮市次世代育成支援行動計画を策定」したのも、国に策定することを義務付けられて策定したものであり、お役所仕事で政策を進めた結果、西宮における少子化にほとんど寄与してこなかったことが証明されたと言っていいと考えています。
 
 今回策定する地方版人口ビジョンと総合戦略の策定については、同じ轍を踏まないよう、政策の目的や計画等の策定の本来の目的を見失うことなく進捗を管理し、効果を常に検証する姿勢が必要です。

 今後も、少子化対策の観点を見失うことなく、様々な政策について検証を続け、お役所仕事を続ける西宮市に対して、機会あるごとに問うていきたいと思います。

 一般質問は、次のコラムにも続きます。

記事一覧