生活者の視点での情報提供がいまだ課題

2021年1月30日[カテゴリ:コラム, 医療・福祉

 兵庫県が緊急事態宣言の対象地域に入ってから3週間目に突入しています。
 
 西宮市でも、急増した感染者の対応と並行して、高齢者や基礎疾患のある方を対象にしたワクチン接種に対応するため、4月の開始を想定して2月からさらに人事異動により組織を強化するなどして、接種体制の整備が急ピッチで進められています。詳細については、まだまだ変更も考えられる段階ですので、掲載は控えたいと思います。
 
 西宮市の感染状況は、今週1月24日(日)~1月30日(土)の1週間は99名(そのうち市外在住の方は8名)の方の感染が確認され、先週1月17日(日)~1月23日(土)の1週間が193名(そのうち市外在住の方は12名)でしたので、ほぼ半減、大幅に減少しました。これは先週、高齢者福祉施設と障害者福祉施設においてクラスターが相次いで発生したことが影響しており、これらの施設の関係の方々、職員10名、施設利用者54名が含まれています。
 さらにその前の週1月10日(日)~1月16日(土)の1週間は、130名(そのうち市外在住の方は19名)でしたので、西宮市で感染が確認された人数の発表だけを見ると減少傾向にあり、感染の拡大は少し収まりつつあるように感じます。
 
 しかし、先々週、先週、今週の70歳代以上の方の人数の変化を見てみると16名⇒40名⇒33名と高止まりしており、西宮市発表分の全体に占める割合が12%⇒21%⇒33%と、高齢者の方の割合が高くなってきていることがわかります。再びクラスターが発生するようなことがあれば、感染者数は急激に増えることになりますので油断はできません。
 
 国では緊急事態宣言の期間延長が検討されているとの報道がありましたが、飲食店に対する対応のみならず、市内においては、高齢者が利用する福祉施設での感染拡大防止対策の一層の強化が必要であり、感染した方を早期に発見できるように、施設に対する一層の支援が必要と思われます。

感染した方に対する対応の現状

 以前のコラム(←クリックすると令和2年12月10日のコラムが開きます。)に掲載しましたが、兵庫県ホームページでは、「陽性者が軽症、無症状であっても、病状の見極め等医師による総合判断により、医療機関への入院、宿泊施設への入所をお願いし、原則、自宅療養をお願いすることはない。」と掲載されていました。しかし、1月26日(火)に市より以下のような報告がありましたので、こちらでも掲載致します。

市から提供された情報
【現状】
(1)自宅待機患者:50~60 名程度で推移(患者発生状況により増減あり)
入院病床、宿泊療養施設ともに逼迫しており、すぐには入れない状況が続いている。
入院待ち件数 10名程度で推移(入院までの期間は状況次第)
・宿泊療養待ち件数 10~20名程度で推移(2~3日で入所可)
・自宅療養者件数 30名程度で推移(病床不足及び本人都合により在宅)
 ※本人都合とは、育児、在宅介護等によるもので無症状および軽症者に限る

(2)施設留め置き患者:40~50名程度 ※複数の医療機関、福祉施設で発生
 ※施設留め置き患者とは、陽性となってもそのままの施設で療養してもらうことで、主にクラスター発生施設の利用者。
・生活支援が必要な高齢者、障害者、従前からの入院患者等は、軽症以下であれば必要な支援を継続するため施設留め置き(体調不良時は入院調整)

 いつからこのような状態になったのか不明ですが、これまで西宮市ホームページを見ているだけでは読みとれない情報です。まずは、入院待ちや宿泊療養の待ちの状況については、リアルタイムに情報を提供する必要があります。また、待っている間は、患者はどのように過ごせばいいのかなど、もっと市民、生活者の立場に立った情報を提供する必要があります。こうした広報のあり方については、昨年の4月から常任委員会や本会議を通じてずっと市に求めてきたこと(←クリックすると令和2年8月3日のコラムが開きます。)です。
 そして、高齢者福祉施設等の入所者が感染した場合に、施設において業務が継続できる体制の確保や感染拡大防止に要する経費に対する支援を継続して実施することも重要です。

市から提供された情報
【県市の対応】
(1)兵庫県
県内他市でも同様に多数の自宅待機患者が発生している
→現状をふまえ方針転換
※原則入院もしくは宿泊療養であるため、従来は自宅待機患者支援の取り組みはなかった
①訪問看護ステーションや24時間体制の介護事業者への協力要請による自宅待機患者への見守り体制強化を検討
②宿泊施設の入所年齢制限(65 歳以下)を撤廃

(2)西宮市
・必要時、保健師等保健所職員による訪問
・患者を留め置きする施設に対し、パルスオキシメーター(血中酸素飽和度計測器)を貸出
自宅待機患者に対する往診、訪問看護、ヘルパー派遣について、医師会など関係団体と協議中
・訪問介護サービス提供を継続する事業者に対して協力金の支払いを検討

 「検討」や「協議中」は早急に結論を出して、広報してもらわなければなりません。
 
 引き続き、感染症の動向を追いつつ、情報が入りましたらコラムに掲載してまいります。

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