西宮市でのワクチン接種の準備状況等

2021年4月11日[カテゴリ:その他政策, コラム

感染拡大の状況

 兵庫県は4月9日に「感染急拡大を踏まえた追加対策」を示しました。その中で、これまでの「自宅療養ゼロ」の方針が変わり、441人の方が自宅療養をするとの新聞報道がありました。

自宅療養が可能な方は、
65歳未満の陽性者もしくは子育てや介護等でで特別な事情がある方のうち、
①無症状または軽症でで飽和酸素度が96%以上の方
②独居または同居者がいても個室隔離・消毒等の感染対策が行える方
の条件を満たしている方ということです。

 そして市からは、同じく4月9日に、以下の支援を決めたとの連絡がありました。

市からの連絡の抜粋
 新型コロナウイルス感染症の患者の急増により、医療機関の病床が逼迫しつつある状況を踏まえ、今後、長期での自宅療養をせざるを得ない患者が発生した場合に備え、自宅療養者への食料等の支援体制を整備しました。
1.対象者
自身で食料調達が困難な自宅療養者で、自宅療養支援セットの配布を希望する方
2.自宅療養支援セットの内容
○10 日分の食品(レトルト食品、飲料など)
○日用品(マスク、手指消毒薬、ごみ袋、ティッシュペーパーなど)
3.お届け方法
受け渡しは、事業者が電話で事前に連絡(場合によっては事後)の上で配達し、直接対面せず自宅前に届ける「置き配」方式で実施
4.実施時期
令和3年4月中旬から実施予定
5.利用者負担
なし
6.予算関係
・2275万円(既決予算で対応)
・1ヶ月あたりの必要費用:単価26,000円×350人=910万円
・6月補正までの(2.5ヶ月分)910万円×2.5ヶ月分=2275万円
・財源:国が2分の1、市の一般財源で2分の1を負担
7.その他
○支援セットの調達は、西宮市と包括連携協定を締結しているイオン株式会社(イオンリテール株式会社近畿カンパニー)に委託
○配送事業者については、自宅療養をする方への配慮の観点から非公表

↑ようやく対応が決定しましたが、支援の実施時期は4月中旬からとなっています。県が示しました「感染急拡大を踏まえた追加対策」によると、県は4月10日より、自宅療養者に5日分の食料品と衛生資材等の配布が行うとあります。

 また、市内で配送を想定している人数は350人ということです。その根拠は、
・第3波において最大自宅療養者が175人(1月)いらっしゃったこと
・第4波では発生患者数を第3波の倍を想定するよう国からも通知が来たこと
ということです。
 兵庫県の方針では、自宅療養ゼロとなっていた人も関わらず、1月にはすでに自宅療養者が175人もいらっしゃったということを知らされました。市による情報提供、状況報告がまだまだ不十分と言わざるを得ません。
 
 その西宮市では、4月4日(日)~10日(土)の1週間で、新たに176名(そのうち市外在住の方は14名)の方の感染が確認され、先週3月28日(日)~4月3日(土)が101名(そのうち市外在住の方は16名)でしのたで、大幅に増加しました。大阪での動向が毎日のように報道されていますから、近接自治体である西宮市でも同様のことが起こっていることは想像に難くなく、もはや驚きはありません。

 とにかく、市による、生活者の視点に立ったきめ細かな情報の提供、根拠を示しながらの対策の呼びかけが肝心だと思います。

ワクチンの準備状況

 4月5日の夕方に、西宮市より以下の連絡がありました。前回の連絡が3月8日でしたので、約1ヶ月もの間、情報に進展がなかったわけですが、5月には急激にワクチンの接種ペースが上がる見込みです。

 一方で、ワクチンの有効性や副反応に関する情報については、厚生労働省のホームページに、3月26日に評価された情報や評価が掲載されています。その中で、アナフィラキシー症状については、578,835回の接種を実施した上で181件が報告されていますが、いずれも軽快・回復しているそうです。
 死亡例については3月24日までに、ワクチン接種の4日後に、61歳の方と26歳の方のお二人がお亡くなりになったそうです。死因はくも膜下出血及び脳出血となっていますが、情報不足によりワクチン接種との因果関係は不明と評価されています。約58万回接種された中での状況ですので、安全性の判断は人によって分かれるところだと思います。

 ワクチンの接種を本人の意思に委ねている以上、副反応やワクチンの有効性について、今後、かかりつけの医療機関等を通じてでも、もっと市民に対して分かりやすく情報を提供していく必要があると感じています。

市の連絡の抜粋
1.住民接種用ワクチン供給スケジュール
(4月のワクチン供給)
4月12日の週975回接種分
4月26日の週975回接種分
4月のワクチン供給量:975人分
高齢者全体に対する供給率:0.8%

(5月のワクチン供給)
 令和3年3月26日厚生労働省健康局健康課予防接種室発「高齢者向け接種を実施するための新型コロナワクチンの配分について」の通知を基に供給量を人口比で推定
5月3日の週11,700回接種分
5月10日の週29,250回接種分
5月17日の週29,250回接種分
5月のワクチン供給量:35,100人分
高齢者全体に対する供給率:30%

2.ワクチン接種券発送日
発送日:令和3年4月下旬
対象者:令和3年4月2日において本市の住民基本台帳に登録されている高齢者(高齢者とは昭和32年4月1日以前に生まれた人)
対象者数:約11万7,000 人

↑どこで接種できるのかは、山口ホールと塩瀬公民館の講堂以外は、まだ発表されていません。なお、4月の接種については、
先日のコラム
(←クリックすると3月21日のコラムが開きます。)で掲載した情報が報告されているのみです。

 できるだけ普段のかかりつけの医療機関での接種が可能となるよう、現在、市内の医療機関との調整が進められているものと思われますが、調整が難航しているのか接種場所の確定に時間がかかっています。何が課題なのかも報告がありませんが、決まったところからでも順次発表して頂きたいものです。

西宮市新型コロナウイルス感染症対策本部より

市からの報告の抜粋
第102回本部会議議事録(令和3年4月2日開催)より抜粋

1.感染再拡大の状況と今後危惧されることについて
・医療体制はすでにかなりひっ迫し厳しい状況である。今週は入院調整ができたが、市内病院に入院できない場合、姫路市や丹波、神崎、宍粟の病院に入院している。重症病床は市内県内ともほぼ一杯の状況である。
・3月に幼稚園でクラスターが発生した。以前はなかった10歳未満のクラスターが発生している。

2.県本部会議(4月2日)の決定事項を受けた西宮市の対策方針について
・神戸市ではコロナウイルス感染者は変異株が8割を占めているとのこと。
まん延防止等重点措置の西宮市を含めた4市の飲食店の感染対策の見回りは県が外部委託で実施するとのこと。
・飲食店の感染症防止対策宣言のチェックシートの内容が変わる予定。

3.ワクチン接種の進捗状況
・市立中央病院、保健所の医療従事者、消防職員のワクチン接種は1回目が終り、2回目も4月下旬までに行う予定である。医師会、薬剤師会などの医療従事者接種は5月から始まり、5月いっぱいまでかかる見込みである。

4.その他
・4月5日から公共施設利用は午後9時までから8時までに短縮する(既予約者については協力を求める)。
・学校の部活動について、まん延地域での合宿は行わない県の通知を各校に伝える。
・職員に対しても、歓送迎会を含め多人数や長時間の飲食を伴う懇親会への開催及び参加は自粛するなど、公私とも市職員として自覚ある行動を取るよう重ねて通知する。
・施設へのCO2センサーの設置が必要となってくるため、一定数の購入を検討する。
・ワクチン接種業務がこれから本格化する。保健所業務はすでに第3波のピーク時の状況に近く、業務は今後も増える見込みである。さらに子育て世帯への給付金事務も発生している。これらに対応するため5月に大幅な応援人員の増員が必要となる見込みである。このため、4月中に業務内容を再検討し、不急なものなど業務の停止や延期を行い、人員を確保することが必要である。

↑市からの4月2日時点の報告を抜粋しました。市には、とにかく国や県から情報を取得して、引き続き、私たち市民に状況を提供するよう求めたいと思います。

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