市営住宅の集会所と地域コミュニティー令和2年12月議会一般質問

2021年4月7日[カテゴリ:地域コミュニティ, 質問

 新型コロナウイルス感染症が再び急拡大し、5日(月)より新型インフルエンザ等対策特別措置法に基づく、「まん延防止等重点措置」の実施区域に指定されてしまいました。

 西宮市内での急拡大が発覚したのは2週間前のことですが、潜伏期間等を勘案すると、急拡大は1ヶ月前、つまり3月上旬から始まっていたのではないかと思われます。とすると、先日のコラム(←クリックすると3月5日のコラムが開きます。)にも掲載しましたが、昨年と同じことを繰り返してしまったと言えます。
 そして、昨年はちょうど1年前、4月7日に緊急事態宣言が発出され、それ以降、8割の接触削減が呼びかけられました。今年は措置されている内容が全く異なりますし、国内では「コロナ慣れ」や「コロナ疲れ」があるようですから、自治体によるきめ細かな分析と対応を急がなければ、ザクっとした通り一辺倒の広報を続けているようでは、感染の広がりを抑えることは難しいのではないかと危惧しています。また、オリンピックは開催して欲しいという期待がある反面、聖火リレーでの笑顔と医療のひっ迫状況を同時に見る、このギャップをどのように受け止めればいいのか、戸惑いのある方も多いのではないかと推察しています。

 西宮市では、先週3月28日(日)~4月3日(土)の1週間で、101名(そのうち市外在住の方は16名)の方の感染が確認され、その前の週の3月21日(日)~27日(土)が96名(そのうち市外在住の方は8名)でしたので、微増という状態です。
 1週間単位での検査数と陽性率の推移を見てみますと、2月28日~3月6日の検査数が1286件(陽性者16名、陽性率1.2%)であったのに対して、その後、1224件(陽性率1.6%)⇒1167件(陽性率3.7%)⇒1360件(陽性率7.1%)⇒1419件(陽性率7.1%)となっています。昨年12月の検査数の推移と類似していることから、季節が関係ないとしたら、1月と同様に大きく感染者数が増加する兆候と考えられます。
 
 これも、先日のコラム(←クリックすると3月21日のコラムが開きます。)に掲載しましたが、西宮市でも、2週間前に急拡大の傾向が発覚したわけですから、医療が崩壊する前に、変異株の状況や陽性者の症状の傾向の変化などの情報を迅速に収集、市民に対して開示して、注意を促す必要があると思います。そして、医療崩壊が起こる前に、市立中央病院での医療体制と保健所の体制を迅速に強化しなければなりません。
 
 これで4回目の波になるわけですから、同じ失敗は許されないと考えています。また同時に、西宮市内では5月下旬に聖火リレーが行われる予定をしています。国の動向の影響も受けることが予想されますが、様々な想定と早めの対応が必要だと思っています。

市営住宅の集会所の地域開放

 さて今回は、新型コロナウイルス感染症対応ではありませんが、令和2年12月議会一般質問で取り上げました市営住宅の集会所に関する議論を掲載します。
 
 市営住宅は入居者から低額の家賃を徴収していますが、整備費等には多額の税金が投入されています。そして、主に入居者の方々の利用を想定して一定規模以上の市営住宅団地には集会所が整備されてきましたが、周辺住民とのコミュニティの形成のためにも周辺住民を交えて利用されることが重要であると考えています。

西宮市営住宅条例第56条では、

「集会所を使用することができる者は、次に掲げる者とする。
(1) 市営住宅入居者及び同居者並びに当該市営住宅の周辺に居住する市民
(2) その他市長が適当と認める者」

と規定されています。

 老朽化した市営住宅の再整備と統廃合が進められる中、令和2年12月議会一般質問において、今後の市営住宅の集会所の利用のあり方について議論しました。

====本会議場での議論の概要====

令和2年12月議会一般質問

3.市営住宅について
ア)集会所の地域開放
■質問の背景

 近年、入居者の高齢化等により、集会所の自主的な管理運営が困難となり、休所状態となった集会所が存在し、これまでの利用者が遠方の集会施設を利用するなど、負担を強いられておりました。そこで、昨年度、条例を改正し、市営住宅集会所管理支援制度が新設され、市が市営住宅の集会所を管理することで、休所していた集会所の利活用が期待されております。しかしながら、市が市営住宅の集会所を管理することで、使用料金や手続等に課題があり、周辺住民などが利用しづらい施設となるのではないかとの御意見も伺っております。

 高齢化の進展は、市営住宅の住民に限ったことではなく、地域によっては、近隣の市民館や公民館までの移動を頻繁に行うことが敬遠されるほど高齢化が進展しています。そして、市営住宅自体の整備及び維持管理には市民の税金も投入されていることを勘案しますと、市営住宅の集会所は、周辺住民にとっても貴重な公共施設であり、周辺住民にとっても利活用しやすい場とすべきであり、また、市営住宅住民と周辺住民をつなぐ地域での交流を図る場としても活用されるのが理想と考えます。

■質問(田中まさたけ)
 今後、建て替え等により市営住宅の整備が行われる際には集会所が設置されることと思いますが、地域コミュニティの醸成の観点から、集会所の管理運営方法が重要となると考えます。地域開放も含めた市営住宅の集会所の有効活用については、市民集会施設と同様の負担で地域に開放できるよう運営すべきと考えますが、市の見解をお尋ね致します。

■質問に対する市の回答
 市営住宅集会所管理支援制度による集会所の管理運営につきましては、市に代わり市営住宅の指定管理者が管理運営を行います。そのため、市民館や公民館など現地に管理人が常駐する集会施設とは異なり、指定管理者は常駐しないため、急な利用申込みができないなどの制限が生じてまいります。

 このことから、申込みの受付や鍵の開閉など指定管理者業務の一部を市営住宅の入居者または周辺住民などに現地従事者として協力を求めることにより、利便性の確保や運営の効率化に努めてまいります。

 また、使用料金につきましては、市民館などと同程度になるよう検討してまいります。

 このような取組により、市営住宅集会所管理支援制度で管理運営する集会所は、入居者や周辺住民が利用しやすい運営となるよう努めてまいります。

■意見・要望(田中まさたけ)
 まずは、この御答弁のとおり御対応をお願いしておきたいというふうに思います。そして、追加で要望がございます。
 まず、1点目は、集会所の地域開放にあたっての減免についてです。
 市民館や公民館では、自治会の使用については減免制度がございます。そこで、市営住宅の集会所の利用料金につきましても、地域コミュニティ活動に対する減免制度があるとより活用しやすくなると思っております。
 例えば、いきいき体操であったり防災訓練などについては、本来は事業を推奨している事業課からの補助等で対応すべき内容ではあるとは思いますが、改めて財源を確保するということが難しいようであれば、まずは市営住宅集会所の利用料金の減免制度を視野に入れていただきまして、御答弁にありましたとおり、周辺住民の皆さんもより使いやすい運用としていただきたいと思います。

 2点目は、今回、具体的に答弁を求めませんでしたが、新たに再整備される住宅の「集会所の機能」についての要望です。
 これは主に災害対応を想定していますが、災害時というのは共助が重要と言われております。そのためにも、先ほどから繰り返しております市営住宅の住民と周辺住民とのコミュニケーション、これは非常に重要であるというふうに考えておりまして、日頃からの交流がなければそれは不可能であると思っています。

 現在、再整備を予定している地域には、避難場所が少ないという事情もございまして、災害時に市営住宅の集会所などが地域(自治会)の防災拠点のような役割を果たせるような機能、地域の防災倉庫であったりマンホールトイレなどを設置していただきたいという御要望もございました。
 ですので、御検討いただきたいと思いますが、まずは、再整備にあたりましては、整備後のこともございますので、地元住民の方々から意見を丁寧に聞き取りながら事業を進めていただきますように要望します。

====ここまでが本会議場での議論の概要====
 
 集合住宅が増加し、自治会加入率の低下など地域コミュニティの希薄化が市の課題となっている中で、市が整備する市営住宅にお住まいの方と周辺の自治会とのコミュニティの形成を図ることは、民間に対する模範となるものであり、市にとって絶対に不可欠であると考えています。

 今後も再整備事業ととともに動向を注視してまいります。

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