学校評価を通じた学校の情報開示ー平成18年6月議会一般質問

2006年10月15日[カテゴリ:学校教育, 質問

前回のコラムの続きです。

====本会議場での議論の概要====

平成18年6月議会一般質問

1.全小・中学校における学校評価の実施と公表に向けた取り組みについて
■意見(田中まさたけ)

 何より大事なのは、(学校評価の内容を)公表できることだと思います。これまで学校の先生が経験値で行ってきたことを公表できる形で明確化するメリットははかり知れません。
 そして、目標、計画と、評価、改善を具体的に公表できる状況は、学校評価が適切に行われていることを意味します。
 また、教職員はもちろんのこと、保護者や地域の方とも具体化された課題などを共有することで、参画と協働のもとで解決の道が広がることが期待できます。
 ホームページで私が確認したところ、小学校42校中3校、中学校20校中1校で実施している様子ですが、内容はよくわかりませんでした。ホームページではなくてもいいかもしれませんが、学校だよりなど具体化された資料を作成して配布するなど、何らかの形で公表されている必要性があります。

■質問2(田中まさたけ)
 学校評価の公表の進捗状況をお聞かせください。
 
■質問2に対する教育委員会の回答
 学校評価実施の進捗状況及び公表の進捗率でございますが、平成17年度、自己評価は、公立全小・中・養護学校63校全てで実施しております。結果を公表している学校は、前年度より8校増え、50%を超えています。
 
 また、外部評価については、前年度より17校増え、約90%の学校が実施しており、そのうちの80%を超える学校が結果の公表をしております。

■質問3(田中まさたけ)
 評価されたもの、評価書といったものを提出してもらい、各学校経営の総括的な指導を行ったり、学校評価を実施する上で必要な情報を提供するのが教育委員会の役割と考えます。教育委員会において各学校に対する後方支援はどのようなことを行っているのかを伺います。

■質問3に対する教育委員会の回答
 続いて、推進にあたっての市教委の後方支援についてですが、本市では、平成15年に学校評価の進め方の手引を作成し、学校評価のとらえ方、具体的な方法や事例などを示し、各学校にその意義の浸透と実施に努めてまいりました。また、平成17年度には、冊子「西宮教育推進の方向」にある「学校教育推進の重点」の様式を改め、学校や教員が自己評価シートとして活用できるようにし、学校評価への意識を高め、日々の実践化を図るための取り組みを進めてまいりました。
 来年度は、「西宮教育推進の方向」の評価シートにつきましても、このガイドラインとの整合を図りながら、より活用しやすいものにしていきたいと考えております。

■質問4(田中まさたけ)
 目標管理として、教育委員会独自でそれらの進捗状況等を評価したものを示す必要があります。学校評価の全校公表の目標年次をお聞かせください。

■質問4に対する教育委員会の回答
 最後に、学校評価公表の目標年次についての御質問ですが、現在何らかの形で外部評価を行っている学校の80%が公表しており、年々増えてきているところでございます。今後、公表すべき内容、その対象、方法等の充実を図り、できるだけ早期に全ての学校園で実施できるよう支援してまいりたいと考えております。

■意見・要望(田中まさたけ)
 壇上で示しましたモデルに沿って具体的に説明していただきました。今回一番伺いたかったのは、それがちゃんと全校でできていて、それを教育委員会がちゃんと把握できていますかということでした。
 
 学校評価の実施状況としては、私が想定していた数字よりは高かったようには思います。少し逆説的になってしまいますが、今まで、平成15年に手引を作成されて配付されたということで、取り組みを始めてから3年目ということになります。そのような中で、自己評価はすべてで行ってて、外部評価についても90%できていますということでした。残りの学校に対して、学校評価に対する趣旨を理解してもらう、この評価を行うのは現場の校長を初めとした教職員の方々ですので、そうした方々の御理解してもらわないことには、当然適切には行われないと思われます。
 その御理解をいただくのに大変労力がかかるのではないかと感じられますので、そういった前提に基づいて要望を3点述べたいと思います。

 まず、①評価の内容が具体的であることです。そして、②ホームページ等、何らかの形で公表できる状態となっていること。そして、③教育委員会がそれらを把握して、それ自体に対して指導を加えること。その3点が私はポイントと思っております。
 学校評価の導入をこれからまだ推進されることだと思います。本年度の学校園経営における重点とされています。是非とも以上の点に留意されて取り組んでいただきますよう要望申し上げます。

 2点目は、最後に伺いました期限についてです。
 御答弁では、「できるだけ早期に」という漠然としたお答えしかいただけませんでした。この議論、再質問しても恐らく平行線をたどると思いますので、今回は要望でとどめたいと思いますが、目標が漠然としていては困ります。
 学校評価ということは、これまで先生方が長年経験値でやってこられたことを具体的に数値化したり、表現方法を考えるといった作業が増えてくる、それを作成するという作業が増えてくるわけですけれども、基本的にはそう難しいことではないはずです。きっちりとそういったことを意識してやってきた職員さんにとってはということになりますが、もしそうでないとすれば、これまでの教育に携わる姿勢に少し問題があったのではないかと思われてなりません。
 また、その際に、校長先生のお考えで公表しないという学校もあるかもしれません、分かりませんが。なぜ公表していないのかという理由が私には浮かばないんですけども、その理由が示されていないことも問題だと思いますので、もししていないのであればな公表していないのかということも提示していただきたいと思います。

 3点目の要望ですが、今回、教育現場での課題というのを調査しようと思ったのですが、その評価シートみたいなものがあるのかと思って、それを取り寄せようとしても、提供していただけませんでした。そういう状況にあります。
 実際、先ほどお答えいただいた進捗率、これは内容がしっかりとできているのかどうか、そういったところの精査もこれからやっていかないといけないと思います。その際に、教育委員会の方では、もちろん各学校が行っている評価等を資料として提出を求めるなど、そういったこともしていかなければいけないと思います。

 教育委員会自身が、目標管理、「教育推進の方向」に基づいた評価も行っていくべきだと思いますし、そうしたことも含めまして、教育委員会が今後きっちりと、今年度中と私からは希望させていただきますが、期限を設けて学校園経営における本年度の重点として掲げているこの学校評価の公表を全校に浸透させていただきますように強く要望申し上げます。

====ここまでが本会議場での議論の概要====

 全ての学校で実施されていると言われた自己評価、これは内部での評価と言えますが、公表は50%超でしか行われていません。
 それに対して、外部評価は特定の方にだけではありますが、すでに外に出している内容なので、公表も80%と自己評価よりも高くなっています。
 公表しているということですが、問題は、私たち外部の人間には、その内容が見えない状態になっているということです。

 今後、さらに動向を追っていかなければならないと考えています。

 平成18年6月議会での学校評価に関する議論は以上となります。

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