前回のコラムに続いて、代表質問について掲載します。
所信表明では触れられていませんでしたが、市長のホームページには、「質の高い幼児教育の実現」として、「就学前教育の基本プラン策定」に言及されていました。
私は、平成21年12月議会一般質問(←クリックするとコラム「幼児教育振興アクションプログラムの策定の進捗確認」)で指摘して以来、提言を重ねてきた政策ですので、期待を込めて平成30年6月議会代表質問において取り上げて、新市長の考えを確認しました。
====本会議場での議論の概要====
平成30年6月議会代表質問
3.教育政策について
(幼児教育の充実)
■質問の背景(田中まさたけ)
所信表明では触れられておりませんでしたが、教育政策に関連して、幼児教育について伺います。
これまで、この本会議場において、西宮市の「子供の育ち」のためのあるべき環境を具現化した「幼児教育振興アクションプログラム」を策定することを提言してまいりました。
しかし、教育委員会は、これを放置し続け、幼児に対してどのような育ちの環境を整備しようとしているのか、全く示してきませんでした。
単なる子育て支援という名のばらまきではなく、西宮の幼児教育の中身を明確化・具現化することにより、本市の子育て環境の魅力を高め、それを示すことが、住みたいまち、子育てしたいまちとして選ばれ続ける一つの方策となると考えます。
■質問1(田中まさたけ)
幼児教育については所信表明では一切触れられておりませんが、市長のホームページでは熱い思いが掲載されております。その思いをどのような形で具現化しようとお考えなのか、幼児教育振興アクションだけグラムを策定することでまずは具現化してはどうかと提言を致しますが、見解をお尋ね致します。
■市長の回答
子供にかかわる施策の中では、現在、待機児童問題や無償化等が大きな話題、課題となっております。
一方、就学前に受ける良質な教育や保育は、みずから学び続ける意欲や能力を養い、その後の人生に肯定的な影響を及ぼすという研究があることから、幼児教育や保育については、量や費用だけでなく、中身についても同様に大切にするべきであるという認識を持っております。
大きな話でありますので、所信表明の段階でまだ具体化できておりませんが、2ヶ月前の選挙の時の思いや考えは変わっておりません。
幼児教育振興プログラムの策定にかかわる御提案をありがとうございました。また、市では幼保小連携推進事業「つながり」など既存の事業がございますが、御提案頂いた内容も踏まえ、議論しながら検討してまいりたいと考えております。
■回答を受けての意見(田中まさたけ)
こちらは、幼児教育振興プログラムという言葉を使いましたが、この質問の通告をした後に、西宮市が発行しています(実物を示す)、先ほど御答弁にもありました「みやっこ「つながり」カリキュラム」を頂きました。これはホームページにも掲載されておりませんでして、正直言って、私は、こういうのがあるというのを知りませんでした。
中を少し拝見させて頂きましたが、非常にいいつくりになっていると感じております。先ほども言いましたが、これが子育て世代にどのように共有されているのかというところが全くわかりませんでした。
せっかくこういったすばらしいものをつくっても、子育て世代の方々と共有できなければ、これはもったいないと私は思っております。
市長もおっしゃっておりましたが、伊丹市で幼児教育振興ビジョンが策定されまして、これもわかりやすく示されています。私は、大分県の幼児教育振興プログラム、これも非常にわかりやすくて好印象でした。これは御紹介にとどめたいと思いますが、西宮市では、どういう幼児教育をこれから、今もですけれども、進めていくかということは、子育て世代にしっかりとPRをして、費用負担のことだけではなくて、中身で勝負をして頂けたらと思います。
先ほど「検討する」という回答もございましたので、是非とも検討して頂きたいと思っていますが、その御答弁の中で、「議論しながら検討したい」というお答えがございました。
■再質問(田中まさたけ)
どのような場で議論をしながら、何の検討をするのか、これを明確にお答え頂きたいと思います。
■再質問に対する市長の回答
何を検討するかについてですね、新たに幼児教育振興プログラムを策定するのか、他の手段によるものかを含めまして、これはすみません、これから慎重かつ迅速に検討していきたいと思っております。
そして、その場について、検討内容によってさまざまな手法が考えられますので、これについても、済みません、今の段階では最適な場を設定したいと考えておりますとだけ申し上げさせて頂きたいと思います。
■意見・要望(田中まさたけ)
これからお考えになるということです。所信表明でもまだ触れられておりませんでしたので、最適な場で検討する、当たり前のことですが、しっかりとそこから検討して頂きまして、今後、具体的に前に進めて頂きたいと思います。
====ここまでが本会議場での議論の概要====
選挙の前に市長のホームページに掲載されていました「就学前教育の基本プラン策定」については、これから考える、つまり、策定の進め方や成果物、使い方については白紙であることが分かりました。
私は、これまで以上に、幼児期の教育は重要な取組みになると考えておりますので、今後も動向を注視し、適宜議論をしてまいりたいと思います。