幼児教育について②ー幼稚園の環境整備

2018年8月25日[カテゴリ:幼児期教育, 質問

 前回コラムに引き続いて、幼児教育についての議論を掲載します。

 幼児教育の充実といっても、内容のことだけでも様々な観点がありますが、その他にも、幼児教育を提供する施設のことや人材確保や研修のことなど様々な面で課題があります。

 そこで、平成30年6月議会代表質問では、具体例として、幼児教育を担う施設である幼稚園の私立と市立で抱えている課題を一つずつ取り上げて、市の対応を確認しました。

====本会議場での議論の概要====

平成30年6月議会代表質問

3.教育政策について
 幼児教育を担っている幼稚園の環境に関する課題につきまして、2点、具体的にお尋ねします。
(私立幼稚園の教員確保)
■質問の背景(田中まさたけ)

 昨今、保育士不足が課題となっておりまして対応されておりますが、近年は、私立幼稚園においても教員の確保に苦慮しているとの情報がございました。待機児童の解消は最重要施策の一つであると市長も述べられ、私立幼稚園の預かり保育も待機児童の解消に一定の役割を果たして頂いている中で、この問題は市としても無視できないと考えます。

■質問(田中まさたけ)
 幼児教育を主に担う幼稚園の具体的な課題として、私立幼稚園の教員不足をどのように認識され、どのようなアクションを考えているのかお尋ね致します。

■市の回答
 私立幼稚園の教員確保が難しくなってきているということにつきましては、かつて市に対してもそういったお声を頂いたこともあり、認識をしているところでございます。まずは現状把握を行った上で、市としてどのような関わり方ができるのかについて検討を行っていきたいと考えております。

(市立幼稚園の空調整備)
■質問の背景(田中まさたけ)

 昨年、某市立幼稚園において、夏場に暑くて鼻血を出す子供が続出したことから、2学期から急遽対応するために、園児の御家族に扇風機を持ち込んで頂いたと伺っております。
 公立幼稚園のあり方にもかかわる問題ですが、少なくとも現在開園している幼稚園においては空調整備が急がれると考えます。

■質問
 幼稚園への空調整備計画についてお尋ね致します。

■教育長の回答
 空調設備の整備につきましては、近年の猛暑が続く夏季の状況に鑑み、教育環境を整えるため、平成18年度から、市立高等学校、中学校及び小学校へと整備し、平成28年度に完了致しました。
 一方、幼稚園につきましては、遊戯室に空調設備を整備していること、主な保育の時間が午前中であること、今後の市立幼稚園のあり方を検討していることなどから、保育室への空調設備については整備を見送っておりました。

 しかしながら、幼稚園では、週に1回から2回程度、教育時間終了後の2時間ほど保育を行う「おむすび広場」事業を平成28年度より3園で試行実施し、順次実施園数を拡大し、今年度中に全ての幼稚園で実施する予定です。

 このようなことから、平成29年度に3園で先行して空調整備を行い、今年度も3園の整備を予定しております。今後、残りの6園についても、財政状況を勘案しながら、保育室への空調設備の整備を進めてまいります。

■意見・要望(田中まさたけ)
 市立幼稚園の空調整備については、必要と判断されたわけですから、3園ずつという中途半端なことではなくて、残りの6園については、今年度中ということも含めて、迅速に設置するよう提案しておきたいと思います。

====ここまでが本会議場での議論の概要====

 私立幼稚園の運営については、民間事業者と私立助成については県の管轄になりますので、今回は、「どのような関わり方ができるか検討」という回答にとどまりましたが、保育所や幼稚園に入園したくても入園できない児童が多数いらっしゃることから、今後も、保育所のみならず、子育て支援施設における担い手不足の対策に、力を入れていかなくてはならないと考えています。

(追記)
 市立幼稚園の保育室への空調設置については、この質問の後、平成30年9月議会で「市立幼稚園における空調設備の早期整備完了を求める決議の件」が可決し、残りの6園についても平成31年度にすべて完了することになり、1年だけですが前倒しされる結果となりました。

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