市立中央体育館の再整備ーするスポーツと観るスポーツ

2018年8月31日[カテゴリ:スポーツ推進, 質問

阪神淡路大震災の時には避難所となり
天皇陛下が被災者のお見舞いにお越しになった西宮市立中央体育館。
この時、すでに築30年が経過していました。

それから24年、
築50年以上が経過し老朽化した
西宮市立中央体育館を含む西宮中央運動公園の再整備計画の検討が
いよいよ最終局面を迎えています。

新体育館の竣工まではまだ時間を要しますが、
この計画が数十年先まで影響を及ぼすことになることから
市議会でも慎重に検討されてきました。

特に、プロバスケットボールチームの
西宮ストークスのホームアリーナ(観るスポーツ)と
市民体育館(するスポーツ)を兼ねるということで、
体育館の機能面よりも規模が争点となっています。

そこで、新市長を迎えて初めての議会となった
平成30年6月議会の代表質問で取り上げました。

=====ここから、本会議で田中まさたけの発言の概要=====

■主張
中央体育館の再整備は、
一刻も早い供用に向けて進める必要があります。
所信表明ではさまざまな御意見を踏まえて進めるとあり、
現在予定されているパブリックコメントを延期されています。

「なぜもっと事業期間を短縮できないのか。」
そうした疑問の御意見もございます。
ホームアリーナとしている西宮ストークスも、
Bリーグが求める施設基準の関係で
しびれを切らすのではないかと不安に思っています。
供用開始がまだ7年も先ということで、
西宮ストークスがホームアリーナとして使用し続ける保証もなく、
また、市民利用についても、
高齢化、人口減少が見込まれる中で
現在のようなニーズがあり続けるのか、
計画策定を進めながらも柔軟に対応する必要がある
と考えます。
これまでも、
中央体育館の観客席数を含め規模について議論がありましたが、
市民にとっては、
するスポーツに加えて見るスポーツを実現するために
規模を大きくしたように映っているのも確かです。

■質問
今後50年にわたるニーズを分析し、現在の基本計画が過剰投資とならないと判断しているのか、また、興行利用による収入をどの程度見込み、それが見込めなくなったときの影響をどのように考えているのか、お尋ねいたします。

■回答
中央体育館、陸上競技場は本市スポーツ施設の中核をなす施設ですが、
現中央体育館の利用予約の競争率が非常に高く、
市民の需要を満たし切れていないと考えます。

例えば2017年度における中央体育館体育室の利用申し込みにおける倍率は、
全体で平均するとおよそ20倍
となっています。

今後のニーズにおいては、
約20年後の西宮市の推計人口はおおよそ45万人と予測され、
人口の減少が緩やかに進むことから、現在と同程度で推移していくものと思われます。

現在の計画における中央体育館については、
メーンアリーナの広さをバスケットボール公式コート3面分とし、
別途サブアリーナを設置するなど施設規模を拡大し、
市民の需要に応えられる施設にしたいと考えております。

これは、現中央体育館に比べてスポーツエリアの面積は約2倍であり、
現在の利用予約における抽せん倍率や施設の稼働率、
また、将来の推計人口から見ても、過剰な規模とは考えていません。

なお、市が計画中の中央体育館の再整備においては、
その収容人数等について、Bリーグホームアリーナ検査要項に定められているB1リーグの基準を考慮する必要がありますが、
現段階での概算整備費用においては、
さきにも述べましたが、
市民の需要に応えるためのスポーツエリアの拡大や、
それに伴う器具庫などの諸室を積み上げた結果であり、
B1リーグの基準を満たしたとしても大きくは変わらないと考えております。
しかしながら、議員が御指摘のとおり、
チーム事情によるホームアリーナ移転の可能性はゼロとは言えないことから、
あらゆる可能性を考えて対応してまいります。

市としては、これまでの各常任委員会で頂戴した御意見や議員御指摘の点も踏まえて、
計画の熟度を高めるために、
6月25日から実施予定であった基本計画素案に対するパブリックコメントの実施を
1カ月程度繰り延べることとしたところです。
現在、中央体育館で行われる興行試合などの営利目的利用については、
西宮市運動施設条例で定められているとおり、
一般利用の3倍の額を施設使用料として徴収しておりますが、
その興行利用による収入は、市の財政に大きく寄与しているわけではありません。
今後、施設完成後の運用を見越して、
新しい体育館の興行利用による収入のあり方について検討してまいります。

■まとめ・要望
中央体育館の再整備につきましては、
規模につきましては、既定の路線ということで理解をいたしました。
しかし、
とにかく行政のやることは、
丁寧であるのと引きかえにして、スピードが非常に遅いです。
民間の動きについていけていないのも現実
だと思います。

ぜひとも新市長の卓越した手腕によって、
スピード感を持って、
早期供用開始に向けて取り組んでいただきたいと思います。

大津市の事例では民間主導で進めるということですけれども、
これは発表されたばかりですが、
もう5年後には供用開始するという計画です。
同じ中核市として、そして、
同じくプロバスケットボールリーグのホームアリーナを持つ市として、
(大津市のように、)PPP(官民連携)の発想を取り入れて
検討すべきであると要望しておきます。

=====ここまでが本会議での発言の概要=====

「利用申し込みにおける倍率が全体で平均するとおよそ20倍」
だから、「スポーツエリアの面積を約2倍にする」

私は、
中央体育館は大会使用や合同練習使用を主目的として、
普段の各競技種目の練習用については、
小学校41校、中学校20校の体育館をもっと開放して有効活用すべき
と主張してきました。

中央体育館の利用登録団体に
スポーツクラブ21か、西宮市体育協会に加盟して頂いて、
どちらかの加盟団体であることを条件に学校体育館を利用できるようにすれば、
中央体育館の規模も、もう少し抑えられたかもしれません。
両団体への加盟サークルが増えれば、
地域コミュニティの活性化にもつながる可能性が増します。
学校体育館を使っていない時間帯は、
平日昼間を含めると非常に多いです。
毎日毎時間、
どこかのクラスが体育館で体育の授業をしているわけがありません

「平日の昼間は学校体育館を使えない」という先入観は捨てて考えるべきです。
そして、
体育館の管理を校長をはじめ学校の先生に任せっぱなしにするのではなく、
指定管理者制度を導入するなど、
体育館の予約やコンディションを管理する仕組みを整備すれば、
さらなる有効利用は可能と考えています。

学校体育館の有効利用についてはこちらをご参照ください。

これがなかなか前に進まないのは、
中央体育館の整備を担当する局と
学校体育館を管理する教育委員会による縦割り行政の弊害
だと考えています。

話がそれましたが、
中央体育館の内容を審議する委員会は、
今年度私が委員長を民生常任委員会となっています。
これまでの議論を踏まえ、適切な結論を出せるよう取り組んで参ります。

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