西宮中央運動公園と外郭団体ー令和3年12月議会一般質問

2022年1月31日[カテゴリ:スポーツ推進, 質問, 防災対策

 今月に入ってから、再び、新型コロナウイルス感染症が急拡大していますが、国の対応が鈍いとの指摘を様々な方から頂いています。
 何のために菅政権下でワクチン接種を急ピッチで進めてきたのか。何のために、恐れながらも新型のワクチンを多くの国民が接種したのか。自治体が必死でその接種体制を整えてきたのか。
 多くの国民、公務員の努力を無駄にしないよう、国には早急な対応を期待します。
 
 フェイスブックでは雑感を投稿していましたので、関連する投稿を掲載します。

====フェイスブックでの投稿より==== 

■1月13日(水)の投稿

保健所の職員の状況ー第4波の検証より


↑以前に掲載しましたコラムです。
緊張感が再び高まってきました。
面談を終え、事務所から帰る際に煌々と電気がついている西宮市第二庁舎を見て感じたことを投稿します。

西宮市では、12歳以上の市民の85%の方が、新型コロナウイルスワクチンの2回接種を終えたにも拘わらず、法律が変わっていないので、PCR検査陽性者が増えると、自治体、特に保健所は大変なままです。

ワクチンを接種しても集団免疫が獲得できるかどうかは分からないことは厚生労働省のホームページに掲載されていました。
ワクチンを接種しても感染予防効果があるかどうかは実証が困難であることや、ファイザー社製で発症予防効果が95%と期待されていましたが、5%は発症もする可能性が残されているということも分かっていました。

でも、いまだに、陽性者数の発表だけが先走って、その方々のワクチン接種の有無や過去の陽性歴はもちろん、症状すら自治体から発表されません。ワクチン未接種の10歳代や10歳未満の子供の症状、状況が分からないのは心配になります。

ワクチン接種者の無症状陽性者が急に判明しはじめているだけなら想定内だと思いますが、その辺のことが分からないのがモヤモヤします。
ワクチン接種後も手洗いや消毒などの感染予防を奨励し、マスク着用や3密を避けることによって他人にうつさない努力をお願いしてきたわけですが、一度収まって、何か忘れられているような気がしています。

■1月25日(月)の投稿
今日は訪問先で、学校での対応について現場の話を聞かせて頂きました。
先日、国がワクチンの普及を踏まえて対応を変えなかったことで、「保健所が大変」という投稿をしましたが、学校の対応も大変だと想像できます。
情報は入っていませんが、おそらく保育所や幼稚園も同様かと思います。

そのお話の中で「ミマモルメ」のことが出てきました。15年前に市民からの情報提供によって市議会で議論をして、10年前から子供の防犯のために導入された「ミマモルメ」に、昨年から「学校と保護者との連絡機能」が加わって、かなり役立っているとのことでした。

市の防犯政策の必要性ー平成18年3月議会一般質問


↑平成18年6月議会で議論した内容を掲載しています。

そして、学校を休まざるを得なくなった子供たちのケアや学習環境の対応については、流行当初の1年半前から想定できていたことであり、市議会でも提案していましたが、株が変異しても取るべき対応は残念ながら変わっていません。

市立学校における感染症対応①-令和2年6月議会一般質問


↑令和2年6月議会一般質問で議論したことを掲載しています。


写真は、先週末に立ち寄って撮影した武庫川の下流です。先日参加したイベントで声をかけてくれた方から環境問題について情報を頂きました。
武庫川の洪水対策として、改修工事が長年行われていますが、防災についても先をみて、気候変動の対応を考えていかなければいけないと感じました。

====ここまでがフェイスブックの投稿====

 前置きが長くなってしまいましたが、今回も、令和3年12月議会一般質問で取り上げました「西宮中央運動公園及び中央体育館・陸上競技場等再整備事業」の延期に関する議論を掲載致します。

====本会議場での議論の概要====

令和3年12月議会一般質問

1.西宮中央運動公園及び中央体育館・陸上競技場等再整備事業について
イ) 西宮スポーツセンターに及ぼす影響
■質問1の背景(田中まさたけ)

 次に、西宮スポーツセンターに及ぼす影響についてお尋ね致します。
 本市の外郭団体である公益財団法人西宮スポーツセンター(以後「スポーツセンター」と呼びます)が、これまで、中央運動公園内のスポーツ施設の指定管理者として非公募で選定されて御活躍頂いてきました。

 指定管理料は、中央体育館分館など併せて非公募で選定された他のスポーツ施設の管理も含めまして、5年間で約6億4,000万円となっています。再整備にあたっては、入札の公平性の観点からPFI事業への参画はできないことになっており、スポーツセンターの事務所の整備も計画されていないことから、中央運動公園の再整備によるスポーツセンターの経営への影響は小さくないと考えております。

 中でも、スポーツセンターが主催する各種教室は、利用者からは高い評価を頂くことが多く、中央運動公園の再整備後も継続できる経営環境が必要であると考えております。また、スポーツセンターは、一時期、民間の方が理事長に就任されておりましたが、令和元年(現市長の就任から約1年後)より再び市のOBが理事長を務め、これまでの市からの受託事業の減少等に対応するために、現在、令和4年度までを計画年度とする中期経営計画を策定され経営改善に取り組まれております。

■質問1(田中まさたけ)
 中央運動公園の再整備事業により、スポーツセンターの移転先やスポーツ教室などの自主事業、そして、再整備後の施設への関与など、どのような影響が見込まれていたのか、また、今回の見直し検討によってどのような影響が生じるとお考えなのか、お尋ね致します。

■質問1に対する市の回答
 再整備事業が西宮スポーツセンターに及ぼす影響のうち、本事業による影響についてお答え致します。
 本事業が西宮スポーツセンターの移転や再整備後のスポーツ施設への関与など、西宮スポーツセンターの経営に与える影響は少なくないものと考えております。
 特に西宮スポーツセンターが所有している建物の敷地は市への返還が必要となり、当該建物内には事務所機能もあることから、移転先の確保が課題となっており、再整備事業のスケジュールを勘案しながら、西宮スポーツセンターと市の間で今後協議を進めてまいります。
 
 西宮スポーツセンターは、地域スポーツの振興と体育の向上、活力ある地域の発展に寄与することなどを目的に設立された公益財団法人であり、その活動は本市のスポーツ行政にとって重要な位置を占めております。再整備後のスポーツ施設においても、市民スポーツの振興を図るための事業が引き続き実施されるよう検討を進めてまいります。

■質問2の背景(田中まさたけ)

 また、資料にも示しましたが、中央運動公園内のスポーツ施設の指定管理の契約は令和5年3月31日までとなっています。
 一方で、現在の基本計画では新体育館の竣工予定が令和6年1月でしたので、契約期間の延長をお願いせざるを得ない状況であったのかもしれません。しかし、事業が延期されたことにより、竣工は最も早くても令和8年以降になることが見込まれまして、次の契約から3年以上の契約期間が確保されることになります。

■質問2(田中まさたけ)
 中央運動公園内のスポーツ施設の指定管理者の次回の選定については、非公募ではなく、公募により行うことが可能と考えますが、市長の見解をお尋ね致します。

■質問2に対する市長の回答
 中央運動公園のスポーツ施設の指定管理者の選定について私からお答えをいたします。
 中央体育館など中央運動公園のスポーツ施設の指定管理期間は5年間としておりますが、令和5年度から始まる次期指定管理期間内に、現中央体育館の供用を停止し、解体する可能性がございます。現在、市の外郭団体である西宮スポーツセンターは、市と緊密に連携しながらスポーツ行政の補完的役割を担っている重要な存在であり、市民スポーツの育成や生涯スポーツの発展のために、西宮スポーツセンターが有するノウハウ、実績、人材を活用する場を一定程度確保することは市の責任で行うものと考えております。
 指定管理者の次期選定においては、こうした西宮スポーツセンターの果たす役割も念頭に置きながら、スポーツ施設の在り方について検討を進めてまいります。

■意見・要望(田中まさたけ)
 次の契約改定時の指定管理者の選定における公募・非公募につきましては、市長から明言は避けられたと思っております。今の段階で決まっていないのかもしれませんが、私も少し邪推かなという気はしますが、再整備事業の先送りによって時間を稼ぎたいのではないかという疑念を払拭できなかったとも感じております。

 壇上でも述べましたとおり、スポーツセンターの役割は私も理解しているつもりです。大変高い評価を頂いている、私のところにもそういう感想等も頂いたりもすることがございます。そしてまた、このスポーツセンターは、昔と比較すると随分改革されたのではないかとも感じております。

 ですので、まさか市職員の天下り先を一つでも確保しておきたい、そんな思いは恐らくないとは思いますが、そういったことのないように、しっかりと改革を促して頂きたいと思います。
 市が引き続き非公募で選定するということになりましたら、先ほどの邪推というものも、やっぱりそういうことかということにもなりかねませんし、今、市長自ら答えて頂きましたが、せっかく自立しようとしている外郭団体の経営改革に水を差す結果にもなります。
 また、(施設の再整備の単なる先延ばしは、)公共施設マネジメントをゆがめるような判断にもなりますので、そういった判断は慎んで頂きたいと強く指摘しておきたいと思います。

 そもそもですけども、(およそ1年後に実施される契約改定時に、)中央運動公園内のスポーツ施設の管理を公募で行っても、必ずしもスポーツセンターが負けるとは私は思っていません。先ほど御答弁でも、様々なリスクと言いますか、状況が変化することも踏まえますと、仮に公募で行ったとしてもスポーツセンターが妥当という可能性は十分あるとも思っております。
 次の契約期間は、もともとの計画では残り1年もなかったわけですが、今の時点で最低3年は確保できます。何も契約期間が5年でないといけないという決まりもないと思っていますので、是非とも公募で選定をする前提で今後の検討を進めて頂きたいと思います。

====ここまでが本会議場での議論の概要====

 「天下り先を守るがゆえに中央運動公園の再整備事業を先延ばしにした」というような疑念を頂かれるようでは、経営改革を進めている西宮スポーツセンターもいい迷惑だと思います。しかし、今回の市長の回答では、再整備事業を先延ばしする期間の分だけ、現市長就任後に再び市職員OBが理事長を務める外郭団体にとっては現状維持が可能ともとれ、今回の一般質問では、残念ながら完全に疑念を払しょくするには至りませんでした。

 また、市長が、市の外郭団体である西宮スポーツセンターについては「市民スポーツの育成や生涯スポーツの発展のために、西宮スポーツセンターが有するノウハウ、実、人材を活用する場を一定程度確保することは市の責任で行うもの」と力説する一方で、市が昨年から使用料を値上げをしておきながら、その使用料を負担して市民が利用する中央体育館の老朽化対策を先延ばしにする考えに違和感を抱かざるを得ません。

 中央運動公園についても「市民スポーツの育成や生涯スポーツの発展のために、計画に則って再整備することは市の責任で行うもの」と認識してもらいたいものです。

 現段階では、市長は住民の利便性の向上より公務員の都合を優先していると評価せざるを得ません。

 来月から始まる3月議会は現市長の1期目の最後の議会となります。直ちに方針を変えて頂き、令和4年度より直ちに再整備事業を再開する旨を示してもらえることを願っています。

記事一覧