西宮浜での小中一貫校の設置

2018年8月18日[カテゴリ:学校教育, 質問

「学校教育法等の一部を改正する法律(平成27年法律第46号)」が
平成28年4月1日から施行され、
学校教育制度の多様化及び弾力化を推進するため、
「小中一貫教育を実施することを目的とする義務教育学校」を
設置できることになりました。

今年度に入り、
西宮市議会でも「小中一貫校」の設置について、
議論が本格化しています。
具体的に検討されているのは、
新しい場所に校舎を建設するというものではなく、
西宮浜小学校と西宮浜中学校を小中一貫校にするという内容です。

それぞれの児童生徒数は、
小学校では平成20年度の26学級、
中学校では平成26年度の12学級をピークとして、
年々減少し、平成30年度には小学校の児童数が321人となり、
市内で最も小規模な小学校となりました。
さらに、
小学校では、平成33年度には二つの学年で、
平成35年度には五つの学年で、
単学級になると見込まれています。

そこで、
新市長の所信表明でも小中一貫校の設置について述べられたことから、
私は、平成30年6月議会代表質問において取り上げ、
市の見解を問いました。

=====ここから、本会議場での田中正剛の発言の概要=====

平成33年度から単学級となる学年が発生する見込みであったことから、
市長が就任する前より一貫校の開設に向けて準備をされていたことがわかりました。
まさに市長も御存じだったのか、
選挙の際に掲げられた政策とも合致する動きだったのかと推測しております。

■質問1
市長が目指す小中一貫による魅力ある学校
とは具体的にどのような魅力がつくれるとお考えなのか、お尋ねをいたします。

■教育長より回答1
小中一貫校の導入により、
義務教育9年間の子供たちの育ちを見据えた教育課程の作成が可能となり、
より魅力ある学校づくりを展開することができるようになります。
例えば教科等の学習では、
小・中教員の乗り入れ授業により、特に英語教育での効果が期待されます。
縦割り活動や異学年交流によって上級生が下級生の面倒を見ることで、
責任感の醸成や自己肯定感の高まりが期待されるとともに、
全国的にも課題とされる中1ギャップの解消にも効果的であるというデータもあります。
そのほか、海に囲まれた立地を生かし、
ヨットハーバーや西宮市貝類館を活用した西宮浜独自の教育活動の実施など、
さまざまな教育内容の展開を想定した魅力ある学校づくりを目指したいと考えております。

■質問2
今回の西宮浜小・中学校での取り組みについて、所信表明では、他の地域においても展開することを目指すとありましたが、具体的にはどのようなことなのか、お尋ねいたします。

■回答
今回の西宮浜での取り組みのポイントは、
保護者や地域住民ともしっかり協議を重ね、
進めようとしているところです。
今後、他の地域において
それぞれの地域課題の解決や魅力ある学校づくりを検討する
際、
今回の西宮浜での地域力を生かした取り組みが参考となるよう取り組んでまいります。

■質問3
公教育における公平性に配慮する必要があると考えます。小中一貫校を開校するにあたっては、希望する子供が校区外から通学が可能となるよう制度を構築すべきと考えますが、見解をお尋ねいたします。

■回答
西宮浜の小中一貫校では、
西宮浜地域のみならず、他の地域からもぜひ通わせたいと思っていただけるような
魅力的な学校づくりを目指しています。
議員御指摘のとおり、校区外からの就学により、
児童生徒が増員できると適正規模の学校になることが可能だと考えております。

本日いただいた御提案を踏まえ、
校区外からの就学が可能となる制度設計についても、
学校や保護者、地域住民等により構成された
西宮浜小中一貫校設置準備委員会の中で検討してまいります。

■要望
現場では相当厳しい判断を迫られる状況にあると理解いたしました。
西宮市の小中一貫校のモデルとなるような魅力ある学校づくりに向けて、
ぜひとも校区外からの通学を可能とする制度の構築も含めまして
準備を進めていただきたい
と思います。

=====ここまでが本会議場での発言の概要=====

小中一貫校の魅力はいまいち伝わってきませんでした。
他の通学区域からも選ばれるような学校づくりを進めるためには、
もっと具体的に魅力を伝える必要があります。

不登校の防止をはじめとする中1ギャップの解消に加えて
9年間の義務教育期間を通じて、
・英語教育や世界の文化に関する教育に早期から取組み、グローバル人材を育てる。
・周辺の産業団地内の企業と連携してキャリア教育を強化する。
・部活動を運動部も文化部も早期から取り組むことで上達できる環境を整備する。

等々、具体的な特徴とそれを実践するためのカリキュラムを示す必要があります。

今後も、
設置の方向性や魅力の向上など小中一貫学校のあり方について、
議論を深めなければなりません。

■目標
市内公立学校における基礎学力・体力の向上のための取組みの充実

■講じるべき手段の一つとして
文教住宅都市の魅力を高める小中一貫校の設置
小中一貫校のあり方と今後の方向性、魅力の明確化

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