外部人材の登用ー平成30年6月議会代表質問

2018年7月30日[カテゴリ:市役所改革, 質問

 平成30年6月議会代表質問で取り上げました「公金に対する考え方について」の2点目について、以前のコラム(←クリックするとコラム「市長の処遇」が開きます。)に続いて掲載します。

====本会議場での議論の概要====

平成30年6月議会代表質問

2.公金に対する考え方について
■質問の背景(田中まさたけ)
 続いて、全く違う話のようで根底でつながっている外部人材の登用についてお尋ねいたします。
 
 今定例会の補正予算では、市長公約の実現に向け、専門家から各種施策を横断的に推進するための助言・支援を受ける際に要する謝金を計上するとして、日当・諸経費15万円の専門家を毎月2名呼ぶことを企図しています。

 もちろん市が外部識者の視点を取り入れ、助言を受けることは時として有効です。具体的な市の事業や調査分析に専門家の手をかりることはあるでしょう。

 しかし、今回の事業は、何に対し、何の専門家を呼び、どのような具体的成果を求めるのか、事業の目的が不明確です。
 
 しかも、情報によると、御自身の選挙マニフェスト作成に携わった会社の方や個人的な知り合いを登用したいとのこと。市長も、新聞紙上で自分のネットワークを活用したいと述べられています。

 市長個人にとってこれらの方々が有益であったのかもしれませんが、それが同じく本市に価値をもたらすというエビデンスは全く示されていないわけです。

 報償費は、市長の政務活動費ではありません。

 個人的にお世話になった人を有償で招くという行為は、利益供与とみなされるおそれがあります。

 友人、知人の登用くらいは好きにさせておけばいい、そういう御意見もあるようですけれども、一事が万事という言葉もございます。市長は、個人のやりたいことを好きにやっていい存在なのか、これからの4年間のために、このことについて今しっかりと議論しておくことこそが肝心だと考えます。

■質問(田中まさたけ)
このたびの外部人材は、何の事業に対し、どのような場面で専門家を活用しようとされているのか。講演会なのか、事例の紹介だけなのか、登用する専門家はどのような基準で決めるのか、個人的ネットワークとしてこれを呼ぶことは利益供与に当たる可能性もあると考えますが、これをどう考えているのかなど、この事業の詳細をお答えください。なお、この期に及んで、呼ぶ対象は決めていない、公募や庁内議論を経て決めるといった白々しい答弁はなしでお願いいたします。正直に、まさにオープンにしていただきたいと思います。

■市長の答弁
 外部人材の活用に関する御質問にお答えをいたします。
 先般の所信表明でも申し上げましたが、市役所の職員が仕事に取り組む姿勢は、他の自治体の事例を調査研究するなど、真面目に取り組まれていると感じてはおりますが、外部の視点が効果的に入ってきているようには見受けられませんでした。そこで、他の自治体において進められてきたさまざまな改革を外部の有識者の力もおかりして検証し、本市に必要なものは積極的に取り入れていくことで市役所の改革を進め、市民サービスの向上に努めたいと考えております。

 また、外部の専門家につきましては、市政は多岐にわたることから、本市の課題解決のために必要な人材をその時々に招聘したいと考えております。他の自治体で実績のあるさまざまな分野を想定しておりますが、私と面識のない方も含め、広くお呼びしたいと思っております。

■意見・要望(田中まさたけ)
 外部人材・専門家の活用についてですけれども、その根底にある公人としての考え方は看過できません。

 御答弁では、消極的表現ながら、御自身の知り合いを呼ぶ意図があると認められました。この事業は、本来、課題解決のために、まずは市内部の知恵を集め、既に実績のある有識者の方々にも協力を仰ぎ、それでもなお残る課題、行き当たった壁を突破するために必要なのであれば、対象や目的、その狙いを明確にして招聘すべき専門家を選考していくべきものです。
今のままなら、選挙でお世話になった知り合いの建設会社は大変いい技術を持っているので随意契約で市の仕事をしてもらおうというお話と余り変わらなくなります。

 税金を意味あることに使うという思いは市長にもあるとは思いますけれども、その意味を共有しようという過程が雑過ぎます。ぜひ再考をお願いしたいと思います。

====ここまでが本会議場での議論の概要====

 新市長はまだ、選挙でご自身に委ねられた権限の重みを自覚されていないと推察されます。
 公金を使って自らの関係者への利益誘導を図るようなことはもってのほかです。

 市議会での具体的な対応については、次のコラム以降に掲載します。