平成30年9月議会
認定第19号平成29年度西宮市病院事業会計決算認定の件に関する質疑を通じて、
市立中央病院が県立西宮病院と統合するにあたって、
整理しなければならない事項を明らかにしなければならないと考えました。
まず、1点目は、借金の清算についてです。
市立中央病院には、多額の借金があります。
これを清算しなければ、統合してもらえるはずがありません。
市立中央病院の借金の現状と今後の取り扱いについて問いました。
======本会議場での発言概要=========
西宮市立中央病院と県立西宮病院の統合につきましては、
今定例会の一般質問でも議論されたところではございますが、
そこで議論された内容以外に、決算に関連致しまして、
端的に4点、お尋ね致します。(掲載は4つに分けます。)
■質問1
平成29年度末の時点での借入金の残高はどのようになっているのか。
これは、長期のもの、短期のもの、それぞれに分けてお答えください。
あわせて、この借入金の増減の傾向、近年の推移もお尋ね致します。
また、統合する場合、これら借入金の取り扱いは、
新病院へ引き継がれるのか、それとも清算することになるのか、
清算が必要な場合は、
本市財政への影響はどの程度になると見込んでおられるのかお尋ね致します。
■市の回答
まず、借入金の現在高と近年の傾向並びに
病院統合の際の取り扱いについてお答えします。
借入金の平成29年度末残高ですが、
企業債(民間銀行からの借金)については31億5,342万9,329円、
他会計借入金(市からの借金)については34億4,126万4,319円、
(市からの)一時借入金については1億9,000万円となっております。
近年の傾向につきましては、
企業債については、
単独移転から病院統合へ転換した平成26年度以降、
それまで控えていた医療機器の購入や設備工事など大規模改修について、
統合までの間に必要と思われる範囲内で実施したことから、
近年、増加の傾向でありましたが、
29年度をもっておおむね終了するため、
今後は減少していくと考えております。
他会計借入金につきましては、
平成26年度と28年度に、資金不足を解消するため、
それぞれ5億円の借り入れを一般会計から受けており、
それ以前に比べまして大幅に増加しております。
一時借入金につきましては、
年度末の支払いについての資金を確保するために
一時的に借り入れたものでございますが、30年度に入り返済しております。
統合する場合のこれらの借入金の取り扱いですが、
企業債については、
償還が残っている場合はその残額を繰り上げて償還する必要がございます。
現在の企業債の残高である約31億円につきましては
平成34年度までにその大部分を償還する予定になっておりまして、
問題はないと考えておりますが、
今後企業債を活用する場合には、
病院統合の時期によりましては繰り上げ償還の可能性もありますことから、
十分検討する必要があると考えております。
なお、
償還が残っている当該医療機器等を統合新病院に引き継ぐ場合には、
企業債の未償還分も引き継ぐこととなります。
一般会計からの借入金である他会計借入金につきましては、
統合新病院に引き継がないこととしており、
統合により中央病院が閉院致しますと、
償還計画が実行できなくなります。
他会計借入金の取り扱いにつきましては、
他病院の統合事例を参考に、今後検討してまいります。
======ここまでが本会議場での議論の概要=======
県立病院と統合するにあたり、
診療は引き継がれても、
借金が引き継がれることはないことが明らかになりました。
つまり、統合後、
市立中央病院を廃院するとなると、
現在の借金の清算が必要となります。
現在の中央病院の赤字続きの経営状況を鑑みると、
市からの赤字補填のための借金が増えることは考えられても
これまでの借金が返済されることはほぼ不可能な状態です。
民間銀行からの借金である企業債は、
債権放棄して頂けるわけがありませんから、
統合までに返済しなければなりません。
そして、大半も市からの繰入金でまかなわれています。
そのような状態ですので、
市が借金を返してもらうことは完全に諦めることを前提にして
統合計画を進めなければならないということになります。