保育所入所選定における第2子以降の優先枠の拡大ー平成30年12月議会一般質問②

2019年2月18日[カテゴリ:子育て・教育, 質問

待機児童の解消の見込みが立たない間にも、
少子化は進行しています。

第2子以降の子供育てる意欲のある子育て世帯がいてくれている間に、
西宮市は、少子化対策を強化する必要があると考えています。

国がいくら「少子化を食い止める!」と謳っても
地方行政がその気にならないと、少子化に歯止めがかかることはありません。

ですので、西宮方式を考え、全国に波及するような取り組みができれば、
「子育てするなら西宮」を売り出すことができ、
しいては、「西宮に住みたい!西宮に住んでよかった!」
と思ってもらえる人を増やすことができ、
人口減少も抑制できると考え、少子化対策を重視してきました。

国会議員も、この状態を他人事と捉えず、受け止めてもらいたいものです。
国が進めようとする政策も、担い手がいなくなっては元も子もないのですから。

子育て世代でない、保育所とは関係のない市民の皆さんにとっては、
細かいことのように思われるかもしれませんが、
今の時代、保育所行政は重要なカギを握っており、
今後の国の行方を左右する重大な問題だと受け止めて欲しいです。

平成30年12月議会の一般質問では、平成27年12月議会(←クリックするとコラム「保育所における兄弟枠の設定」が開きますのでご覧ください。)に引き続いて、そのような思いで、議論しました。

前回コラムの続きです。

=====ここからが、本会議場での発言の概要=====
■主張
私は、平成27年12月議会で、
保育行政に少子化対策の観点が欠けているということを指摘致しましたが、
現在の保留児童のうち保育所に現在通園している兄や姉のいる児童が、
表1のとおり、241名となっており、
この状態を放置していると、
ますます少子化に拍車がかかると懸念しております。

現在は、保育所の入所選定の際に、
保育の必要性の度合いをはかる利用調整指数を算出しまして、
この点数の高い方から順に入所できることになっております。
この利用調整指数の中には、
兄や姉が通う保育所を希望した場合の加点はあるものの、
その選考から漏れて他の保育所での調整となった場合は、加点されません。
そして、地域によって、
入所決定者の利用調整指数の最低点に大きく隔たりがあり、
待機児童の多い地域では、
第2子、第3子の児童が保留児童となる可能性が高くなっている
という状況にございます。

■質問
2人目以降の保育所入所に対する保護者の不安を軽減する観点から、
利用調整指数の兄弟加算を第2希望以降にも拡大し、適用するべきと考えますが、
市の見解をお尋ねいたします。

■回答
まず、保育所入所利用調整時における兄弟加算の拡大適用についての市の見解ですが、
兄弟加点を第2希望以降の保育所、つまり既に1人目が入所している保育所以外にも拡大適用することは、
2人以上の子供を持つ保護者の子育てへの負担軽減につながる効果があるものと考えます。

しかしながら、利用調整の優先事由は、
ひとり親、DV等の要支援家庭など、さまざまなケースがございます。
既に、兄弟と同じ保育所の利用を希望される場合や、
兄弟同時申し込みで同じ保育所利用を希望される場合に一定の加点がある上に、
同じ点数の保護者の間では、
兄弟が市内認可保育所を利用している場合及び申込児童に兄弟がいる場合に優先することとなっているため、
現時点では、限られた入所枠の中でこれ以上の兄弟優遇加点を行うことは困難な状況です。

今後は、待機児童が一定解消されましたら、
優先理由に対する考え方について、
少子化対策の観点も考慮に入れつつ見直しを行うことを検討
してまいります。

=====ここまでが、本会議場での======
待機児童解消の見込みに関する質問に対する回答と合わせて考えますと
少子化対策という観点から言うとゼロ回答です。

できない理由をそれらしく作るのは、本当にお役所仕事そのものです。

回答では、
同じ点数の保護者の間では、
兄弟が市内認可保育所を利用している場合及び申込児童に兄弟がいる場合に優先することとなっているため」
とありましたが、
点数の加算はなく、「同じ点数の保護者間では、」というのがミソで、
この優先項目があったから入所できた児童はどれぐらいいるのかも示されません。

そして、何より、
「だったらどうするの?」
「そのまま放置していていいの?」
の回答がいつもないのです。

「仕方がない」で済ますから、
市長を含めて公務員のやることが
「お役所仕事」、「他人事」と言われるのです。

しかも、よくよく考えてもみてください。
兄弟枠を設けたり、
兄弟加算を第2希望以降にも適用することによって、
「ひとり親やDV等の要支援家庭」が本当に入れなくなるのかも説明がありません。
なんとなく、その恐れがあるようなことを匂わせて、私たち議員に主張することを躊躇させるのですが、
数字が示されていないので、市の答弁が本当かどうかも分かりません。

さらに突っ込んだ議論が必要ですが、
それは、次回の一般質問以降にお預けです。

さらに、3つ目の論点(さらなる待機児童解消の代替策)は、
次回のコラムに掲載します。

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