1期目の任期が始まってから2年が経過、
任期の折り返し地点です。
「負の遺産の清算」を選挙の時に掲げた私が、
一番初めに清算しなければならないと考えた負の遺産は、
「財政難」という状態でした。
財政改革、
特に、経費削減を主な内容とする行財政改善の取組みは、
「今」の人たちからは、時には恨まれることもあります。
しかし、
理解を示して賛同してくれる方々に支えられ、
私は活動できていることも実感しています。
そして、
そうした将来のことを考慮してくれている方々の想いは、
きっと将来世代にも届くと信じて、議会で財政改革の必要性を訴えています。
ここで、初当選した直後に行った
平成15年6月議会での一般質問の議論をご紹介します。
私にとりましてデビュー戦でした。
ありがたいことに、
新人の私に貴重な75分の質問の機会をいただき、
さらに先輩から35分も時間を分けて頂いて合計110分の持ち時間となり、
激しい緊張の中、かなり余裕をもって発言することができました。
=======ここからが、本会議場での議論の概要=======
1.財政難の克服について
ア)新たな行財政改善計画
(新たな行財政改善の取組みなのか)
現在の市議会で最年少議員ではありますが、
市民の皆様からいただいた任期の間、
力いっぱい頑張ってまいりますので宜しくお願いいたします。
■主張
長引く不況…、
よく使われる言葉ですが、
もはや不況ではなく「これが普通の状態」とも言えるほど続いております。
現在、
全国の地方公共団体の多くが財政難の状況に追い込まれている中、
本市も例外なく財政難の状況が続いています。
先代の努力によって豊かな社会となり、
私もこれまでそれを享受してきた一人であり、
感謝を忘れてはいけないと思っています。
そして、
時代の変化とともに新たに必要となっている市民サービスや、
負の遺産とも言うべき解消すべき行政課題が山積みになっていると私は感じています。
そして、
本市は未曾有の被害をもたらした阪神大震災の影響で
財政を初め、様々な問題点が噴出している時期であります。
また、
新たに要求されている行政ニーズに対応できていない理由が
財政難であることが多いのが現状です。
ですので、
効率的な事務事業体制を築き、
スリムな行政を実現することにより、
義務的(固定)経費を削減することに加えて、
単に人口増による増収を期待するのではなく
積極的な産業振興など効果的な施策の展開を図り、
収入を増やさなければ、現状を改善できないことは明白です。
これまで議会からの求めもあり、
固定経費の削減には取り組んできました。
そして、
本年は第2次行財政改善実施計画の最終年度であり、
着実に計画を遂行してきたものの
財政難の状況を脱したとはとても言えません。
つまり、
第2次行財政改善計画の取り組みでは
正常化できないほど財政は厳しい状態であるということです。
ですので、
5年前に計画された第3次西宮市総合計画や
他の個別計画に束縛されて難しい部分もあるかとは思うのですが、
第2次行財政改善実施計画が終了した後も、
さらに厳しい歳出抑制策と
効率的、戦略的に収入増を図る施策を盛り込んだ計画を立て取り組む必要があります。
■質問
第2次行財政改善実施計画では(財政状況を)改善し切れなかった反省点を踏まえて、
第2次に次ぐ新しい具体的な中期計画を策定する必要があると思いますが
その予定はあるのでしょうか。
あるとすれば、それはいつから検討を始め、
いつまでに概要を示していただけるのか。
そして、
それは今まで取り組んできたスタンスで検討していく考えなのか、
そうではないのか、
どのような観点で策定するのかお答えください。
また、
試算とはいえ、昨年の12月に財政課が計算した財政収支試算表によると
平成16年度から平成20年度までの財源不足累計額が約272億円となっていますが、
これをどう対処していくお考えなのかもお答えください。
■市の回答
第2次行財政改善実施計画は平成15年度の最終年度を迎えています。
(これまでの)5カ年の計画では、
職員数の抑制や職員給与の普通昇給期間の延伸、
特殊勤務手当等の廃止など総人件費を抑制してきています。
職員数については私が市長に就任した当時、
正規職員数は4,102人でしたが、本年4月1日現在3,831人となり
271人の減員を行っています。
また、
内部管理経費の節減、事務事業の見直しや受益者負担の適正化など、
歳入歳出全般にかかわる取り組みを進めてきました。
この結果、
平成15年度までの5カ年間で、
計画額207億円に対して260億円の効果額を生み出せる見込みとなっています。
しかしながら、
長引く景気の低迷などから依然厳しい財政状況が続いています。
平成20年度までの財政収支試算では
272億円の財源不足が予測されています。
このような状況のもとで、
第3次総合計画の計画期間に対応した
平成16年度から平成20年度までの5ヶ年を対象とした
新たな行政経営改革の計画を本年度策定してまいります。
こうした新たな行政経営改革の推進とともに、
毎年度の実施計画でのさらなる事業の見直しを行い
対処してまいりたい と考えています。
======ここまでが、本会議場での議論の概要=======
これまで5年間の行財政改善の取組みで
累計約260億円の財政改善効果をあげながら、
さらに今後5年間でその効果額を上回る
約272億円の財源が不足するという状態は、
普通の感覚で言えば、異常な財政危機と認識するはずです。
しかし。。。
市の回答にある
財政不足の対応としての「毎年度の実施計画での見直し」とは、
「通常の取組み」のことを指します。
つまり、この時点では、
第2次に次ぐ第3次の行財政改善の取組みの予定はなかったことが
明らかになったわけです。
そして、
この項目でもう一つ質問した「新たな行政経営改革計画」によって、
財源不足が解消されるのかどうかについても、明らかにされませんでした。
財源不足を解消するための方策が検討されておらず、
財源不足を解消できるめどすら立てていなかったことが明らかになったわけです。
そしてその後、
新たな行政経営改革と並行して
行財政改善の取組みが必要であることを主張し、
本年、平成17年2月に、
「西宮市第3次行財政改善実施計画」が発表されました。