子育てひろばー令和元年12月議会一般質問

2020年6月18日[カテゴリ:子育て・教育, 質問

今週金曜日、6月19日より6月定例議会が始まります。
6月議会では、私は一般質問をする予定になっており、準備を進めています。
月曜日に順序抽選が行われ、一般質問の初日、6月26日(金)の15時から59分間と決定しました。

さて、
今回のコラムの内容は、昨年12月の市議会一般質問で取り上げました「地域子育て支援拠点事業」について掲載します。西宮市では「子育てひろば」と呼んでいます。乳幼児とその保護者が利用できる遊び場で、現在、21ヶ所で実施されています。

新型コロナウイルス感染症の影響で、子育てひろばも閉鎖されていましたが、感染予防対策を講じつつ6月1日より再開されています。具体的な感染予防対策は、市もしくは指定管理者が運営している9ヶ所では統一して、市からの補助金を受けて開設して頂いている12ヶ所については、それぞれ独自の対応をしていただいています。
市もしくは指定管理者が運営している9ヶ所では、3部制にして、間の10分間で消毒作業を行っています。普段は設定されていない定員も設定して、密集を避ける対策がなされています。今のところ、保護者同士の協力もあり、市が運営しているひろばでは、お越しになった親子をお断りしたケースはないと聞いています。


15日(月)に様子を見に現場に行きましたが、3密を防ぐ対策をしている中で、中に入るかどうか悩んでいたのですが、偶然、外においてあるベビーカーを整理していた職員さんから、話を伺うことができました。
この日から、保育所が通常保育となったこともあり、利用者は減少したそうです。

利用を考えている方が不安を抱かないよう、民間のひろばでは、予約制を導入しているところや利用状況をSNSでリアルタイムに情報提供しているひろばもあります。


こちらは入場制限中でしたので、写真を撮らせてもらって帰ってきました。

そして、この「子育てひろば」の今後の方針については、「第2期子ども・子育て支援事業計画(素案)」で計画が示されており、この計画素案に対する市民意見提出手続き(パブリックコメント)が、感染が拡大する直前である令和元年12月から今年の1月15日までの約1ヶ月間実施されていました。なお、感染症がまん延している状態は想定されていません。

「パブリックコメント」と言われても、施設を利用する若い保護者の方にとってはなじみがないでしょう。また、利用者目線でのアンケートは各施設で実施されているでしょうから、現在開設されている各施設での改善点はそのアンケートで把握できると思います。ただし、そのアンケート結果は公表されていませんし、こうした計画に反映されているのか、私たちにははっきりとは分かりません。

また、「第2期子ども・子育て支援事業計画(素案)」という文字を見ても、その中に、「子育てひろば」の内容が掲載されていることを意識して、読まれる方がどれぐらいいらっしゃるのか、あまり想像がつきません。

このパブリックコメントの結果は、3月の定例議会での教育こども常任委員会で報告されました。

意見の提出件数は45件、26名の方から提出があり、意見の内容は保育所に関するものが多く、21件でした。
そして、子育てひろばに関する意見は0でした。
西宮市の有権者数は約39万8000人ですが、市の周知方法も杓子定規で、どこまで情報が行き渡っているのか甚だ疑問です。
なお、提出された意見のうち、計画の修正につながったのは10件で、修正される確率としては比較的高い方だと感じています。

私は14年前(←クリックするとその時の議論をご覧頂けます。)に、乳幼児の保護者と子供が室内で遊ぶことができるスペースの増設を求めて、市議会の一般質問で取り上げました。その必要性を市にも認めていただき、これまで約10年をかけて、9ヶ所であったところを21ヶ所までに拡充して頂きました。

保護者にとっても、保護者同士の交流による情報交換が可能になり、孤立を防げるという効果も当然ありますが、私は、子供の育ちの観点からも、乳幼児期に親とだけで過ごすのではなく、他の子供との交流や遊びを通じた様々な体験が、その後の子供の育ち、特に社会性を身に付けていくという点で大きな影響を及ぼすことを実感してきました。
学術的なエビデンスがあるのか、まだわからないのですが、経験上そのように感じています。

これまでは、中学校区に1ヶ所(20ヶ所)の設置という目標を計画に掲げて進めてきて、平成30年にその目標を達成しました。ベビーカーを押しての移動を考慮すると、私は、小学校区に1ヶ所くらいは必要なのではないかと、平成24年の一般質問の際にも主張していましたが、この主張はまだ受け入れられていません。

昨年の12月議会で改めて、子育てひろばの今後について議論しましたので、掲載致します。

=======ここからが本会議場での議論の概要=======

令和元年12月議会一般質問

1.子供の育ちに対する支援について
ア)子育て支援事業
■質問の背景
資料図1のとおり(←クリックするとPDFが開きます。)、子供が徐々に減少する中で、昼間に保育所等で過ごす子供がこの10年間で約1.5倍に増加しまして、全体に占める割合は、10年前は幼稚園等が保育所等の約2倍でしたが、現在は30%程度でほぼ同じ割合となっております。

そして、現在も在家庭等の子供の割合がやや多く、図2のとおり(←クリックしてご覧ください。)、特にゼロ歳から2歳の間は、今でも保育所等に入園せずに過ごす子供が多くなっております。
 
私は、これまでに、児童館の地域偏在を指摘しまして、屋内での親子の居場所づくりの拡充を求めてまいりました。

14年前になりますが、平成17年に一般質問をした際には、遊具などの利用ができて、一定の広さのある施設としては、児童館・児童センター8ヶ所と子育て総合センターのみでしたが、その後、子育てひろば事業が始まりまして、平成24年の一般質問の時点で14ヶ所に拡充をされ、現在は21ヶ所で子育てひろばを実施していただいております。

そして、利用状況としては、平成30年度は延べ約18万人の親子が利用され、1日当たりの平均利用者は、多いところで、親子合わせて120人、平均すると1日1ヶ所当たり、親子合わせて約40人が利用していると伺っております。

これは、子供の遊びの機会を提供するとともに、保護者同士の情報交換や行政からの情報提供の場としても非常に有意義な取り組みであると感じておりまして、今後も一層よりよい環境へと発展させていただけることを願っております。

■質問
私は、以前の一般質問(←クリックするとご覧頂けます。)におきまして、就学前児童を対象とした児童館機能を持たせた遊び場をおおむね小学校区に1ヶ所程度を目標として設置するよう提案いたしましたが、子育てひろばの今後の方針をお尋ねいたします。

■市の回答
子育てひろばの設置につきましては、第1期子ども・子育て支援事業計画に基づき、令和元年度中までに20ヶ所の整備を目標に取り組んでまいりました。令和元年10月には香櫨園子育てひろばを整備し、12月現在で計21ヶ所となり、第1期の数値目標は達成いたしました。

令和2年度から6年度の5年間の目標値を定める第2期子ども・子育て支援事業計画の策定に当たり、ニーズの把握のためアンケートを実施したところ、子育てひろばまでの距離が15分以内であれば6割以上の方は負担に感じないという結果となりました。
そこで、第2期子ども・子育て支援事業計画では、既存の子育てひろばから徒歩約15分、半径1キロの範囲でカバーができていない空白地域を埋めるため、1ヶ所を新たに整備する方針で素案を作成いたしました。素案作成の際の子ども・子育て会議における議論の中では、子育てひろばの数的な拡充よりも、開設日の拡充や兄弟で利用しやすい環境の充実、積極的な広報などといった利便性の向上を求められたところでございます。
 なお、第2期子ども・子育て支援事業計画につきましては、今後、素案のパブリックコメントを経て、今年度末に策定の予定です。

 また、常設の子育てひろばではございませんが、移動児童館につきましても、今年度は、前年度に比べ活動場所にして4ヶ所、活動回数で48回の増と大幅な拡充を行ったところでございます。今後につきましても、常設の子育てひろばとあわせて全市的に子育てを支援できる環境を整備してまいりたいと考えております。

 市といたしましては、上記の取り組みに努めるほか、他の子育て資源との連携や既存施設同士の連携を図ることなどにより、保護者の子育ての不安や負担を軽減し、子供の健やかな育ちを支援できるよう努めてまいります。

=======ここまでが本会議場での議論の概要======

↑確かに市の回答にあるとおり、移動児童館も拡充されており、14年前は3ヶ所の公民館での実施でしたが、今では11ヶ所で実施されており、月に1~3回の頻度で実施されています。なお、6月は9ヶ所で再開することとなっています。詳細は、市のホームページでご確認ください。

今後の子育てひろばの方向性は、箇所数の増よりも内容の改善を図ることになっています。確かに内容の充実も必要かもしれませんが、これまでに利用したことのない子育て世代の声が反映できているのか、疑問です。
また、昨年の利用状況を見ると、1ヶ所で、1日平均40人の親子が利用しているということですので、時間帯にもよるかとは思いますが、各ひろばでの混雑状況も気になります。
特に今後は、3密を避けるために定員をいつもより少ない人数で設定している状況ですから、幼稚園等既存の子育て支援施設にもご協力頂いて、もっと箇所数を増やす必要はないのか、引き続き、考えたいと思います。

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