海外からの帰国者の対応が急務ー西宮市内で一挙に5例増加(14例目)

2020年3月31日[カテゴリ:その他政策, コラム, 危機管理

まもなく年度が変わります。

市が使っているメール(ナイスネットメール)も、市の組織変更、人事異動による変更作業のため、今日の18時30分から明日の朝8時までメールが開けない状況になっています。

17時51分に、市の会議の報告がナイスネットメールに送られたとの通知が携帯メールに入っていたのですが、18時半までにその内容を確認することができませんでした。明日、掲載したいと思います。

そして、19時14分から19分まで、私の携帯のメールに、立て続けに5通のメールが届きました。

西宮市内において、1日で5名もの陽性患者が確認されたのは初めてです。
昨日30日の感染者は、嗅覚異常のみで咳や発熱はなかったとのことでしたが、今日の5名の方は、いずれも咳や発熱の症状があります。昨日も書きましたが、2名の方はヨーロッパへの渡航歴がありました。

また、国内での1日の新たな感染者が200名を超えたのも初めてです。
そして、クルーズ船関係の712人を除く感染者数は2000人を超えました。

いよいよ状況が混沌としてきました。

西宮市では、今月1日、1例目の方が確認された時(←クリックすると「患者の治療環境の整備と感染の拡大防止のフェーズ」のコラムをご覧いただけます)、濃厚接触者のうち同居人のお二人はPCR検査の結果が陰性であったとの情報(←クリックするとコラム「明日から金曜日まで市議会は休会ー西宮市議会BCP」をご覧いただけます。)はありました。
しかし、その他の情報については、例えば、1例目の方の勤務先の濃厚接触者は大阪の保健所が対応されたとの報告がありましたが、その方々の結果がどうだったのかは、1ヶ月が経過しようとしている中で、西宮市から大阪の保健所に問い合わせて確認したのかどうかすら分かりません。

同居人のご家族の方は、陰性が確認されてから2週間以上が経過した現在も陽性が確認されていないことから、うつらなかったと推測するしかありません。

2例目の方(←クリックするコラム「西宮市内で2例目、兵庫県で8例目の感染」をご覧頂けます)については、「濃厚接触者を特定し、経過観察中」とのことでしたが、2例目の最新版(←クリックするとご覧頂けます。)が報告された3月8日以降、2週間以上が経過し、濃厚接触者の陽性が確認されたという情報が入っていないことをもって、うつっていなかったと推測するしかありません。

3例目の方(←クリックすると3月8日版がご覧いただけます。)に至っては、3月8日に「濃厚接触者は調査中」と報告されて以降、全く情報開示がありません。

4例目(伊丹市在住)の80歳の方は、3月18日にお亡くなりになりました。心からご冥福をお祈り申し上げます。
市が開示している情報の更新はいまだなされていません。

新たな感染者の報告だけではなく、これまでの感染者についても、「1週間に1度程度の頻度で情報を更新する」などルール化し情報を積極的に開示して、感染拡大防止の呼びかけをすべきです。

昨日のコラムにもありましたが、感染者確認の報告の際には、ほぼ全ての文書に、「引き続き、濃厚接触者の把握を含めた積極的疫学調査を進めています。 」との文言があります。
が、その後の調査の進捗や結果は、私たちには知らされていません。

今回、市内で一挙に5名の方の感染が確認され、いよいよ、濃厚接触者も急激に増加しているものと推察されます。
①これまでの感染者の容体や感染経路などの調査の状況
②これまでの濃厚接触者はどの程度いらっしゃって、それぞれ容体はどうなっているのか。
③県内他市及び他府県の感染者の濃厚接触者が市内にどの程度いらっしゃって、どのような対応をされているのか。

情報を整理し、開示すべき時はとっくに来ていると思います。

西宮市議会災害対策支援本部役員会議は、3月19日以来開催されていませんが、役員会議を通じて報告してもらうか、文書を持て詳細に報告してもらえるよう求めたいと思います。

以下、携帯メールに送られてきた報告の内容です。

=====10例目の感染者の報告(3月31日(火))のコピー=====

●患者の概要(10例目)
(1)年 代 : 30歳代
(2)性 別 : 男性
(3)職 業 : 会社員
(4)居住地 : 西宮市内
(5)経過・症状
  3月23日 東京出張(~27日)、倦怠感あり
  3月26日 咳、発熱37.5度
  3月29日 市内A医療機関(帰国者・接触者外来)を受診
       CT検査で浸潤影あり
       検体を採取
  3月30日 体調悪化のため、市内A医療機関に救急搬送、入院(現在も入院中)
  3月31日 PCR検査陽性確定
(6)濃厚接触者の有無 : 調査中
(7)その他 : 同居人あり。渡航歴なし。

=====ここまでが、10例目の感染者の報告======


同居人の年齢や濃厚接触者の26日以降の行動履歴など、気になることがたくさんあります。
30歳代のまだ若い会社員ということですが、保育所や学校に濃厚接触者はいないのか、場合によっては迅速な対応が必要となります。
迅速に積極的疫学調査を進め、私たち市民への情報開示をしていただきたいと思います。

続報を待ちたいと思います。

(4月3日追記)

4月2日 容態変化なし
(6)濃厚接触者を特定し、管轄保健所が経過観察中。

濃厚接触者は特定できた様子ですが、その人数、就学、未就学の子供はいなかったのかなどの情報は開示されていません。その内容しだいでは、保育所や学校の対応にも影響が及びます。市民の安心の確保のために、さらに情報開示が必要です。

(追記はここまで)

=====11例目の感染者の報告(3月31日(火))のコピー=====

●患者の概要(11例目)
(1)年 代 : 20歳代
(2)性 別 : 女性
(3)職 業 : 調査中
(4)居住地 : 西宮市内
(5)経過・症状
  3月19日 発熱37.2度
  3月20日 味覚・嗅覚障害
       市内A医療機関を受診
  3月27日 帰国者・接触者相談センターにて相談
  3月29日 市内B医療機関(帰国者・接触者外来)を受診
       検体を採取
  3月31日 PCR検査陽性確定
(6)濃厚接触者の有無 : 調査中
(7)その他 : 同居人あり。渡航歴あり(3/3~3/18 スペイン・フランス)。

=====ここまでが、11例目の感染者の報告=====

↑スペイン・フランスと言えば、現在感染が深刻な状況になっている地域です。
3月3日~18日と言えば、ちょうど急激に感染者が増加した時期でもあります。市の報告では、19日に37℃を超える熱があったということですが、その前日の18日はどうだったのか、空港での検疫はどうなっていたのか疑問です。

咳や高熱が出る前の味覚障害で見つかったものの、症状が出てから10日も経過してます。10日間の行動によっては、濃厚接触者もかなりの数に及ぶのではないかと心配します。

20歳代で職業が調査中となっていますが、この3日間、京都の大学がクラスターになっていることが連日報道されています。
「20歳代の3月の海外旅行といえば卒業旅行だったのかな?」とか、
「卒業旅行だったとすれば、クラスターとなった京都の大学の学生のように、卒業祝賀会に参加していたのではないのか?」など
これだけの情報ではいろいろと憶測を呼んでしまいます。

続報を待ちたいと思います。

(4月3日追記)

(3)職業は、調査中でしたが、やはり、「学生」であることが判明しました。
(5)経過・症状の中で、
市内A医療機関を受診したのは、3月23日で、
4月1日に市内B医療機関に入院、
4月2日現在、容態変化なし。
(6)濃厚接触者を特定し、管轄保健所が経過観察中。という情報が追加されました。

4月2日のニュースで、大阪大学の学生であることが報道されていました。
大学名については、マスコミの取材で判明したものと推察されます。クラスター化については報道されていませんが、市民の安心の確保のために、さらに、情報開示が必要です。

(追記終わり)

=====12例目の感染者の報告(3月31日(火))のコピー=====

●患者の概要(12例目)
(1)年 代 : 20歳代
(2)性 別 : 男性
(3)職 業 : 会社員
(4)居住地 : 西宮市内
(5)経過・症状
  3月26日 発熱あり
  3月27日 咳、発熱39.2度
       帰国者・接触者相談センターにて相談
  3月28日 市内A医療機関(帰国者・接触者外来)を受診
       検体を採取
  3月31日 PCR検査陽性確定
(6)濃厚接触者の有無 : 調査中
(7)その他 : 同居人あり。渡航歴あり(3/12~3/16 ドイツ)。

=====ここまでが、12例目の感染者の報告=====

↑こちらも海外渡航後の感染発覚です。ドイツも感染者が急激に増加した国です。
3月12日には感染者が1500人を超えており、16日には5000人近くの感染者がいたそうです。
なお、現在は5万人を超えています。
11例の方の場合もそうですが、帰りの飛行機の中はクラスターにならないのだろうか。
国には早く調査をしてもらいたいところです。
感染者が確認された方々が搭乗した飛行機の便数を直ちに公表して、同じ飛行機に搭乗していた方々には、無症状でも陽性となるケースも確認されているわけですから、早くPCR検査を受けてもらい、例え陰性となっても一定期間外出しないよう呼びかけるべきです。

ちょうど今の日本と同じような状況だったと推察されます。
日本では何とかこのあと、5000人にまで増えないよう抑制されることを願うばかりです。

続報を待ちたいと思います。

(4月3日追記)

(3)職業は、「会社員」とありましたが、「学生」であると修正されました。これは大きな違いです。こちらも、学生の卒業旅行であった可能性があります。
(5)経過・症状の中で、
市内A医療機関を受診したのは、3月23日、
4月1日に市内A医療機関に入院、
4月2日現在、「容態変化なし。」
(6)濃厚接触者を特定し、管轄保健所が経過観察中。という情報が更新されました。
濃厚接触者の人数や、同居人に就学中の年下の兄弟がいないのかなど、現在の対応に影響することから、さらに情報開示が必要です。

(追記終わり)

(5月13日追記)

↑上の海外渡航歴のある方の対応について、4月3日に市に対して問合せし、4月9日に回答を頂いておりました。大変遅くなりましたが、追記致します。

=====質問(4月3日)と市の回答(4月9日時点)=====
【田中からの質問】
3月以降の海外渡航歴のある市民の皆様に対して、感染拡大防止のために、何らかの協力(自主的自宅待機など)を求められないものなのか。また、3 月以降の海外渡航歴のある市民の皆様から、電話相談はどの程度寄せられているのか、あるのであればどのような相談内容であったのかお示しください。
【回答】
従来は、海外渡航歴がある方という区分での件数は集計しておりませんでしたが、先日、兵庫県知事が「14日以内に帰国された方は、最寄りの保健所へ連絡してください。」と県民に要請されたことから、保健所にご連絡をいただいた方に対しては、渡航先や症状の有無、連絡先などをお伺いして記録をしております。4月3日から6日までの4日間で合計6件のご連絡をいただいております。また、ご連絡をいただいた際には、自身の健康管理に注意し、不要不急の外出を控えていただくようにお願いをしております。海外渡航歴がある方からの主な相談内容としては、受診方法などについてのお問い合せが多くなっています。
=====ここまでが、質問に対する市の回答=====

このあと、4月14日に確認された方(3月30日発症)と4月21日に確認された方(3月23日発症)に海外渡航歴があったと報告がありました。市の回答にある県知事の要請が届かず、1ヶ月近く放置されたことになります。5月13日現在、感染拡大は確認されていませんが、緊急事態宣言に基づく外出自粛要請を解除する前に、接触のあった方に対してPCR検査や抗体検査を受診してもらえるようお願いし、未然に感染拡大を防止する対策を強化するべきだと思います。

(追記終わり)

=====13例目の感染者の報告(3月31日(火))のコピー=====

●患者の概要(13例目)
(1)年 代 : 60歳代
(2)性 別 : 男性
(3)職 業 : 会社員
(4)居住地 : 西宮市内
(5)経過・症状
  3月24日 悪寒、発熱38度台
  3月25日 市内A医療機関を受診
  3月27日 36.7度に解熱
       帰国者・接触者相談センターにて相談
  3月29日 市内B医療機関(帰国者・接触者外来)を受診
       検体を採取
  3月31日 PCR検査陽性確定
(6)濃厚接触者の有無 : 調査中
(7)その他 : 同居人あり。渡航歴なし。3/18陽性患者(大阪府151例目)と最終接触あり。

=====ここまでが、13例目の感染者の報告=====

↑大阪府のホームページでは、151例の方は発症日が3月20日となっています。3月18日に最終接触ということですから、発症前にうつったかもしれないケースかもしれません。
感染経路、濃厚接触者の特定が急がれます。

また、同居人の方は何人いらしゃって、未成年はいるのか、いないのかなど、
続報を待ちたいと思います。

(4月3日追記)

4月1日 市内B医療機関に入院
4月2日 容態変化なし
(6)濃厚接触者の有無:濃厚接触者を特定し、管轄保健所が経過観察中。
との情報が追加されました。

濃厚接触者は特定できた様子ですが、その人数、同居人に未成年の子供はいなかったのかなどの情報は追加されませんでした。
また、発症前にうつっているということでしたら、最終接触のあった3月18日から発症した3月24日までの濃厚接触者も特定し、経過観察の対象に加えるべきです。

(4月3日追記)

=====14例目の感染者の報告(3月31日(火))のコピー=====

●患者の概要(14例目)
(1)年 代 : 70歳代
(2)性 別 : 女性
(3)職 業 : 無職
(4)居住地 : 西宮市内
(5)経過・症状
  3月28日 発熱38度台
  3月29日 解熱するも咳、倦怠感、下痢あり
       帰国者・接触者相談センターにて相談
  3月30日 市内A医療機関(帰国者・接触者外来)を受診
       検体を採取
  3月31日 PCR検査陽性確定
(6)濃厚接触者の有無 : 調査中
(7)その他 : 同居人あり。渡航歴なし。東京都在住の孫が3/29に陽性判明。3/21~3/24まで本人宅で孫と過ごす。

=====ここまでが、14例目の感染者の報告=====

70歳代ということですので、重症化しないよう十分な治療が最優先です。その上で、お孫さんと過ごした後の活動など、個人情報が特定されない範囲で情報開示して、感染拡大抑制の行動を呼びかけるべきです。

続報を待ちたいと思います。

(4月3日追記)

3月31日 感染症指定医療機関に入院
4月2日 容態変化なし
(6)濃厚接触者の有無:濃厚接触者を特定し、管轄保健所が経過観察中。
この方だけ、入院先を「〇医療機関」ではなく、「感染症指定医療機関」との表記になっています。
何か意味があるのか、疑問が残ります。さらに、情報開示を待ちたいと思います。

(追記終わり)

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