令和2年度補正予算第4号⑦-感染症対策基金の設置

2020年6月8日[カテゴリ:財政・財政改革

5月に可決した西宮市の補正予算の連載の最終回です。

夏の到来とともに、感染者の確認数も一定収束したように見えます。
このまま第2波が来ないことを願いたいところではありますが、今のうちに、改めて、危機を想定して備えなければなりません。
また、教育や福祉など、まちづくりの要でとなる財政については、対策経費の増加と来年度の市税の減収により、急激に悪化することが見込まれることから早急に対策が必要です。

まずは、6月1日から来年3月31日まで、議員報酬を15%削減し、市長以下特別職の給与についても5%~15%を削減する条例が成立しました。そして、これらの対応で生まれた財源を原資に、新型コロナウイルスの対策に必要な基金を設置する条例も、5月22日の臨時の本会議で可決成立しました。

新型コロナウイルス感染症対策基⾦の設置(新規)

市の説明の抜粋
 新型コロナウイルスの感染が続くなか、市民や企業、団体の方から寄附を通じた支援をしたいという声が市に寄せられています。皆様からの善意のお申し出を受け入れる寄附金の受付を開始し、本市が実施する新型コロナウイルス感染症対策に要する経費の財源として活用していきます。
 ※基金については、新型コロナウイルス感染症対策にかかる事業等に充てるために、議員報酬等と常勤特別職等の給与の減額補正分を財源として積み立てます。今回の積立分と皆さんからいただく寄附金とを合わせて、新型コロナウイルス感染症対策のための事業の財源として、今後活用していきます。
【補正総額】
8,226万3,000円
制度の概要
【設置の目的】
新型コロナウイルス感染症対策の実施に要する資金に充てるため
【積立て】
 ●新型コロナウイルス感染症対策のために寄せられた寄附金
 ●新型コロナウイルス感染症対策のために市長が予算で定める額
 ●基金の運用から生じる収益金
【使途】
 ●新型コロナウイルス感染症拡大の影響を受けた子育て世帯への生活支援及び教育支援に関する事業
 ●新型コロナウイルス感染症拡大の影響を受けた生活困窮者や中小企業者・小規模事業者等への支援に関する事業
 ●新型コロナウイルス感染症拡大防止策と医療提供体制の整備に関する事業
 ●新型コロナウイルス感染症に関する対策のうち市長が特に必要と認める事業
【最初の積立金】
  8,181万円
 (内訳)
 ●議員報酬等の減額補正分の積立:6,441万8,000円
 ●常勤特別職等の給与の減額補正分の積立:1,736万4,000円
 ●寄附金(基礎額計上分)の積立:1,000円(最終は皆様からの寄付金額)
 ●基金利子の積立:2万7000円
【費用】
 事務費:45万3,000円
 (内訳)
 広報用チラシ等の印刷製本費 15万円
 郵便料 5万円
 クレジットカード決済手数料等25万3,000円

議員は、公職選挙法の定めにより、市に対しても寄付をすることができませんので、議員報酬の削減分を市が寄付金に積み立てるような形となりました。
↓基金の設置に伴い、皆様からの寄付金の受付が始まっています。

【寄附金の名称】
新型コロナ対策みやっこ元気寄附金
【寄附受付期間】
令和2年5月22日(金)から当面の間
【寄附金受付の方法】
①郵送、ファックス、メール等によるお申込み(※)
②市ホームページからの電子申請(※)
③クレジットカード決済
④専用口座への振込
⑤ふるさと納税のポータルサイトからの申し込み(6月以降の開始予定)
※①②については、寄附申し込みを受け付けたのち、納付書を送付。

令和2年度補正予算(第4号)のまとめ

これまで、7回に分けて掲載して参りましたので、改めて、事業と金額をまとめて掲載致します。

(感染予防対策)
⚫施設等への衛生用品等の支給による感染防止対策:5378万円
⚫避難所等における新型コロナウイルス感染症対策:6221万2000円
⚫(仮称)地域外来・検査センターの設置:1840万円
⚫妊婦へのマスクと消毒液の配布:118万9000円

(介護施設等での対策)
⚫介護サービス継続支援事業:3648万8000円
⚫濃厚接触者へのサービス提供継続支援事業:450万円
⚫感染拡大防止対策事業:150万円
⚫ICT導入支援事業:620万円

(障害福祉サービス事業所)
⚫障害福祉サービス確保のための支援策:1275万円
⚫濃厚接触者へのサービス提供継続支援事業:405万円
⚫感染拡大防止対策事業:1310万円
⚫ICT導入支援事業:200万円

(児童福祉施設等)
⚫感染拡大防止対策に係る支援:1億3067万6000円

(子育て世帯支援)
⚫児童扶養手当受給者への臨時特別給付金の支給:1億4137万4000円
⚫家計急変世帯への支援(小中学生):1億6083万6000円
⚫家計急変世帯への支援(高校生):2365万5000円
⚫市立高校緊急支援事業:630万7000円
⚫子供の食サポート事業:240万円

(地域経済支援)
⚫店舗賃料支援金事業の対象業種の追加:1億6350万円
⚫雇用調整助成金等の臨時相談窓口の設置:603万円
⚫文化芸術活動への支援:1450万円
⚫障害者就労施設で働く障害のある人への支援:1541万4000円
⚫学校給食調理業者への支援(臨時休業支援補助金):1208万9000円
⚫学校給食調理業者への支援(衛生管理改善事業補助金):551万6000円

(その他)
⚫常勤特別職及び局長級の給与減額:▲1735万6000円
⚫基金の設置:1782万4000円
⚫予備費の増額:5000万円

合計:9億4893万4000円(市の負担は7億5699万円)

令和2年度補正予算(第3号)

4月30日に市長の専決処分で成立し、5月22日開催の本会議で報告され、承認されました。

⚫特別定額給付⾦事業の実施:492億1338万8000円(全額国の負担)
⚫⼦育て世帯への臨時特別給付⾦の⽀給:5億7125万7000円(全額国の負担)
⚫住居確保給付⾦の対象者拡⼤:9587万6000円(市の負担は3504万5000円)
⚫休業要請事業者経営継続支援事業(兵庫県事業):2億3425万3000円(市の負担分)
⚫休館した公共施設の過年度使⽤料還付⾦:2702万5000円

合計:501億4179万9000円(市の負担は2億9632万3000円)

今週12日(金)は、主に6月議会の内容について決めるための議会運営委員会が開催されます。
6月議会では、一般質問を行う予定をしていますので、現在、準備を進めています。

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