令和2年度補正予算第4号⑥-PCR検査体制の強化

2020年6月6日[カテゴリ:医療・福祉

5月に可決した補正予算の内容の続きです。
今回は、PCR検査の体制強化について掲載します。

(仮称)地域外来・検査センターの設置(新規)

 5月22日(金)の健康福祉常任委員会において、現在、市内では、8つの医療機関で帰国者・接触者外来(PCR検査の検体採取可能な外来)を担っていただいていることが判明しました。しかし、今さら隠す意味がよく分かりませんが、医療機関名は公表されていません。
 前回、4月24日(金)の健康福祉常任委員会では、検査委託料の増額と合わせて、検査体制の強化についても必要性を指摘しており、その内容が一歩進められた形となります。
 

市の説明の抜粋
 これまで西宮市では、新型コロナウイルス感染症対策の一環として、帰国者・接触者外来を担う医療機関数の拡大に努め、その数を当初より増加させてきましたが、今般、厚生労働省が新型コロナウイルス感染症の相談・受診の目安を改訂したことに伴い、帰国者・接触者相談センターをはじめ、各医療機関への相談・受診を希望する方が大幅に増加する見込みとなっています。
 また、現状では、陽性患者の発生数は比較的落ち着いていますが、今後、感染者数が増加した場合に、感染爆発を未然に防ぐ対応能力の向上が求められています。
 このため、新型コロナウイルス感染症の拡大防止に向けて、既存の帰国者・接触者相談センター及び帰国者・接触者外来等への負担の軽減を図るとともに、更なる検査体制の強化を確立するため、西宮市医師会と連携・協力して、「(仮称)地域外来・検査センター」を設置します。
【補正総額】
1,840万円(全額市の負担)

4月21日のコラム(←クリックするとご覧頂けます。)に掲載し、4月22日開催の健康福祉常任委員会でも、PCR検査の件数を増やすために、他市で実施されているウォークスルーやドライブスルー方式での検体採取体制の検討について、少し触れていたのですが、西宮市でもウォークスルー方式で検体を採取するための施設を整備するための予算が計上されました。

(仮称)地域外来・検査センターの概要
(仮称)地域外来・検査センターの設置により、PCR 検査を必要とする患者に適切に検査を実施する体制を整備する。
【運営主体】
西宮市医師会
【設置場所】
市内公共施設敷地内(選定中)
【施設内容】
 仮設診察室2室、検体採取場2室、医師待機室・待合等:各1室
【補正額内訳】
 工事請負費:1,540万円
 仮設診察室2室:660万円
 医師待機室等2:660万円
 PCR検体採取ボックス2ボックス:220万円
 消耗品費:300万円(防護服、マスク等の医療資材購入費一式)
※医師会への委託料は別途。

6月中に工事、7月からの運用を予定しているとのことでした。
場所については、医師会との協議が必要であり、選定中となっています。
検体採取能力としては、1時間に4検体採取×2室=8検体の採取が可能と計算しているそうです。

6月1日~4日までの西宮市でのPCR検査数は、1日あたり5、0、3、1件と、一時期と比較すると落ち着いています。しかし、帰国者・接触者相談センターへの電話相談件数は、1日あたり59、28、48、53件と推移しており、決して油断できない状態にあると考えています。
第2波に備えて、迅速に検査を実施して感染拡大を防ぐ体制を、早く整える必要があります。

市からの連絡

5月29日の会議報告(←クリックするとご覧頂けます。)を最後に、市からの会議報告は入っていません。

新型コロナウイルス対応に関して、今週市から入った連絡について、以下に掲載致します。

1.医療用防護服や雨ガッパなどの寄贈募集の終了

4月26日のコラムに掲載しましたが、市から依頼のありました「医療用防護服や雨ガッパなどの寄贈」につきましては、一定数確保できたということで、5月31日をもって募集終了となりました。
市民の皆様から116件、事業者・団体の皆様から48件、合計164件のご寄贈があったとのことです。

2.兵庫県による「芸術⽂化公演再開緊急支援事業」

芸術文化公演再開緊急支援事業(←クリックするとPDFファイルが開きます。)

県の説明の概要
「兵庫県新型コロナウイルス感染症対策対処方針」では、イベント等の施設収容率を50%以内と要請していることから、芸術文化公演等を実施する場合の施設使用料50%相当額を支援し、芸術文化活動の早期の復興と飛躍につなげていく。
【補助対象】
収容人数100人規模以上のホールを使用する舞台芸術(音楽、演劇、バレエ、舞踏、パフォーマンス等)の公演とその練習での使用が対象。
【補助内容】
西宮市立の施設を使用してもらう場合、使用料の1/8を市が負担、3/8を県が負担、1/2を利用者が負担。
【事業スケジュール】
令和2年7月1日~12月31日(6か月間)

↑この事業については、市の補正予算としては、まだ提示されていません。施設の収容率の要請や、施設の利用制限により影響を受ける他の活動についても、使用料の減免を検討する必要があると思っています。

3.にしのみや市民祭りの中止

「令和2年度第45回にしのみや市民祭り」について中止とすることが決定しました。

4.認可保育所の登園自粛要請の終了

先日のコラムで、保育所特別保育を終了し、引き続き6月30日まで、可能な方には登園自粛をお願いすることになっていましたが、市内での感染者の状況を鑑み、6月15日(月)より登園自粛についても前倒しして終了し、通常保育に戻ります。

通常保育への移行後も登園を自粛される場合には、6月末までの保育料及び公立保育所の給食費について減免されます。そして、私立保育所等の給食費については、各施設により取扱いが異なります。

本年4月の待機児童が370人、それ以外に入所できていない児童を合わせると936人となっている西宮市においては、7月以降の自主的な自粛については、公平性や保育の必要性などをどのように判断し対応するのか、非常に重要で難しい判断となりますが、まだ決定していません。

5.今後の避難所運営について

梅雨の大雨や台風による被害に備えなければならない季節となりました。
南海トラフ地震に対する備えも続きます。

新型コロナウイルスのような感染症の拡大防止が必要な時期の避難所運営については課題があることは、5月21日のコラム(←クリックしてご覧ください。)にも掲載しました。

そこで、西宮市は昨日6月5日(金)夕方に、以下の方針を発表しました。
今年度の避難所運用について(←クリックすると市から送られてきた文書がご覧いただけます。)

市作成の文書の抜粋・概要
【大雨・台風時に開設する避難所の一部変更】
・避難所での感染防止対策として、人と人との距離の確保を行うと、一人当たりに必要なスペースが大きくなるため、避難所の収容人数が大きく減少する公民館や市民館等については、大雨・台風等の対応時には開設しません。
・開設しない公民館や市民館等の代わりに、その周辺の学校等の避難所を開設します。なお、学校の避難スペースについては、体育館を基本とします。
【市民の皆様へのお願い】
・「避難」とは、「難」を「避」けることです。市が開設する避難所へ避難することだけが避難ではありません。安全な場所にいる人は、避難所に行く必要はありません。
・また、安全な親戚や知人宅に避難することも有効な避難方法です。特に、新型コロナウイルス感染症の感染拡大が懸念されている状況では、感染リスクを避けるために「在宅避難」ができるよう、自宅が安全な場所かどうかを「防災マップ」で確認するなど、自宅での備えを万全にしておきましょう。
・避難所へ避難する場合は、食料・飲料水・衣類等の生活用品に加え、感染予防のため、マスク・スリッパ・体温計を持参してください。また、避難する前には、体調確認(検温等)をお願いします。

↑(市民の皆様へのお願い)については、誤解を生まないよう気を付けなければなりません。感染症を恐れて災害の犠牲になっては元も子もありませんので、命を守る行動が必要な時は、躊躇なく早めに避難所を使えるよう市は環境整備に努力しています。しかし、今年度ようやく中学校の体育館にエアコンが設置される予算が成立しましたが、避難所はほとんどが小学校の体育館となっています。

議会の総意として設置を求めたにもかかわらず、市長をはじめとする市役所の抵抗により、小学校の体育館には未だエアコンが設置される予定になっておらず、夏場の体育館での避難の環境は劣悪なものとなることが懸念されます。避難所の環境整備のためにも、子供たちの教育活動における熱中症と感染拡大防止を同時に実施する観点からも、一刻も早く小学校体育館にもエアコンを設置しなければならないことを認識するべきです。

また、やむを得ないとはいえ、地域によっては変更の影響が大きく、いざという時に自分はどこに逃げればいいのか、混乱する可能性があります。また、災害の種類や避難情報の発令の状況によって、開設される避難所が異なってきますので、必ず防災マップを確認し、分からなければ、市に問い合わせしておく必要があります。
少なくとも、開設しないことにした避難所についても、代わりに開設される避難所を案内できるよう準備をしておく必要があると思います。

市は、市政ニュース6月10日号と自主防災組織を通じて周知を図るとのことです。

今回のコラムは以上です。
次回、補正予算の連載は最終回となります。

記事一覧