スポーツクラブ21ー補助金の強化

2020年7月5日[カテゴリ:スポーツ推進, 質問

スポーツクラブ21(SC21)補助金の強化

SC21については、6月15日から全ての活動が解禁とはなりましたが、感染防止対策を講じながらの活動となるため、特に選手同士の接触が前提となっている競技の練習は、いまだに制限が大きく、通常には戻せていません。経済活動をここまで戻すという方針が国によって示されているのであれば、特に子供の活動においては、子供の成長はコロナの終息を待ってくれませんので、スポーツ活動も制限する必要性は低いと思うのですが、何が正解なのか、まだ、見えてきません。

地区の運動会についても、秋の実施に向けて現在検討中の地区が多いかと思います。実施の方向で準備を進めつつ、その時の感染状況で判断するしかないのかもしれません。
昨年、雨で中止となった地区や来年から学校の建替えでできない地区などは、何とか工夫して実施したいという思いが強いと思います。
また、直近に迫った例年のプール開放も、学校での水泳の授業ができないことから、是非とも実施して頂きたいところでしたが、夏休みが大幅に短縮されることや完全な感染防止対策が難しいことから、今年は中止とせざるを得ない地区が多いと思われます。

まさかこのような状況になると想定していなかったのですが、昨年12月議会の一般質問での議論の成果もあり、SC21に対する補助金が強化される予定でした。なお、SC21の各競技種目の活動は、基本的に会員の会費で運営されています。

令和元年度補助金
①スポーツの日の行事等に係る事業
 1地区10万円 × 40地区= 400万円
②学校体育施設開放事業
 総額180万円(対象経費の1/2)

⇓令和2年度予算が組まれた当初は、SC21の活動やクラブ間交流をより充実させるため、補助事業の金額および対象事業を拡充して実施する予定でした。

令和2年度当初予算
①スポーツの日の行事等に係る事業
 1地区11万円 × 40地区= 440万円
②学校体育施設開放事業(備品等補助)
 総額200万円(対象経費の1/2)
③SC21交流事業(新規)
 総額40万円

新設補助として、SC21同士の交流(試合等)や認知度の向上を図り、会員数の増加に資するため、交流行事のための補助金40万円を確保して頂いていましたが、新型コロナウイルスの影響により、こうしたクラブの強化に資する事業も実施することが非常に難しい状態と判断され、補助内容が変更されました。
また、今年度の活動自体に大幅な制限がかかっていること、及び再開後の安心・安全な活動を推進していく必要があることから、各SC21の活動継続に資するよう以下の通り見直されました。

令和2年度見直し後
①スポーツクラブ21補助金(事業補助)
 1地区12万円 × 40地区= 480万円
 地区運動会等の実施/感染症予防対策(事業費配分は任意)
②スポーツクラブ21補助金(備品等補助)
 総額200万円(対象経費の1/2)

【変更事項】
●令和2年度は、新設予定の交流事業補助の実施は見合わせるとともに、代替としてスポーツの日の行事(地区運動会等)への補助とあわせて感染症予防対策費の計上を認め、各補助メニューの名称を「スポーツクラブ21補助金 (事業又は備品等補助)」に整理統合されることになりました。(地区運動会等と感染症予防対策の事業費配分は各地区の任意)
●補助金予算額は当初予定の地区運動会分と交流事業分をあわせて480万円とし、各地区12万円を上限として交付されることになり、前年度比20%増はそのまま確保されました。

西宮市議会本会議での一般質問

先日、7月1日より体育施設の使用料が改訂されました。ほとんどの施設が増額であり、その増収分を原資にスポーツ振興の強化を図るよう令和元年12月議会で提案していました。

======本会議場での議論の概要======

令和元年12月議会一般質問

2.スポーツによるまちの活性化について
ア)スポーツクラブ21の強化
■田中の主張
スポーツクラブ21は、地域コミュニティー活動の担い手の中心的な役割を果たしている地域が多く、まちづくりに欠かせない活動となっております。また、子供のときからスポーツに取り組むことは、健全育成、体力向上、情操を育む、異年齢交流、健康意識の向上など、さまざまな効果が期待できます。

一方で、現在上程中の条例が可決された場合、運動施設の使用料改定により、利用者の負担が年間約2,000万円増加すると見込まれております。ですので、この一部をスポーツ推進の強化に資する活動に活用するべきと私は考えます。資料の図3に示しましたとおり、子供の会員数が平成22年度末には8,456人であったのに対して、30年度末には6,866人まで落ち込み、2割も減少していることになります。そこで、スポーツクラブ21の活動に対する補助金を増額して、会員獲得など組織の強化に活用できるメニューを創設すべきと考えます。 

■質問1
子供の減少の影響もあるかと思いますが、小学生全体に対するスポーツクラブ21の小学生の会員の割合の推移をお尋ね致します。あわせて、会員獲得など組織強化に活用できる補助金の創設について市の見解をお尋ね致します。
■質問2
平成28年6月議会におきまして、会員のモチベーション向上による会員確保の観点から、スポーツクラブ21の対外試合や大会の開催に対して積極的に支援し、拡充するべきと提言致しましたが、その後の進捗状況をお尋ねいたします。

■市の回答
誰もがいつでも身近なところでスポーツができることを目指した、地域住民の自発的・主体的運営により設立されているスポーツクラブ21は、本市の地域スポーツ振興のかなめでございます。しかしながら、平成23年度の会員数は1万4,000人余りでしたが、直近の30年度では1万2,266人となっており、微減傾向が続いています。また、市立小学校に在籍する児童数全体に占めるスポーツクラブ21の子供の会員のおおよその割合ですが、平成23年度は約28%で、その後徐々に減少し、直近の30年度は25.1%となっており、会員数と同様、微減傾向となっています。要因としては、少子高齢化やニーズの多様化などが考えられ、会員の獲得など活動の強化が課題であると認識しています。
 現在、市としてスポーツクラブ21の活動を支援するため、主催する地区運動会の運営や備品購入に係る経費の一部を補助しております。今後も、会員数の増加や活動活性化のため、さらなる支援の充実に向けて補助金の見直しなどにも取り組んでまいります。また、複数のスポーツクラブ21が合同で開催する大会や体験会といった各種行事などの組織強化につながる取り組みについても対応できるよう、補助対象の拡充を前向きに検討してまいります。

■質問3
小学生からスポーツに親しむためには、小学生から中学生にかけて継続して同じ種目に取り組める環境整備も重要かと思います。現在は、スポーツクラブ21において小学生が取り組んでいる活動種目と、その学区の中学校部活動の連続性が考慮されていないことから、継続が困難な種目がございます。
こちらは環境改善が必要かと考えますが、部活動指導員の体制強化も含めて、今後の部活動のあり方について教育委員会の見解をお尋ね致します。

■教育委員会の回答
今後の部活動について、生徒のニーズの多様化を踏まえることや、生徒数の減少による運営体制上の課題については、平成30年度に策定した市の中学校部活動方針に基づき、部活動推進委員会を設置し、協議しているところです。現在、スポーツクラブ21などの地域のリソースの活用を視野に入れた部活動のあり方の研究も進めており、令和2年度末に報告を予定しております。

======ここまでが、本会議場での議論の概要======

通常の練習ができない状況では、新規の会員獲得の増加は望めず、今年度のクラブ会員の減少は避けられないと考えています。ワクチンや治療薬の開発により感染症が克服された際には、一層の強化策が必要なのではないかと考えています。

引き続き、スポーツ環境の動向を注視したいと思います。

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