市の財産を目先の財源を確保するために売却してしまっては、将来にわたって活用することができなくなります。
平成15年の初めての一般質問において、将来を見据えて、民間事業者との連携により市有財産を有効活用する方策を検討するよう提言しました。
=====本会議場での議論の概要=====
平成15年6月議会一般質問
1.財政難の克服について
オ)市有地の有効利用
■質問
現在、財政難の克服策として、当面の使い道が決まっていない市有地をこれまで売却してきたようですが、地価の高いときに買った土地まで現在のデフレ状況のもとで損することを覚悟で売却してしまったことは、これまで仕方のない措置だったのかもしれません。しかし、まだ残っている土地についてもこれからも売り続ける予定なのでしょうか。
私は、売ることばかりを考えずに、高くで買った土地を現在の安い値段で売るよりは、市の土地としていざというときには使える状態を保ちつつ、ただ空けておくのではなく、短期の利用に限られてはきますが、民間事業者も対象に入れた本格的な利用方法を検討、研究してはいかがと考えますが、いかがお考えでしょうか。
■市の回答
市が保有しております山林などを除きました普通財産の土地は、この3月末現在で19万9,197平方メートルでございます。その内訳でございますが、公共事業の代替地や宅地分譲等の予定地が2万8,558平方メートル、道路残地など単独の利用が困難な土地が2,954平方メートル、立地条件などによりまして用途の定まっていない土地や事業化までに期間を要します土地が16万7,685平方メートルとなっております。
この中には、サッカーや少年野球など、こういったことができます山口町多目的広場として、あるいは駐車場として暫定的に利用している土地が7万8,742平方メートルございます。また、係争中のため一部未買収地のあります山口町中野の土地5万1,131平方メートルが含まれております。
これらの市の保有地につきましては、将来の公共事業の円滑な推進を図るため、取得したものでございますが、その後の経済情勢の変化や厳しい財政状況の中で、その利用の具体化が困難な状況になっておりまして、これら未利用地の有効利用については重要な課題であると認識いたしております。
その中で、将来に向けて事業の活用の見通しがない土地につきましては、第2次行財政改善実施計画に基づきまして、平成11年度から順次宅地分譲等による売却を実施し、その最終年度となっております本年度におきましても行っているところでございます。
また、本年度におきましては、食肉センター跡地につきましてはみやっこキッズパークに、千歳町の土地につきましては保育所として、それぞれ暫定的に利用を図る予定と致しております。また、そのほかにも、西宮公共職業安定所前の青木町の土地につきましては、その来庁者のための駐車場や駐輪場用地等として兵庫労働局に、本年の5月、貸し付けを行ったところでございます。
御質問の、「売却だけではなく、民間事業者も対象に入れた短期的な利用方法を検討研究してはどうか。」とのことでございますが、現在、未利用地の市有地につきましては、宅地分譲などによる売却や、暫定的に公共公益事業の用に供するということを条件に貸し付けを行うなど、その有効利用を図ってきたところでございます。
今後、これまでの有効利用の考え方や財政状況など、また、御指摘の点もあわせまして、これらのことを総合的に勘案して、全市的な見地に立って有効利用の方策について検討を行ってまいります。
■意見・要望
具体的な利用例を伺うことができました。民間事業者を対象に入れた短期的な利用方法に関しては、市有地が大事な公共財産であるという性質上、利用する側にとっては、具体的に市の事業で使うことが決定すれば、立ち退かないといけない、そうしたリスクが出てくるために、なかなか短期で利用することは難しいと考えられます。
ただ、行政の感覚だけで想定していてもなかなかいい方法が見つからないと思いますし、その(検討している)間、土地を眠らせてしまっているだけではもったいないです。また、質問でも申しましたとおり、土地の価格が高いときに買って、それを今の安い時期に売ってしまうのもまたもったいない話です。
民間事業者はいいアイデアを持っている可能性もありますので、民間事業者に対して有効利用をお願いできないか、民間事業者に使ってもらうことも考えられないかということを、実際にいろいろな業者さんにヒアリングをして、調査研究に取り組んでいただきたいと思います。
=====ここまでが本会議での議論の概要=====
■最終目標
●財政構造改革の推進
■講じるべき手段
●公的資産の有効活用