保育所民営化の財政効果ー平成15年12月議会

2005年7月3日[カテゴリ:保育所政策, 質問

 子供たちに財政的なツケを残すことのないよう、今はとにかく財政改革を断行する必要があります。
平成15年12月議会一般質問では、財政改革の具体的な項目として、保育所の民営化について取り上げました。

=====本会議場での議論の概要=====

平成15年12月議会一般質問

2.行財政改善のための提案並びに計画について
イ)保育所の民営化計画について
(保育所民営化の効果)
■質問の背景

 平成13年に甲東保育所が、そして、今年度より安井保育所が民営化されました。民営化によって保護者への直接の費用負担が増加することはありません。そこで、今後も民営化を推進していくのか、それともこの2園でとどめるおつもりか、今後の考え方について質問したいと思います。
 民営化される際には、保護者、職員からの反対、甲東で7万5,000筆、安井で4万2,000筆、137団体もの署名が集まるほどの反対がありました。もしここでとどめるのであれば、民営化された保育所に通わせていた保護者にとっては、その場の行財政改善のためだけに犠牲になったのかと誤解を生み、行政に対して不信感を募らせる結果ともなり得ます。

■質問1
 実際に民営化してちょうど1年がたった時点での甲東保育所の民営化前後の効果額、そして、民営化してまだ1年に満たない安井保育所の方は効果額の見込みと、また、なぜこの2園が選ばれたのか、その選定基準もお教えください。
 民営化された後に保護者からの意見があれば、あわせてお聞かせください。

■質問1に対する市の回答
 公立保育所を民間移管した2園の行財政効果額についてでございますが、平成13年4月に民間移管しました甲東保育所は、移管時60人定員でしたので、60人定員規模の公立保育所の12年度決算の運営経費と新甲東保育園の13年度決算の運営経費を一般財源の差を効果額として見ますと約3,700万円でございます。
 本年4月に民間移管致しました安井保育所の効果額見込みにつきましては、安井保育所が定員60人で、移管後の安井保育園は定員を90人に増員致しましたので、90人定員規模の公立保育所の平成14年度決算見込みの運営経費と安井保育園での経費を平成15年度予算の運営経費の一般財源で比較し、その差を効果額見込みとして試算いたしますと約6,400万円でございます。

 次に、甲東保育所、安井保育所を民間移管する際の選定基準でございますが、まず、恒常的に待機児童の多い地域にあって、施設の老朽化により建てかえや改修を要する施設で、敷地面積から定員の増加が図れる施設であることを基本と致しまして、市民ニーズの高い延長保育や障害児保育など特別保育事業の実施拠点の拡充を図ること、地域の子育て支援事業を推進することなどと、民間移管をすることで行財政の効率的運営を図れることなどを基準に選定したものでございます。
 
 また、移管後に保護者から寄せられました意見でございますが、職員の配置や給食などについて保護者の意見を運営に反映させるため、懇談会の開催を求められるなどの声が寄せられ、園の日常保育に関するものが主な意見でございました。

====ここまでが本会議場での議論の概要====

 公立保育所を2ヶ所、民営化したことにより、一般財源の負担が年間約1億円削減できることが明らかになり、子供たちへの影響もないことが明らかになっています。
 また、待機児童が課題となっている中、定員の増加を図ることもできています。

 事業の質を下げることなく、財政効果と政策課題の解消を同時に図れる保育所民営化は、今後も進めるべきであると考え、今後の方針についても質問しました。

次のコラムに続きます。

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