入札制度改革⑥-入札の透明性の向上

2005年10月16日[カテゴリ:市役所改革, 質問

前回コラムの続きです。

 公正な入札が実施されるためには、透明性の向上は欠かせないと考えています。平成17年6月議会では、工事請負だけではなく、全ての入札結果や随意契約を含めた契約についてホームページで公表するよう求めました。

====本会議場での議論の概要====

平成17年6月議会田中正剛一般質問

1.入札と契約について
イ)入札結果と契約の公表
■質問の背景

 適正化法によって事前の情報については公開の幅が広がりました。本市においても改善がなされたとは思いますが、結果の公表についてはまだまだ消極的と言えます。入札結果に関しては、契約課の窓口で閲覧、希望者には1枚10円でコピーをしてもらっているとのことです。今日提案しました取組みは、もちろん公開されることが前提です。
 そして、今回も「ア」の項目では工事に関する入札を中心とした提案になりましたが、物品や業務委託の入札については、これまでもあまり取り上げられていません。しかしながら、こちらもお配りしました資料(←クリックするとPDFファイルが開きます)、本市の契約状況の表をご覧下さい。

 本市の契約課が行っている委託の契約だけでも、件数にすると優に工事を上回る件数となっており、さらに、1,000万円以上の工事も221件に上っています。他の所管が直接行っている契約も含めるとさらに増加します。その他、物品購入もそうです。この物品、委託も対象にして入札結果として予定価格と落札者、落札金額、入札メンバーとそのメンバーの入札金額、そして指名基準等をホームページを通じて公表するべきです。

 こちらも資料(←クリックするとPDFファイルが開きます)の中で表にしましたが、工事に関する入札結果は、近隣他市でも当たり前のように工事に関しては公表しています。ただし、公表している落札者等、こうした掲載されている項目については各市異なっていることは断っておきます。

 そして、もう一つは、入札されずに随意契約されているものも多数あります。こちらについても、本市のホームページでは知ることができません。知りたければ、わざわざ窓口に足を運んで見る、用意がなければ公文書公開請求をするといったことが必要になります。
 関心を持っている人が情報公開請求手続を行えばいいわけですが、情報公開室の手間が増えるだけで、これは得策ではありませんし、そうした体制を守る意義が私には理解できません。公開すると問題があるのでしょうか、それとも手間がかかるから避けているのでしょうか。

 何回も繰り返しますが、契約業務は市役所にとって重要な業務です。常に多くの人の目にさらされることによって不正行為の抑止にもなりますし、説明責任を果たすことにもなります。

■田中の質問
 工事、物品、委託、その他の契約行為に際して、入札結果の公表、単独随意契約についてはその単独随意契約である理由も含めて、契約内容を公表するべきと考えますが、市当局の御見解を伺います。

■質問に対する市の回答
 入札結果と契約の公表についてのお尋ねでございますが、現在、本市のホームページで予定価格250万円以上の工事についての年間発注見通し一覧表、競争入札参加資格者名簿、制限つき一般競争入札のお知らせを掲載し、本年度は指名停止基準を追加致しました。また、工事の入札結果につきましては、現在、窓口で閲覧に供しておりますが、本年度中にホームページに掲載する予定であります。
 なお、物品、委託等の入札結果の公表につきましては、今後、他市の事例を参考にしながら検討してまいりたいと考えております。

■田中の意見・要望
 入札結果と契約情報のホームページでの公開についてですが、工事についてのみ本年度中にホームページに掲載されるということです。つまり平成17年度中(平成18年3月末まで)にということです。この話は平成13年6月議会で既に蒼志会の今村議員から質問されています。ホームページのコンテンツとして入札情報や落札情報、申請書のダウンロード、このことに触れてます。
 もちろん電子入札のことについてもこのときは触れていたのですが、そのときの答弁で、早い機会にホームページ上に掲載したいという御答弁をされています。落札情報の掲載に至るまで4年かかったことになります、工事だけで。そのことを担当の方にもお話ししましたら、担当者の方は、「え、そうなんですか」という状態でした。「そんなことが議論されていたんですか、議会で。」と。あり得ないです。議会での議論とは一体何なのでしょう。

 確かにホームページに掲載するには技術上の問題があり、時間かかるということも聞きました。であれば、委託した方が人件費より安くつくのではないでしょうか。工事について今年度中には公開するということですので、今さら言っても仕方がないので、その辺の意識改革もお願いしておきます。
 物品購入や委託についても入札結果をホームページ上に掲載できるように最大限の努力をしてください。
 そして、その掲載する内容も重要です。予定価格、最低制限価格、落札者と金額、こうしたことは公開しているところが多いです。それに加えて、指名した入札メンバーやその応札価格、そして、指名の理由も掲載してください。また、本市も他市と同様に随意契約が多いわけです。この随意契約の理由もつけて、金額的に一定金額以上のものから、段階的にでも結構ですで、随意契約の公開に向けても早急に取りかかっていただきたいと強く要望しておきます。
 
 そして、これは教育委員会も例外ではありません。契約事務の話になると、当然総務局の話になるのですが、教育委員会でも入札や随意契約をしています。何十年も続いている随契もあります。そうしたものがあるにもかかわらず、決算の審査の時に頂く事務報告書の方に教育委員会の所管以外は落札者などが大体載ってますが、教育委員会のその事務報告書に当たるものが教育年報と伺ったのですが、こちらには載っていません。
 そもそも教育委員会というのは、教育に関係すること、この議論を中心にすべきであることは理解できます。しかし、入札や随契を教育委員会でも実施しているわけですから、その情報をホームページ上で公開していっていただきたいと思います。しっかりと受け止めてください。
 そして、入札や随契の中で、早急に見直さないといけないところもあるはずです。そのこともよく検討しておいていただきたいと思います。

====ここまでが本会議場での議論の概要====

 平成17年6月議会で取り上げた入札制度改革に関する一般質問での議論は以上となります。

 西宮市は、まだまだ制度改革に前向きとは言えないことがはっきりしたように思います。今後も時機をみて議論していかなくてはならないと考えています。

■最終目標
公正な入札の実施
市の公共事業を通じた産業振興

■講じるべき手段
VE提案制度等新たな入札制度の導入
(仮)入札制度検討委員会の導入
入札情報の透明性の向上

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