条例の実効性ー平成17年9月議会一般質問

2006年2月2日[カテゴリ:環境衛生, 質問

快適な市民生活の確保に関する条例

 「ごみのポイ捨ての禁止」、「犬のふんの放置禁止」、「夜間花火の制限」、「深夜騒音の禁止」の4項目を規定した「快適な市民生活の確保に関する条例」が平成12年に制定されました。
 この条例で規定する「深夜」とは、午後11時から翌日の午前6時までの時間帯です。「夜間」(花火の禁止)は、午後10時から翌日6時までの時間帯です。
 各項目について、市の改善命令に違反した者は、5万円以下の罰金が科せられることになっています。

 しかし、ごみがポイ捨てされている状況をよく見かけますし、地域ではごみ拾いの活動が展開されています。犬のふんについてもそうですが、市による改善命令や違反者に対して5万円以下の罰金が科される事例は聞いたことがありません。
 夜間花火や深夜騒音については、市によって注意がなされる事例はありますが、罰金が科された事例は聞いたことがありません。

 平成17年9月議会一般質問では、時間の都合上、この条例についてのみとなりましたが、条例の運用について市と議論しました。

====本会議場での議論の概要====

平成17年9月議会一般質問

2.市民との協働について
ア)条例の実効性について
■質問の背景(田中まさたけ)

 今回は、条例の実効性の担保について取り上げます。
 様々な条例が制定され、罰則規定を設けている内容のものでも、機能しているとは言いがたい状態の条例が見受けられます。

 例えばポイ捨て禁止条例が数年前にクローズアップされて、職員みずからが街なかに出向いて、歩行喫煙とかポイ捨ての監視を行って、注意を呼びかける取り組みを行った自治体もありました。しかし、各所管課が街なかで監視をし続けるのは、私は不可能だと思っています。
 本日は、時間がございませんので、「快適な市民生活の確保に関する条例」について取り上げたいと思います。
 
 先日の新聞にも花火の取り締まりについての報道がありましたが、監視体制を強化しない限り、花火に限らず、たばこのポイ捨てやごみのポイ捨ては減りません。また、花火やバーベキューについては規制箇所が多く、自転車駐輪場と同様(駐輪場を整備している周辺のみ放置を禁止しています)、禁止するのであれば、代わりにできる場所も確保するべきかとは思います。
 本市において、条例がつくりっ放しになっている感は否めません。

■質問(田中まさたけ)
快適な市民生活の確保に関する条例の実効性を担保する取り組みをお聞かせください。

■市の回答
 「快適な市民生活の確保に関する条例」は、市民の身近な環境問題のうち、ごみのポイ捨て、夜間花火、犬のふん放置等を対象として、その防止に向けた啓発を行うことを目的に制定しております。
 ごみのポイ捨て防止の啓発につきましては、西宮市ごみ減量等推進員や地域団体などと協力し、クリーンキャンペーン活動等を行っております。
 また、夜10時以降の花火禁止については、夏休み期間中の毎土曜日に地域自治会、市、県、警察の連携によりパトロールを実施し、その防止に努めております。
 犬のふんの放置では、環境衛生協議会等の協力を得て飼い主のマナー改善の呼びかけを行うなど、条例の実効性を確保するために地域諸団体と連携した取り組みを行い、一定の成果は出ているものと考えております。
 
 しかしながら、このような地域の抱える環境問題については、個々人のモラルに関する事柄が多く、条例による罰則規定を設けても根本的な解決は難しく、地域全体での問題認識の共有化や市外の方への細やかな啓発活動が必要となっております。

 地域におけるこうした環境意識の向上等の取り組みを進めるため、新環境計画において、中学校区を基本単位とするエココミュニティ会議を設置することと致しております。現在、環境計画推進パートナーシップ会議に参画している環境衛生協議会、コミュニティ協会、社会福祉協議会、青少年愛護協議会、PTA協議会の各団体や環境問題に関心を持つ市民などへの呼びかけを行い、エココミュニティ会議を各地域で立ち上げるべく準備を行っているところでございます。

 今後は、エココミュニティ会議に参加する地域諸団体や市、事業者などが協力し合い、各条例の実効性を確保するとともに、様々な環境問題の解決に向けた取り組みを進めていくことができるものと考えております。

■意見・要望(田中まさたけ)
 今回は、時間の都合上、1つだけ条例を取り上げました。他の条例についても(運用の仕方が重要であることは)同じことだと思っていますので、他の条例についても一度見直していただけたらと思います。

====ここまでが本会議場での議論の概要====

 条例で改善命令や罰則規定を設けていても、結局は、地域住民の協力を前提として、啓発活動が中心となっていることが明らかになりました。
 もちろん啓発活動も重要なのですが、なかなか成果が上がらない状況であれば、交通安全週間に警察の取り締まりが強化されるように、強化月間などを設けて、市による違反者に対する改善命令や罰則適用の取り組みを強化してもらわなければ、地域住民のモチベーションの低下につながるのではないかと心配しています。
 
 改善命令や罰則適用の取り組みについては、放置自転車の撤去のノウハウを応用すれば可能だと考えています。

 次のコラムに続きます。

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